事件ファイル

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2010年6月12日(土)放送

 「6月の花嫁殺人事件(デジタルリマスター)」

 今日は新一と蘭の中学の恩師・松本小百合先生の結婚式。蘭は園子と二人でビデオ係を買って出て大はりきり。コナンも蘭と一緒に教会までついてきたものの、新一としては小百合にいじめられた思い出ばかりで、手放しで祝福する気持ちにはなれないでいる。新婦の控室では、純白のウェディングドレスに身を包み、別人のように美しい花嫁姿の小百合が友人たちの祝福を受けている。たまたまコナンと二人きりになった小百合はコナンに初恋の思い出を打ち明ける。小百合が好きな缶入りのレモンティーは、初恋の人がくれた忘れられない味だという。その初恋の人は新一そっくりで、新一を見ると「いじめたくなっちゃう」と、コナンの頬をつねる。小百合の思い出話は新郎の俊彦の出現で中断され、蘭や園子がいる前で小百合は俊彦に熱烈なキスをする。結婚式の開始時間が迫り、小百合は控室に一人で残った。一瞬の後、妙な物音がして、コナンたちが控室に戻ってみると、小百合が吐血して倒れていた。
 目暮警部の陣頭指揮で捜査が開始され、小百合は苛性ソーダが混入されたレモンティーを飲んだらしいことが判った。残ったレモンティーの中からカプセルのかけらも発見され、容疑者は新婦の控室に出入りしたものに絞られる。控室に入ったのは、コナン、蘭、園子のほか、好物の缶入りレモンティーを差し入れた小百合の親友の一美、小百合の父・松本警視と目暮警部、蘭の先輩で小百合に夢中だった梅宮、新郎の俊彦の八人だ。目暮警部らは、蘭と園子の撮ったビデオテープを検証するが、犯行そのものが映っている場面はなく、控室に入ったほとんどの者が一度は問題の缶に触れていた。
 鑑識の結果、レモンティーの中のカプセルの分析から犯行時間が推定され、問題の缶には松本警視の指紋がついていないことが判明した。ビデオには松本が缶を握っているところがはっきりと映っていて、指紋検査の結果と犯行時間が矛盾している。コナンはビデオから、レモンティーの缶が一つではなかったことを発見し、カプセルがトリックだったことを見抜く。犯人は判った。あとは誰かを探偵役に仕立てて謎を解きあかすだけだ。コナンは園子の声を使って犯人を追いつめていくが、卑劣な犯行の裏に、俊彦と小百合がそれぞれに抱えていた悲しい思いが秘められていたことを、コナンは知らなかった。