事件ファイル

事件ファイル
2003年3月3日(月)放送

第312話 「夕日に染まった雛人形(前編)」

雛祭りが近くなったある日のこと、街を歩いていたコナンたちの前で歩美は突然、雛人形が飾られている人形店のウインドウの前で立ち止まった。それを見た元太が歩美の家にも雛人形があるじゃないかと言うと歩美は泣きだしてしまう。

元太は昨年、歩美の女雛(めびな)を壊したことをすっかり忘れてしまっていたのだ。うろたえる元太だが、歩美は泣くのをピタリとやめると、実は知り合いの人からさらに大きい七段飾りの人形がもらえるんだとケロリとした様子。ただし、何も見ずに人形を並べられることが条件だという。歩美はコナン、哀、元太、光彦を誘って皆で知り合いのマンションに向かった。

早速、コナンたちが目的のマンションに付くと出迎えたのはその家の主婦・観野節子。部屋一杯に並べられた木箱に元太と光彦がびっくりしていると、節子の夫の母・弥生が部屋へ入ってくる。弥生は人形を大事にしてくれる子がどうか見定めるために出した条件だと明かした。

コナンの助けも借りて、七段飾りの雛人形を見事に並べた歩美を節子はほめ、人形を譲ることを約束。そこへ玄関のチャイムが鳴り、同じマンションの住人である津曲水貴が骨董品鑑定士の三重芳春を連れて現れる。

津曲は数千万円の価値があるという「雷神」の掛け軸を譲ってほしいという。「雷神」は江戸時代の絵師・鉄山が描いたもので自分は、この掛け軸と対(つい)となっている「風神」を持っているのでどうしても2つそろえたいというのだ。しかし、弥生はいくら金を出しても掛け軸を売る気はないと断ると2人を追い返した。気を取り直した弥生は歩美たちに甘酒を御馳走しようとするが、酒かすがないことに気づく。そこでコナンたちはスーパーに酒かすを買物に外に出た。

間もなく、買物から帰ってきたコナンたちはマンションで鑑定士の三重とばったり出会う。三重は携帯電話を忘れてしまい取りにきたが、家にはだれもいないと打ち明けた。おかしいと思った歩美がドアのノブに手をかけると鍵が開いている。中からはファックスの音が。しかも、リビングにはいろいろな物が散乱し、部屋の中は空き巣に荒らされ、「雷神」の掛け軸も消えていた。そこへ帰ってきた節子は部屋の様子を見て驚き悲鳴を上げる。すると、その声を聞いた津曲が訪ねてきた。

所轄署の刑事・百瀬は全員の事情聴取の結果、犯人はベランダから侵入したと断定。しかし、コナンはファックスの送信時刻からあることに気づき…。