事件ファイル

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2003年1月27日(月)放送

第307話 「残された声なき証言(前編)」

毛利探偵事務所に3人の依頼人が訪れた。3人とも1週間前から行方がわからない有名なシステムエンジニア・板倉を捜してほしいという。3人は別々のゲーム会社の社員で、板倉にそれぞれ違ったゲームソフトの開発を同時に依頼していた。

須貝は囲碁、内藤はチェス、相馬は将棋のソフトだ。板倉は別々に話を持ちかけた3人に「今はどことも契約をしてないから任せろ」と言って開発を請け負ったが、1週間前に「同時に3つは疲れる。事務所を離れてのんびりやらせてもらう」というメールが送られてきたという。このメールで掛け持ちに気づいた3人は、板倉を見つけて文句を言いたいというのだ。

3人は板倉が自分で行方をくらませた可能性もあり、警察に届けたくはないが、誘拐されたとも考えられるという。 コ ナンが手がかりを追い続けている黒ずくめの組織のメンバー・テキーラとそっくりの風貌の男を見かけたという話が出て、コナンはこの事件に黒ずくめの組織が関係しているのではないかと考える。

メールの画像に映っている部屋の様子から、小五郎はホテルニュー米花の2004号室を突き止める。3人の依頼人と小五郎、コナン、蘭は板倉が潜伏していた部屋を訪れる。コナンの機転でマスターキーで室内に入った6人は、そこに板倉の遺体を発見する。板倉は部屋の奥の机に突っ伏して、机の上にはパソコンと薬瓶からこぼれた錠剤が散らばっている。警察の捜査で、板倉は心臓病が悪化していて、この仕事が終わり次第手術を受けることになっていたことが判明する。持病の心臓発作を起こし、薬を飲むまえに息絶えたと思われた。

遺体は死後2日ほど経過していて、ホテルの従業員が気づかなかったのは、仕事場に他人が入るのを極端に嫌う板倉の性格が災いしたと考えられた。だが、コナンは板倉の死は自然死を装ったもので、3人の依頼人の内の誰かが犯人の可能性が高いと直感する。