10年9月1日(水)「#1158 出馬会見」

  攻めの菅に、受けて立つ小沢といったところか。きょう夕方に都内のホテルで行われた民主党代表選挙の候補者による共同記者会見を取材したが、どちらが現職の首相か分からないといった場面も見られた。菅首相と小沢前幹事長の一騎打ちとなった激しい選挙戦がいよいよ始まった。
  東京へ向かっている途中に番組担当者から電話が入る。記者会見の後で現場にいるカメラクルーと合流して両候補の話を聞いた感想をコメントして欲しいとのことだった。さて、困った。最近は東京へ行く際は軽装である。マスコミ業界でもクールビズが浸透しているので、東京に出張する際はネクタイはもちろん上着も着ない涼しい格好で通している。今日もそうだが翌日には大阪に戻って番組出演の際にも、会社にスーツの上下やカッターシャツなどをおいているので、東京には着替えの衣装も持って行かないのだ。
  今さらどうしようもないので半袖カッターシャツのままで記者会見を取材し、インタビューも受けた。いつもは記者としてリポートする側なので、番組のリポーターの方からインタビューを受けるということに慣れていない。「カメラ目線ではなくて、リポーターの方を見るのでいいですね」と素人のようなことを聞いてしまった。
  話がそれた。肝心の記者会見の内容に戻そう。記者会見場の受付で受け取った両候補の政見に目を通すと、菅さんの「立候補の決意」という文章の中に「闘う菅直人」という表現があった。まさに、この通りの展開だった。
  菅さんといえば、野党時代の舌鋒鋭い追及で名を上げたが、首相になってからは立場の違いもあるのか守りの姿勢が目立ち、攻めには強いが守りには弱いという評判もたっていた。そのことを意識してか、厳しい闘いとなる代表選挙では、本来の強みを生かして攻める姿勢を貫くのだろう。
  きょうの会見でも攻めの姿勢が見えた。小沢さんの資金管理団体を巡る政治資金規正法違反容疑で元秘書ら3人が逮捕された事件を意識してか、菅さんが「クリーンでオープンな民主党」を目指すとした上で「政治にお金のことがまつわる様な古い政治からの脱却」を訴えた。
これに対し小沢さんは余裕を見せつつ受けて立っていたが、普天間問題について菅さんが、小沢さんが幹事長時代に決めた日米合意を白紙に戻すのかと攻めたところ、小沢さんが司会の指名もないのに「白紙に戻すとは言っていない。私は政府の政策決定に関与していない」と色めきたって反論するシーンもあった。
1時間しかなかったのでフリーの質問時間も短く消化不良だったが、マニフェストの実現、消費税を含む財政再建、普天間問題などで双方の考えの違いが目立った。今後も討論会や演説会が予定されているが、テレビ各局への出演も含めて具体的な政策論争を行うと共に、目指すべき国家ビジョンを明らかにして欲しい。

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春川正明

はるかわ まさあき
1961年5月5日生まれ
讀賣テレビ放送
報道局解説副委員長
ロサンゼルス特派員、
チーフプロデューサー、
報道部長を経て07年より現職。
関西学院大学非常勤講師
大阪市出身