読売テレビ
春川正明
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  総領事
2008年7月3日

お世話になったアメリカの外交官が本国に帰国することになった。駐大阪・神戸米国総領事のダニエル・ラッセルさん。総領事としての3年間の任期を終えてワシントンの国務省に戻ることになった。
今日、離任の記者会見に出席したが、帰国したら東アジア・太平洋局の日本国担当部長に就任するということだ。六カ国協議のアメリカ政府の首席代表を務めているクリストファー・ヒル国務次官補が上司だそうだ。アメリカ政府の対日政策を決める部署のキーマンという重要なポストだ。奥様は日本人で、ご本人も日本語がペラペラ。今日の記者会見も全て日本語だった。日本のこと、関西のこと、大阪のことを、良いところも悪いところも分かっている知日派のラッセルさんが日本に対する重要なポジションで活躍されることは日本にとってもありがたいことだ。
今日の記者会見で印象に残ったのは、「アメリカの国益」という言葉が何度も出てきたことだ。もちろん日本に敵対するアメリカの国益という意味ではなく、重要な同盟国である日本が頑張れば、それがアメリカの国益に繋がるのだという意味だ。「国益」という言葉を聞くと、国と国との外交上のシビアな争いというイメージだが、アメリカ政府の外交官である総領事が「アメリカの国益」を何度も口にするのは当たり前のことなのだ。日本の外交官や政治家の口から「日本の国益」という言葉があまり聞かれないのが不思議でならない。本当に親しい友人には、自分の考えをはっきりと伝え、時には厳しいことも意見する。それが重要なのだ。ラッセルさんが総領事として大切にしてきた日米双方の草の根交流、日米のビジネスの出会いの提供が実を結んで日米関係がますます発展することを願う。
今後の日米関係についてラッセルさんは、これまでのお互い向き合った「Face to Face」(顔をつき合わせて)から、日米が力を合わせて世界に貢献する「Shoulder to Shoulder」(肩を組んで)になっていかなければと力説した。
最後にお別れの挨拶を交わした時に、「ワシントンのオフィスを是非訪ねてください」と言葉をかけていただいた。オフィスの机の上には、イチローから貰ったサインボールを飾って執務に励むという。