あれかもう19年か、時の経つのは早いものである。1991年9月29日に大阪市内のホテルで結婚式を挙げた。新しい生活が始まるにあたってドキドキしたのを今でもはっきりと覚えている。それまで育った環境が全く違う2人がひとつ屋根の下で一緒に暮らすのだ。付き合うのと結婚して生活を共にするのとでは全く違ってくる。
仕事が終わって新居となったマンションに帰ってきたとき、玄関のチャイムを鳴らすと、それまで彼女だった人が「お帰りなさい」と迎えてくれる。何とも言えない幸福感を味わうと共に、この人と一緒に生きていくんだとあらためて実感したのを昨日のことのように思い出す。
二人きりの生活はとても楽しかったが、あっという間に終わったような気がする。楽しかっただけに短く感じるのだろうか。自宅で夕飯を食べた後で、二人で車に乗って食後のデザートのケーキを買いに行ったりした。
子供が生まれてからは、子育て中心の生活が始まった。毎日の暮らしの全てが子供を中心に回りだす。二人とも初めての子育てだっただけに、分からないことも多くドキドキする日々が続いた。
子供も二人目になると、子育てにも慣れてくる。二人目の子供が出来てすぐに、特派員として赴任する前の研修を受けるために東京に単身赴任することになった。小さな子供二人を抱えて妻はさぞや心細かったことだろう。
三人目の子供は特派員として赴任中のロサンゼルスで生まれた。この時も、突発の事件事故の取材のため各地を飛び回り家を空けることが多かったので妻には苦労をかけた。
結婚10年目の年はアメリカで迎えたので、思い切って奮発して10年記念の品を妻にプレゼントした。今から思えば、清水の舞台から飛び降りた、思い切った贈り物だった。20年後の来年には何を贈るべきか。今から少々ビビッている。
10年9月28日(火)「#1185 気の利いたコメント」
事件や事故現場からの生中継によるリポートも、スタジオでの生放送中のコメントも同じである。上手なリポートをしよう、気の利いたコメントをしようと思ってうまく行ったためしはない。
生放送でコメントする時には、そのコメントを事前に書いてみることはしない。というか、何をどのタイミングで聞かれるか分からないので準備のしようもないのである。きっちり事前に打ち合わせをしたとしても、前もってコメントを書いてそれを読むことはしないだろう。
書いたものを用意してしまうと、どうしても生放送でもそのコメントを読み上げてしまうのだ。ましてや、生放送では一方的なリポートではなく司会者との掛け合いである。会話という言葉のキャッチボールなのだ。私の投げるボールは心もとないが、相手の司会の人たちがしっかり受け止めてくれるから安心して投げ込める。私の言葉足らずの部分も分かりやすい言葉で補ってくれることもある。
このニュースについては、どういう内容のことを話したいと事前に自分の考えを整理することはある。しかし、言おうと思っていたことを隣に座るコメンテーターの方に先に言われてしまうということもあるのだ。
どういったコメントをするのか、事前にもっと練るべきかなと思う時もあるのだが、えいやっ、とばかりに瞬発力で反応することになってしまう。もっと味わい深い、番組を見ている方がなるほどなと感心する様なコメントを言うことが出来ればと願っているが、実力不足もありなかなか自分自身で満足するコメントが出てこない。
これでご飯を食べているプロなのだから、泣き言は言いたくないが、テレビの他の番組でコメントしている方々の発言を聞いていると、流石だなと思うことが多い。
気の利いたコメントなんて目指すのは止そう。結局、自分自身の価値観、ものの見方を通して自分自身の思いを発信するしかないのだと思う。
「春川さん、ブログ更新し過ぎです」と言われた。信頼している同業者からだ。そうだよなあ、夏休みなのに毎日しっかりとブログを更新しているのはやり過ぎだよなあ。個人のブログではなく、会社の肩書で読売テレビのオフィシャルサイトに書いているブログだから尚更である。
書き始めて3年2か月、一日も更新をさぼっていないのだから今更止めるわけにはいかない。土日や夏休みなど、仕事が休みの日には書かないという選択肢もあったのだが、初めての週末にも書いてしまったから性格上書き続けているのだ。
毎朝会社に出勤すると、ブログに書いている内容について話しかけてくれる同僚もいる。いつも読んでいますよと声をかけてくれる番組の仲間や、時々メールで感想を送ってくれる系列局の仕事仲間もありがたい存在だ。先日久しぶりにあった大学野球部の同級生も、いつも読んでるよと言ってくれた。
そして何よりも有難いのは、一般の読者の皆さんがブログにコメントを寄せてくださることだ。優しい励ましの言葉も、厳しいご批判の声も、すべて目を通させてもらって勉強させていただいている。皆さんからいただいたコメントを読むのが毎日本当に楽しみだ。
ここまで来たら毎日書き続けるしかないだろうと思っている。休みでも、出張中でも、海外にいても、毎日更新するぞ。イチローの10年連続シーズン200安打という歴史的大記録もヒット1本1本の積み重ねだ。イチローの記録と一緒にするなという声が聞こえてきそうだが、1本のヒットも1回の素振りからだ。継続は力である。
10年9月26日(日)「#1183 休みの終わり」
夏休みも今日が最終日。最後の日は一日中、野球をやって爽やかに終わりたいと思っていたのだが、早朝に寒気がして目が覚めた。このところ急に季節が変わったようで、朝晩は本当に涼しくなった。寒いぐらいである。
今朝も寒さで起きたが、寒さ程度でおさまらず悪寒がした。震えが止まらない。妻が毛布を持ってきてくれたが、寒くて仕方がない。どうやら風邪をひいてしまったようだ。熱があるのではと心配になった。
残念ながら、午前中の二男の少年野球の練習は休むことにした。夏休みの最終日になって体調を崩すとはなんとも情けない。明日から仕事が始まるということを思って、体が拒否反応を示しているのだろうか。
それでも正午前には起きてテレビのニュースをチェックした。体調は最悪でも、頭のほうは完全に仕事モードである。昼食を食べることが出来たので、少しは良くなってきたようだ。再びベッドに入ってウトウトする。今日は二男の学年の練習試合も予定されているので、何としても練習に参加したかったのだが体がいうことを聞かない。
昼からも練習を休もうかとも思ったが、やはり野球が恋しい。練習に行くことを決心しユニフォームに着替えると妻に呆れられた。やはりユニフォームを身に着けてグラウンドに立つとしゃきっとする。
少しふらふらしたが、二男の学年の練習試合では主審を務めた。二男も7番サードで久しぶりの?先発出場。昨日、一昨日と長男に守備とスローイングを教えてもらった効果はてきめんで、3つ飛んできたサードゴロを無難にさばいた。特にファーストへのスローイングが安定していた。長男の指導はたいしたものである。
守備は良かったがバッティングはいただけない。ファーストゴロ、空振り三振、セカンドゴロと3打数無安打だった。バッターボックスに入った二男にもっと後ろで大きく構えるようにアドバイスしたかったが、主審だからそれは出来ない。引っ張りばかりで、これではヒットを打てないだろうなと、主審のマスク越しに見ていてもそう思った。
このところ二男は朝のティーバッティングをサボっているので打てる訳がない。野球の神様は見ているのだ。努力しない選手に野球の女神は微笑まない。
練習の後で二男と一緒にお風呂に入った。センター返しを心がけるようにアドバイスしたが、私の言葉はあまり耳に入らないようだ。明日からティーバッティングを再開することを約束させた。
夕食の前に二男と一緒に母の病院へ行き、母の夕食に付き合った。疲れていたが、夏休み中は毎日行っていたので母の見舞いは欠かしたくなかった。
夏休みの最後の最後で体調を崩したが、野球のおかげで何とか元気になった。明日からまた番組である。新たな気持ちで"無難でなく"コメントできたらと思う。
今ブログを書いている前では長女が英語の宿題をやっている。すぐ横では長男が中間テストに向けて理科の勉強をしている。みんな頑張ってるなあ。私も負けないぞ。
夏休みに入ってから、このブログでニュースについて書くのは今日が2回目。しかも2回とも検察がらみのネタである。検察は動揺している。
沖縄の尖閣諸島沖の日本の領海内で中国の漁船が日本の海上保安庁の巡視船に衝突した事件で公務執行妨害容疑で逮捕されこう留中だった中国人船長が突然釈放され中国に帰国した。そのニュースの第一報を携帯電話のニュース速報で知った時は、中国政府の様々な圧力を受けて日本政府も遂に落とし所を定めたかと思ったが、その10日間のこう留延長期間の途中という中途半端なタイミングには驚いた。
しかしその驚きはその後すぐに何倍にも膨れ上がった。釈放を発表する那覇地検の次席検事の記者会見を聞いて、ひっくり返るほど驚いた、というか呆れ果てた。日本政府はこれまで逮捕した船長について、粛々と国内法で法的手続きを行うと明言していたし、私も番組の中でそうすべきであるとコメントした。しかし、那覇地検は処分保留のまま釈放する理由の一つとして「我が国国民への影響や今後の日中関係も考慮すると、身柄を拘束して捜査を続けることは相当ではない」と説明した。
検察はいつから外交問題まで担当することになったのだ。検察という組織は立法や行政から独立して、法と証拠にのみ基づいて公正な判断をし刑事責任を追及することで正義を実現することが使命である。大阪地検特捜部の検事が証拠を改ざんしたとして逮捕される事件が起きたばかりだが、検察への信頼がまたまた根底から崩れることになる。
検察もひどいが、もっと深刻なのは日本政府、すなわち政治の対応だ。官房長官も、アメリカに滞在中の首相も外相も声を揃えて、検察が判断したことを尊重するとコメントしているが、ここまでこじれた日中関係に関する高度な政治的判断を検察だけで出来る訳がない。国のリーダーたちが事実上決めておきながら、表向きは検察が独自に決めたことにして取り繕ったとしか思えない。なんと情けない対応なのだろうか。
中国がここまで強い反発を示した理由の一つは、船長が起訴されることになれば、それは即ち日本の司法制度で裁かれることを意味し、尖閣諸島の領有権が日本にあることが国内外にあらためて示されることになるからだ。中国の圧力に屈する形で船長を中途半端に釈放したことで、中国は今後ますます領有権の主張を強化するだろうし、日本という国は強い態度で臨めば最後には妥協する国という印象を、中国のみならず世界各国に印象付ける結果となった。
外交は国益と国益がぶつかり合う真剣勝負の場だ。中国に屈して妥協し、しかもその決定を国のリーダー達が行わずに司法組織に押し付ける形にするという、二重の意味で国益を損なう非常事態だ。民主党政権にその危機感があるのだろうか。
残念ながら菅首相ならこの程度かなと思ってしまうし、前原外相については民主党代表時代の偽メール事件への対応を思い出し、やっぱりこの人は危機管理能力に問題があるのかなと不安に思ってしまう。
尖閣諸島は日本固有の領土で、ここにはそもそも領土問題は存在しないというのが日本政府の見解である。そうであるなら、島に政府の施設を作るなり、海上保安庁だけでなく海上自衛隊の存在を示すなりすることも含めて、日本の実効支配を明確にする具体的な行動を起こすべき時ではないのだろうか。偏狭なナショナリズムに陥ることなく冷静でいながらも、日本の国益は断固として守るという姿勢を国の内外に明確に示すことが今こそ必要ではないか。
夏休み中なのに、思わず力が入ってしまった。しっかりしろよ日本政府、と言いたくなる。
10年9月24日(金)「#1181 兄弟のキャッチボール」
気持ちのいい季節になってきた。暑くもなく寒くもなく、吹く風も爽やかだ。年に二回、春と秋の季節の変わり目にやってくるこの時期がいちばん好きだ。
午前中は長男を連れて、いつもお世話になっている指圧の大先生のもとに久しぶりに行ってきた。大先生だけあって、さすがに触るところが全てピンポイントでツボである。何ヶ月かぶりに、海老の踊り食い状態になった。やはり定期的に体を診てもらわなければと、あらためて思った。
昼は長男と2人でおいしいと評判のラーメンを食べに行った。ご飯のお代わりに替え玉と、さすがに中学生は食欲旺盛である。ランチの後は、愛犬ベルとお散歩へ。ようやく昼間に一緒に外を歩ける季節になった。1時間以上も散歩したのは何ヶ月ぶりだろうか。
長男の勉強の休憩時間にキャッチボールをすることになった。軟式の中学野球を引退して、高校に入学したら硬式野球をすることになるので、このところ長男は硬式ボールを使ってキャッチボールやノックをやっているようだ。
長男と硬式でキャッチボールする時は、ここだけの話だが少々マジになる。体が大きくなると共に投げるボールのスピードも増し、ましてや硬球ともなると時々捕るのが怖いようなボールが来る。私が歳をとったのか、息子が成長したのか。
自宅前の道路でキャッチボールをしていると小学生の二男が学校から帰ってきた。当然のように、参加させてとなった。お父さんの投げるボールは山なりだからと、長男が軟式ボールで二男の相手をすることになった。
私自身は大学で野球をやっていたものの、スローイングに難がある。今でも覚えているが、大学入学以来、憧れの三塁を守っていたが、送球が安定しないため、先輩から「試合に出たいのなら外野に行け」と言われて三回生の夏にレフトにコンバートされたのだ。子供たちも大きくなるにつれて、お父さんが投げる自信なさげな緩いボールに満足できなくなってきたようだ。
長男と二男がキャッチボールするのを見るのは今日で二度目だが、これがなかなかいいのだ。父に似ずスローイングも守備も上手な兄が、父に似てスローイングも守備もまだまだ努力が必要な弟に手取り足取り教えているのを見るのは何とも微笑ましい。
父のアドバイスには耳を傾けようとしない弟も、兄の教えには素直に従うのだ。効果はてきめんで、ゴロやフライの捕り方も、スローイングの際の腕の振り方も、見違えるように良くなった弟は少し自信を持ったようで嬉しそうな顔をしていた。長男が二男に野球を教えるような年齢になったかと思うと、とても嬉しい反面、自分も歳をとったなと少しだけ寂しくもなったりする。息子二人が野球を大好きになってくれて、これ以上の幸せはない。そのうち、二男の投げるボールが怖くなる日もやって来るのだろう。
朝から久しぶりの大雨。せっかく中学生の長男の体育大会を観に行けると楽しみにしていたのに延期になった。中学生になると体育大会は平日に開かれることが多いので、小学生の時と違って夫婦揃ってお弁当を持って応援に行く機会がないので少し寂しい。
朝に目が覚めて体育大会が延期になったのを確認して昼まで寝ることにした。ゆっくり朝寝が出来るのは夏休みならではである。しかし、正午前には起きてテレビで昼ニュースをチェックした。仕事を完全に忘れてのお休みモードにはなかなかならない。
朝刊を読んだ後は、今日もおうちのお片づけ。自宅の納戸には、9年前にアメリカから持って帰ってからそのままになっている引越し荷物のダンボールが幾つか置いてある。いつか片付けようと思っているうちに歳月が流れた。
アメリカで子供たちが遊んでいた懐かしい子供のおもちゃなどが大量に出てきたが、涙を呑んで捨てることにした。子供が3人もいると、家の荷物は増えるいっぽうだ。自分のものも含めて、思い切って捨てていく。一度踏ん切りがつけば、捨てるのも楽しい。
夕方には長男が通う中学校へ。普段はなかなか子供たちの先生とお話する機会がないので、無理を言って時間をとっていただき先生方にお会いしてきた。学校での長男の様子や受験について色々なお話を聴くことが出来て、先生方との懇談はとても充実した時間だった。長男は素晴らしい先生方に教えていただき幸せ者である。
学校から帰ってすぐに、二男を連れて母の病院を訪ねた。孫を連れて行くと母は心から嬉しそうな顔をする。食事の量も増えてきて、順調に回復しているようだ。
自宅に戻って夕食を食べた後、またまた納戸の片付け。こういうことは、盛り上がった時にやれるだけやるのがいいのだ。妻も頑張り、だいぶ片付いた。
あっという間に深夜になった。夜のニュースを観た後でこのブログを書いている。これから愛犬ベルの散歩はきついなあ。でも行きたいやろなあ。ちょっとだけね。
海外にも行かない今年の夏休み。自宅で毎日のんびりしている、というか、一日があっという間に過ぎていく。今日も朝から色々と家のことをやって、いまようやく一休み。テレビでミヤネ屋を観ながらこのブログを書いている。
毎週2~3回出演させて頂いているミヤネ屋を自宅でゆっくりと観ることはない。出演していない日は東京に取材に行っているからだ。ミヤネ屋が始まる午後2時という時間帯は、朝から働いて昼ご飯を食べた後で、ようやくちょっとゆっくり出来る時間帯だということが初めて分かった。主婦の方々にとっては、ほっこりしながら世の中の動きをチェックできる番組なのだということをあらためて実感した。
今朝は子供が学校へ行く時間帯に起きた。休みなのでゆっくり眠りたい気持ちもあるが、昼まで寝てしまうと一日が短くなるのだ。
午前中に洗濯機を回して、その間にきのう洗濯して干してあった洗濯ものを畳んだ。たくさんの洗濯が済んだものを子供ごとに分けて、それぞれの机の上に置いた。愛犬ベルに朝御飯も与えなければならない。このところ、私がずっと家にいるのでベルもご機嫌よさそうだ。
洗濯ものを庭に干すと汗が噴き出してきた。9月も下旬だというのに、いつまで暑い日が続くのだろうか。日陰に入るとかなり涼しくなってきて、吹く風も爽やかになってきた。ベルとの散歩も気持ちいい季節だ。
手前味噌で恐縮だが、ブログを書きながら観ているミヤネ屋はよく出来ていてなかなか面白い。自分が出演する番組を全く客観的に観る機会はあまりないので勉強になる。
さあ、これから懸案の寝室の片付けに取り掛かる。思い切って要らないものを棄てよう。夕方には今日も病院へ行って母の様子をみることにしよう。。
朝から晩まで自宅にいると、やることがたくさんあってたいへんだ。少しだけ主婦の日常を体験して、妻のたいへんさを実感した。いつも御苦労さま。ありがとう。
仕事になるから夏休み中の今週はブログでニュースについては書かないと決めていたが、やはりこれは書かずにいられない。こんな事があっていいのだろうか。検察への信頼を根底から揺るがす前代未聞の大不祥事である。
郵便不正に絡む偽証明書発行事件で先日、大阪地裁は厚生労働省の元局長である村木厚子さんに対して無罪判決を言い渡したが、その事件で村木さんの部下の元係長の自宅から押収したフロッピーディスクのデータを改ざんした証拠隠滅の疑いで、この事件の主任検事である大阪地検特捜部の前田容疑者が最高検察庁に逮捕された。
特捜部という最強の捜査機関のエースと呼ばれたやり手の現職検察官に容疑者という呼称を使うのも異例なら、実際に捜査することのない最高検察庁が自ら捜査に乗り出してその日のうちに身内の検察官を逮捕するなんて聞いたことがない。あってはならない事態が起きてしまったということだ。
検察が記者会見する場合はテレビカメラはもとより新聞社のスチールカメラにも撮影を許可しないことがほとんどだが、今回はさすがに最高検の次長検事(最高検のナンバー2で報道担当でもある)の会見にも、大阪地検の次席検事(地検のナンバー2で報道担当)の会見にもテレビカメラが入り、2人ともカメラの前で頭を下げて謝罪した。
この問題も大きく影響したのだろう。無罪判決が出された村木さんに対して検察は控訴を断念したことをあわせて発表し村木さんの無罪が確定した。村木さんについては検察がでっち上げた冤罪である可能性が高まっている。
裁判員裁判が始まって一般の人にも刑事裁判や司法の世界についての理解が広まっている。刑事裁判では、法廷に提出された証拠にのみ基づいて有罪か無罪かについての審理が行われるのは今や常識になりつつある。その証拠には供述や証言といった被告や関係者が話したものと、凶器や書類などの物的証拠がある。政治家や官僚などが絡む重要事件を担当する特捜部の捜査では、最初に筋読みと呼ばれる事件の構図が描かれ、そのストーリーに沿った供述を無理にとっていくという批判の声が絶えない。今回改ざんされたとされるのは、公判では翻されることもある"供述"ではなく、動かし難く証拠価値が高い"物証"である。これに手を加えるならば、検察によってどんな冤罪も創り出すことが出来てしまう。
今回の件では謎も多い。事件の証拠品は通常では判決が確定するまでは返却されないのだが、今回は専門家がチェックすればデータが改ざんされたことがすぐに分かるフロッピーをなぜ早期に被告側に返したのだろうか。また、弁護側はデータの改ざんを早い段階で知っていたと思われるが、なぜそれを今まで法廷で明らかにしなかったのだろうか。
村木さんも記者会見で言っていたが、今回の不祥事を個人の問題で終わらせるのではなく、検察という組織の体質にまで踏み込んでしっかりと検証すべきである。
それにしても最高検の次長検事の会見をテレビで見て驚いた。「村木元局長には負担をかけて申し訳なく思っている」と、さらっと簡単に済ませてしまう謝罪の言葉の軽さにあきれたし、軽くしか頭を下げない態度からは反省の気持ちが伝わってこない。今回の現職検察官逮捕という重大事件についても、どこまで深刻に受け止めているのかと不安になってしまう。長年溜まりに溜まった検察の膿を、この際出し切るべきではないか。
日本に居ることになった今年の夏休みのテーマは自宅の片付けである。まずは寝室を何とかしようと思ったがなかなか気が進まない。眠たい。午前10時に目が覚めた。もう少し寝ようかとも思ったが、もう一度眠りにつくと昼過ぎまで起きないだろう。頑張ってベッドを離れまず洗濯機を回した。
以前にも何度か書いたが、洗濯が大好きである。洗濯機を回すのも好きだし、洗い上がった洗濯ものを干すのもストレス解消にはもってこいだ。久しぶりの洗濯なのでついつい力が入った。
洗濯機が回っている間に掃除をすることにした。吸引力の強い掃除機で玄関や廊下、リビングなどを綺麗にしていくのだ。これも洗濯と同じように私にとってはストレス解消だ。玄関に掃除機をあてるついでに、玄関にある物入れやカバンの置き場所なども片づけることにした。長男と二男の野球のスパイクが汚れたままで出て来たので、2人にすぐにスパイクを磨くように指示したのは言うまでもない。
洗濯機が回っているのを待つ間に、愛犬ベルのブラッシング。冬に向けて毛が生え換わるこの時期は、とにかく毛が抜けるのだ。大型犬だが室内で飼っているので、家の中のあちこちにベルの毛が固まりになって落ちていたりする。
そのため、生え換わりのために抜けかけている毛を早く抜けるようにブラッシングする特別なブラシをネットで何年か前に購入した。これがまた、よく抜けるのだ。少しブラッシングするだけで、すぐにバレーボール大の毛玉ができる。
ブラッシングの後は、これまた久しぶりのシャワーだ。ラブラドールは水が好きだと言われているが、ベルは体が濡れるのがあまり好きでないようだ。シャンプーで二度洗いした後で、リードで縁側に括りつけて乾燥タイム。いい気候になってきた。
部屋の片付けまで行きつかなかった。今からやるかな。
小学生相手だから、基本に忠実に緩いノックを打とうと思うのだが、ノックバットを握ってしまうと段々と熱が入る。最初は正面に遅い打球を打っていたが、そのうち右に左に振り出して打球はどんどん速くなっていく。性格は変わらない。
夏休みに入って緊張感が解けたのか、どうも体調が思わしくないのだが、今朝からユニフォームを身につけて小学生の二男の少年野球の練習に参加したら、途端に元気になった。やはり、私にとって原点は野球だということを再確認した。
30分、1時間とノックバットを振ってTシャツが汗でびっしょりになった頃には、体も心もスッキリした。大学の野球部で調子が落ちた時に、汗出し用のウェアを着込んでひたすらランニングした頃のことを思い出す。汗が体から出て行くのを見ると、なにか体の中から良くないものが流れ出て体の中が綺麗になっていくような気がしたものだ。
野球は楽しい。大勢の仲間がひとつの白いボールを追いかけて、気持ちもひとつになっていく。ヒットを打ったら心が躍るような気持ちになり、エラーでもすれば何と自分は下手くそなんだと落ち込む。長嶋茂雄さんの言葉じゃないが、"野球というスポーツは人生そのものだ"。
これからも、肉体的に、精神的につらい時にはユニフォームを着て野球をしよう。
スウィッチが切れたのだろうか。遅い夏休みをとることになった途端、体に力が入らない。寝ても寝ても眠たい。昼まで寝ても、またすぐに昼寝をしてしまう。いったい、私の体はどうなってしまったのだろうか。
夏休みをとるというと、「今年もアメリカですか」と必ず言われる。それほど毎年のように夏休みにはアメリカに行っていたということだろう。夏休みだけでなく、夏のメジャーのオールスター、秋のワールドシリーズ、春のWBCと休みをいただいては渡米していたのである。それが、今年は海外に行かないどころか、今のところずっと自宅に居ようと思っている。
気分的にも、体力的にも、懐具合を考えても、今年はじっとしていることに決めた。怪我からのリハビリを終えて一人暮らしをしていた母が、また実家で転倒して再び骨折し入院しているので出来るだけ病院に通ってやりたいということもある。
夏休みごとに海外に行くなんて贅沢だと思われるかも知れないが、報道の仕事をしていると海外にでも出ないと仕事を忘れてリフレッシュすることは難しいのだ。日本に居れば、いつでもどこでもニュースが飛び込んでくる。向こうから来なくても、世の中で何が起きているかが気になって仕方がない。もちろん、たとえ海外に出てもどこでもニュースに接していることは可能だが、海外に居れば細かいニュースはどうでもいいと割り切れることが出来るのだ。
久しぶりの日本での夏休みだが、思ったとおりの展開だ。朝起きると、すぐにテレビをつけると共に、携帯電話にニュース速報が来ていないか確認する。会社に行かなくてもいいので、いつも以上に時間をかけてゆっくりと新聞を読み込む。昼になったら各局のニュースを観る。夕方になったら、夜になったらと、ニュースの時間が気になる。
あ~あ、やっぱり、こうなるよな。ブログも毎日更新するだろうし。10日間の夏休みはあっという間に終わるだろう。せめて、体力的にも精神的にもリフレッシュしたい。少しの間、毎日のブログは短くなるかも知れない。ニュースについては書かないかも知れない。暖かく見守って頂ければ、ありがたい。
さすがに与謝野さんだと感心した。菅改造内閣を特集したBSの報道番組で、たちあがれ日本の共同代表である与謝野さんはコメントを求められて、今この時点でどうこう言うよりも今後、この政権が何をやるかという実績を見るべきだというような趣旨のことを言ったのだ。親小沢だ、反小沢だという従来からのステレオタイプの報道が氾濫する中で、与謝野さんのコメントは光っていた。
このBSの報道番組というのは、BSフジで平日の夜に2時間放送している「プライムニュース」という番組である。知り合いがたまに出演しているので時々観るようになったが、これがなかなか面白い。2時間でワンテーマという思い切った構成なので、出演者もじっくりと時間を気にせずに話せるところが今までの報道番組と違うのだ。この出演者の人選がなかなか渋いのだ。私も以前に報道番組の出演者のブッキングをやっていたのでよく分かるのだが、誰と誰を一緒に出演させるかという組み合わせで番組の内容ががらりと変わることも多いのだ。他系列の番組をちょっと褒めすぎかな。
代表選挙に勝って首相としての続投も決まった菅さんは、国会で改めて首班指名を受けることもないので、「菅改造内閣」となるのだ。菅さんが一度首相の座を降りて再び首相に再登板するなどの際にあらためて国会で首班指名された場合には「第二次菅内閣」となるのだ。政治の言葉遣いは難しい。
さて、その菅改造内閣の顔ぶれであるが、あまり知名度がないベテランの人も多く新鮮味がなく地味だという印象もあるが、知名度で政治をやる訳ではない。与謝野さんの言う通り、大事なのはどんな実績をどんなスピード感で達成するかということである。
最も注目しているのは民間から総務相に就任した元鳥取県知事の片山さんと、国土交通相から外相に横滑りした前原さんである。その歯切れのよいコメントでコメンテーターとして尊敬していた片山さんが、大臣になって地域主権についてどんなリーダーシップを発揮してくれるのか楽しみだ。また、アメリカとも中国とも二国間関係が微妙になっている日本の外交を、はっきりと物を言う前原さんがどう立て直して行くのか、この国の行く末にとってとても重要である。
党役員人事では何といっても岡田幹事長である。ご本人がそうであったように、私も岡田さんには今後も外相として日本外交を引っ張って行って欲しかったが、民主党政権が続くかどうか瀬戸際での幹事長就任は、ご本人の言葉通り「天命」なのだろう。
誰がやるのかより、何をやるのかだ。リーダーの覚悟が問われている。
これだけは、どうしようもない。誠に残念ながら面白い文章を書く才能がない。この仕事のキャリアは四半世紀になるが、原稿を褒められたことはない。3年以上に亘って一日も休まずブログを書き続けていることは時々感心されるが、「文章お上手ですね」と言われたことはない。
こんな仕事をしていると、「選挙に出ないんですか?」と並んで、よく聞かれることがある。「本は書かないんですか」だ。書けるものなら書いてみたいが、私の文章を本にしようと思うような奇特な編集者はいないだろう。
解説委員の先輩方はそれぞれ御著書を出版されているが、残念ながら私にはそのような話はやって来ない。文才も知名度もないのだから仕方がないが。
どうして文才がないのだろうか。文"才"というぐらいだから、これは生まれつきの才能なのだろう。文章の才能を持って生まれてこなかったということなのか。亡くなって既に15年ほどになるが、父は本当に文章がうまい人だった。なのに、どうして私はと、思ってしまう。
文章を書く練習をしてこなかったということもあるだろう。そして何より、文章を読む量が少なすぎたのだろう。今更ながら、若いときにもっと本を読んでおけば良かったと思う。
同じ記者でも新聞記者の人は、会社を辞めても文章を書く仕事で生きていけると言われる。これに対して放送記者は、新聞記者に比べると文章もうまくないので、つぶしがきかないと言われることが多い。私など、その典型だろう。
読者を唸らせる様な素晴らしい文章を数多く読んで、その通りに書き写す。そうした努力もしてこなかったのだから、才能がない者の文章が上達する訳はない。1000回以上、続けて毎日書いているからというだけで、文章がうまくなるはずはない。溜息がでる。
急激な円高・ドル安に対してなんの有効な手も打たないというか打てないと言われていた菅政権がついに市場介入を行った。市場介入というのは、行き過ぎた円高を是正するために政府が市場で円を売ってドルを買うということだ。円を売ると市場にたくさん円が出回るので円の価値が下がる、つまり円の値段が下がるという訳だ。
理屈では分かるのだが、今回の市場介入が円高是正に対して実際にどれだけの効果があるのかは分からない。しかも、今回はアメリカやヨーロッパなどの各国と協力して同時に行う協調介入(日本政府が円を売ると同時に、アメリカ政府がドルを買う)ではないのでなおさらである。どれくらいの資金を投入して日本政府が単独介入しているのか、その規模もまだ明らかになっていない。
日本政府と日銀による市場介入は、2004年3月以来の約6年半ぶりである。因みに、読売新聞の今日の夕刊によると前回はイラク情勢の不透明感などから進んだ円高を是正するために32兆8694億円という規模の市場介入を実施したということである。
為替介入は『日本では財務相の権限で行われ、実務は日本銀行が財務相の代理人として行う。「円売り・ドル買い介入」の場合、政府が政府短期証券(FB)を発行して調達した円を対価に、民間銀行の持つドルを買い入れる』(2010年9月15日、読売新聞夕刊)ということである。それにしても、経済にあまり詳しくない私にとって新聞の経済記事は本当に勉強になる。
効果のほどはすぐには分からないが、急激な通貨の変動に対して日本政府は断固とした措置をとるのだというメッセージをマーケットに出すことが重要なのである。日本経済の力が評価されての円高ではなく、ドル安、ユーロ安という中で行き場を探す金余りの資金が消極的理由で円を買っているという背景事情がある。今回の市場介入を受けて、円は84円台半ばまで急落したが、今後マーケットがどう反応するかは分からない。市場介入という緊急対策と共に、景気対策や輸出だけに頼らない産業構造の改革など根本的な対策も求められている。市場は政治の意思に敏感である。マーケットとの神経戦が続く。
その瞬間はやはりドキドキした。何といっても、民主党代表を選ぶということは、この国の総理大臣を選ぶということだ。菅さんが勝つだろうなとは思っていたが、党員・サポーター票は思っていた以上の大差の上、劣勢といわれていた国会議員票でも上回って菅さんの大勝だった。
その党員・サポーター票だが、300選挙区のうちポイントでは小沢51、菅249と菅さんが約8割を抑えて圧勝だったが、これは選挙制度の影響もある。選挙区で1票でも得票が上回るとその選挙区の1ポイントをとるという、アメリカ大統領選挙と同じ「勝者総取り方式(ウィナー・テイク・オール)」なのでポイント差がついたが、得票数でいうと実は小沢9万194、菅13万7998と菅さんが約6割の得票でその差はそれほどでもなかったのだ。国会議員票の差も6人という僅差だったので、小沢票というか反菅票がこれだけあったということを意識しての今後の政権運営が求められるだろう。
代表選挙の投開票が行われた今日の民主党の臨時党大会は、東京都内のホテルの大きな宴会場で開かれた。会場にはカメラがぎっしりと並び400席以上の記者席も埋まった。テレビの生中継も入り会場自体は熱気に包まれたが、今日の代表選の演説と投開票は、これまで取材した自民党の総裁選や民主党の代表選に比べたら意外と静かだった。
30人とも40人とも言われていた、どちらに投票するか決めていなかった議員の多くは今日の2人の演説を聞いてどちらに投票するか決めるとみられていた。それだけに私も今日の2人の演説、特に小沢さんの演説に注目していた。しかし、小沢さんの演説は一言で言うと迫力不足だった。
小沢さんは冒頭で政治とカネを意識して「私自身に関することで国民にご心配をかけて申し訳ない」と謝罪したので驚いたが、一部で予想された情に訴えて心に響かせるような内容はなかった。声がかれていた事もあるかもしれないが、既に選挙戦で燃え尽きているのかと思わせるものがあった。
菅さんは逆に志半ばで亡くなった2人の国会議員の話をして情に訴える内容でスタートしたが、いつもの菅さんの演説で、さすがと思わせる特別なものはなかった。
「私には夢がある」、「命をかけて」、「次の世代に繋げたい」という全く同じフレーズが2人の口から出たのには少々興ざめした。
国会議員票で上回ったことで、菅首相は党人事も内閣改造も自分の思い通りにできる下地はできた。円高、株安、デフレ、年金、消費税、普天間、尖閣諸島と問題山積で待ったなしだ。総理大臣に成りたかった菅さんが思う存分力を発揮できる環境が整ったのだから、あとは言葉通り"命をかける"覚悟でやるしかないだろう。
10年9月13日(月)「#1170 代表選と夏休み」
来週1週間、夏休みをいただく予定である。そのスケジュールを決めたのは1か月前。その時点で9月14日に民主党代表選挙が行われることは分かっていたが、小沢前幹事長が出馬して菅首相と激しい選挙戦を繰り広げるとまでは想定していなかった。読みが甘い。
明日の代表選で菅首相が再選されれば予定通りの夏休みとなるだろうが、小沢前幹事長が勝って首相になることになれば残念ながら夏休みは幻となるだろう。夏休みということで、来週1週間は番組の出演予定はないが、世の中が大きく激変する時にゆっくりと休みを取る訳にはいかないだろう。
夏休みの話をすると多くの人から「またアメリカ?」と言われるが、今年はその予定はない。家族と夏休みの予定が合わず、一人でアメリカまで行く気になれないのだ。去年までなら一人でも行っていたのに、この心境の変化は何だろう。自分でも分からない。
アメリカだけでなく、南米やインド、アフリカ、イスラエルと行ってみたい所はたくさんあるが、今年は動く気になれなかった。
今年の夏休みは自宅にいて、日頃なかなか手がつけられない自分の荷物の片づけでもやろうかと思っている。毎日自宅にいたらニュースの時間にはテレビを見て、朝刊と夕刊をいつも以上にゆっくりと読み込むのだろうな、と思う。そうなったら休みが休みでなくなるだろう。
私の夏休みをも左右する民主党代表選挙の投開票は明日、東京のホテルで行われる。どちらが勝つか予想しようかとも思ったが止めておこう。菅首相が優勢だとメディアは伝えているが、菅陣営の気の緩みが気にならない訳でもない。日本のリーダーを選ぶ選挙で民主党議員はどう判断するのか。この目でしっかりと見届けたいと思う。
大方の予想通りの無罪判決だった。郵便不正事件で虚偽有印公文書作成・同行使罪に問われていた厚生労働省の村木・元局長に大阪地裁で無罪判決が言い渡された。大阪地検特捜部が手掛けた注目の事件だったが、検察の完敗となる判決だった。
この事件で検察が描いた事件の構図はこうだ。障害者団体の実体がない「凛の会」が障害者用の郵便割引を悪用しようと企て、凛の会の会長がかつて秘書として仕えた国会議員に障害者団体と認める証明書を発行してくれるよう厚生労働省への口利きを頼んだ。国会議員から頼まれた部長は、当時課長だった村木被告に証明書の発行を指示し、村木被告の指示を受けた元係長が証明書を作成し村木被告が凛の会側に手渡したというものだ。
捜査段階では、証明書を作成した元係長は村木被告に指示されたと供述するなど、検察側が考えるとおりの筋書きで進んだ。しかし、裁判が始まると元係長は独断で証明書を発行したと証言し、村木被告の関与はなかったと捜査段階の供述を翻した。また捜査段階で村木被告に発行を指示したと供述した元部長も、公判では一転して「話自体が壮大な虚構」と法廷で証言した。
村木元局長は逮捕段階から事件への関与を一貫して否認し終始無罪を主張していた。裁判では、検察側の立証の柱だった元係長の供述調書などについて裁判所が「取り調べに誘導があった」などと判断し、捜査段階の調書の多くを証拠として採用せず、無罪判決が出される可能性が高くなっていた。
判決では、村木元局長が証明書の作成を指示した事実も、凛の会側が村木元局長から直接、証明書を受け取った事実も認められず完全無罪となった。検察側の捜査に対して判決がどこまで踏み込むかも注目されていたが、完全無罪判決の割には捜査に対する直接的な強い批判はなかった。裁判所の検察への遠慮だとすれば情けない。
以前からしばしば指摘されてきたことだが、検察の特捜部の捜査では、最初に事件のストーリーを決めて筋立てすると、被疑者にその筋書きに沿った供述を強要していく傾向が強いとの批判がある。そのことがあらためて明らかになった判決だった。特捜部が手掛けるからには政治家か高級官僚が摘発されると世間は期待しているし、検察自身もその期待に応えるべく無理をすることがあるのではないか。またメディアも特捜部が動いているのだからという目で見て報道する傾向もあるだろう。特捜部捜査の在り方が問われている。
実際に高校を訪れて学校説明会やオープンスクールに参加するのはこれが3校目である。駅で長男と待ち合わせをして電車でその高校に向かった。緑に囲まれた広い大学の敷地内にあるその学校は、抜群の環境の中にある。まるで、アメリカの大学のようだった。
その影響もあるのか、生徒たちの表情も明るくとてもノビノビしているように感じた。学校の雰囲気も大事だが、実際にその学校に行ってみてそこで学ぶ生徒たちの表情や様子、礼儀などを垣間見ることもとても参考になる。
学校での授業や校内行事などをまとめたビデオや写真を見た後で、校長先生や在校生のお話があった。とても充実した学校であることが伝わってくる。こんな高校で学べたら子供は幸せだろうなと思う。
学校のパンフレットを受け取り、入試要項と願書を買った。去年の入試問題も手に入れることができた。ちらっと中身をみた長男によると、けっこう難しそうである。
図書館や教室など校舎内の見学もあったが、アメリカに住んでいた時に長女が通っていた小学校を思い出した。学校の作りがアメリカを感じさせる。所々に立って案内して下さっている先生方も皆とても感じがいい。
校舎から見えたグラウンドでは野球部が練習していた。これも見たかったのだ。校舎の見学の後でグラウンドに向かったが、残念ながら練習はほぼ終わっていた。練習を終えた野球部の生徒さんに少しだけ話を聞いた。監督さんは職員室にいらっしゃるという。長男に監督さんに会いに行くか、と聞いた。そこまでしなくてもと言うのかと思っていたが、会ってみたいという。積極的になってきた。幸運にも野球部の監督さんともお話する機会に恵まれた。とても感じのいい方だった。
高校選びに際して、長男の関心は野球部についてである。どれくらい部員がいて、どんな練習をして、どれくらい強いのか。監督さんや部員の話を聞いてグラウンドにも行ってみるとだいぶ盛り上がったようだ。
30年以上前に自分自身が高校を選んだ際には、事前に実際に高校へ足を運ぶこともなく入学するまではどんな学校でどんな野球部かということも全く知らなかった。今では考えられないが、当時中学生だった私には色々な高校を見学に行くという発想はなかった。学校選びは大切である。今後も長男と一緒に、出来るだけ多くの学校を訪ねて実際に肌で感じて話を聞いてみたい。
10年9月10日(金)「#1167 初のペイオフ」
ニュースがなくて何を書こうか迷う日がある一方で、今日のように大きなニュースがいくつか重なる日もある。国会内で開かれた民主党代表選挙の立会演説会を取材したのでこれについて書こうと思っていたら、日本振興銀行が破たんして初のペイオフが実施されることになり、大阪地裁では郵便不正事件の裁判で厚生労働省の元局長に対する無罪判決が出された。たいへんな日になった。一日一ネタについて書いているので、どのニュースを取り上げようかと迷ったが、最もホットな銀行破たんについて書くことにする。他のニュースについては日を改めて。
日本振興銀行は竹中平蔵元金融相のブレーンだった木村剛元金融庁顧問が中心となり設立した中小企業向け融資専門の銀行である。出資法違反などで金融庁から業務停止命令を受けたが、金融庁の検査を前にして社内のメールを削除するよう指示したとして木村前会長らが銀行法違反(検査忌避)容疑で逮捕・起訴され、その乱脈経営ぶりも明らかになってきている。
金融庁は日本振興銀行に公的資金を導入して救済することをせずペイオフを実施すると発表した。ペイオフとは1000万円までの預金と利息は保護され払い戻されるが、1000万円以上の預金は保護されないという仕組みである。1971年にペイオフ制度が導入されたが抜かずの宝刀と言われていて、発動されるのは今回が初めてである。銀行選びもついに自己責任の時代になった。
1000万円以上の預金を持っている人は全預金者のわずか3%である上、この銀行は定期預金のみの扱いで、銀行振り込みなど他銀行との決済業務を行っていないなどペイオフを実施しても金融システムに与える影響は小さいと判断されたのだ。
木村前会長には以前、番組出演を依頼しようと一度挨拶したことがあるが、一筋縄では行かない個性の強い人だなというのが印象だった。
日本振興銀行は異例のスピード審査で認可され金融庁から銀行免許を与えられた。金融を担当する大臣だった竹中さんと関係が深い人の銀行ということも、一般の人からの信頼にも繋がっていた面もあるのではないだろうか。そういったことを考えると、竹中さんが今回の件についてコメントしないのは納得がいかない。後ろめたいことでもあるのだろうか。
ストレスの多い毎日。元気に過ごすための活力源は、なんと言っても信頼できる友との交流である。もちろん、言うまでもないが最良の活力源は家族であるが、それは言わずもがな、家族以外の活力源の話である(ちょっと回りくどいかな)。
アメリカに住んでいた頃は、たまにゆっくりとるランチが何よりのストレス解消だった。普段のランチはロサンゼルス支局があるアメリカのテレビ局NBCの社員食堂だった。食堂で食べることもあったが、ほとんどは社員食堂でランチを買って支局のオフィスで食べていた。お気に入りは「NBCクラブサンドウィッチ」だった。日本からのお客さんがあった場合や、取材がスローでたまにアメリカ人女性の支局助手とゆっくりランチでも食べるかという時には、外のレストランに出て二時間ほどかけてランチを楽しむこともあった。その際は、カリフォルニアの青い空の下でのランチが最高の贅沢だった。
最近のランチは、番組出演の時は楽屋で出演者用のお弁当をいただく。東京で取材中は、時間が空いた時に飲食店に駆け込んでさっと済ます。スケジュールが詰まっているときにはコンビニのおにぎりか、ランチ抜きである。いずれにしても、ゆっくりランチを楽しむ機会はほとんどない。
その意味では、久しぶりのゆっくりしたランチは最高の気分転換になった。仕事関係の知り合いとはいえ、信頼できる友人との語らいは何ものにも優る。緑を見ながらのレストランのベランダでのランチはアメリカでの楽しい時間を思い出した。ランチを食べる際の周りの状況もそうだが、誰と時間を共有するかということももちろん重要である。
夜には長い間会っていなかった学生時代からの親友と食事をした。久しぶりに会ったのだが、いつも会っているかのように会話が弾む。信頼できる友との時間は何より大切である。話していると、お互いすぐに学生時代に戻るから不思議である。学生時代の友は一生の宝である。
素敵なランチとディナーで体中に力が漲ったような気がする。まさに活力源である。
オジサンたちのマナーの悪さには閉口する。私も49歳なので立派なオジサンに違いないが、同世代よしっかりしろよと言いたくなる。
今日も飛行機の隣の席の人が座席で靴を脱いでいた。隣に座った途端に憂鬱な気分になる。そんなに機内で靴を脱ぎたいのなら、機内専用のスリッパが付いているファーストクラスに乗ってはと、嫌味の一つも言いたくなる。
このところ飛行機に乗るたびに、隣の席の人が座席で靴を脱いでいる。ひどい人になると、靴下を履いている足を前の座席の隙間に上げている。勘弁してほしい。今日の隣の人は、靴を脱いでいるだけでなく、飛行機が出発する前から座席でビールを飲みだし、飲み終えると大きなゲップをした。あ~あ。
機内では靴を脱いでリラックスしたい気持ちは分かるが、長時間乗る国際線ではないのだ。フライト時間が50分足らずの東京・大阪間のビジネス路線でなぜいきなり靴を脱ぐのか。通勤電車で靴を脱がないだろう。
注意したいという衝動にはかられるが、さすがの私でも「機内で靴を脱がないで」と言うのは躊躇う。フライトアテンダントも注意しずらいだろう。
日本人はよく中国人の公衆の場でのマナーの悪さを口にするが、欧米人から見れば機内で靴を脱ぐ日本人の姿は信じられないだろう。
東京と大阪を頻繁に往復するビジネスマンは働きすぎで、つかの間の休息でほっとしたいのは分かるが、周りへの迷惑を考えましょう。先日、機内でオバサンが靴を脱いでいるのを見た時は、女性もかと驚いた。最低限のマナーというものがあると思うのだが。
番組では打ち合わせや台本があって、事前に何を聞かれてどう答えるか全て決まっているのですか、と聞かれることが多い。また、いつ何を聞かれてもいいようにリサーチャーというか助手のような専属スタッフがいるのですかという質問もよくされる。
答えはどちらも「ノー」である。まず打ち合わせについては、番組出演者が集まって事前に打ち合わせをやる番組もあるし、スケジュールの都合で打ち合わせに出ない番組もある。しかし、打ち合わせでは番組の流れを確認するだけで、具体的にどんな質問があってどう答えるかという事前の話し合いはいっさいない。
番組には項目表というものがあり、その日の番組の中でどうようなニュースがどういう順番で、それぞれ何分ぐらい放送されるかが書かれている。項目表は番組開始が近づくにつれて何度も内容が更新され新しいニュースが入ればどんどん変更される。その項目表を見れば、だいたいどのニュースでどんなコメントを求められるか想像はできるが、事前に思ったとおりの質問が放送で投げかけられることはほとんどない。
報道番組でも放送台本というものがあるが、出演者やスタッフの名前、制作スケジュールなどが書かれ番組の大まかな流れは分かるが、ニュースの内容についてまでは細かく書かれていない。一つ一つの項目ごとにニュース原稿やスタジオでの想定やりとりの原稿などもあるが、その多くは時間との勝負なので放送開始ギリギリまでは手元に回ってこないことが多い。番組が始まってもまだ原稿が手元に来ないままコメントするということもよくある。
ではどの様にしてコメントする準備をしているのかと思われるかも知れないが、正直言ってほとんどがぶっつけ本番である。もちろん気になること、よく知らないことについては可能な限り事前に調べて放送に備えるが、生放送で何を聞かれるか分からないので臨機応変に答えていることが多いのだ。
リサーチャーや助手については私の場合は一人もいない。もちろん、実際に取材している記者やディレクターに直接問い合わせて話を聞いたり資料をもらったりすることもあるが、基本的には自分だけが頼りだ。スタッフがいないことについては、テレビ業界の人からも驚かれることが多いが、一人でやっているのだ。
事前の準備はもちろん大事だが、生放送では、ある意味反射神経が勝負という面もある。でもやっぱり知識や情報が重要で、その意味では日々勉強である。今更ながら、たいへんな仕事である。
子供ではなく、私自身の受験勉強を始めた。勉強といっても私が大学院かどこかを受験する訳ではなく、以前にもこのブログに書いたように長男の高校受験に向けての情報収集と基礎知識の勉強である。
自分自身が高校受験も大学受験も、おまけに浪人も経験しているので分かったつもりでいたが、なにせ30年以上も前の経験と情報である。ほとんど役に立たないのは当たり前である。
まずはインターネットで情報収集。気になる高校のホームページや高校受験について書かれた業者や個人のホームページをいくつか読み込んだ。知っていることも多かったが、知らないこともたくさんあって勉強になった。特に高校のホームページはしょっちゅう更新されているようで、以前に見たときには載っていなかった入試や学校説明会などの最新情報がアップされている。いくつかのホームページを「お気に入り」に登録して、今後はこまめにチェックすることにする。
妻や長男に、「そんな事も知らなかったの?」と言われながらも、多くの知識や情報を得ることができた。インターネットを見ただけで調べたような気になるようでは、昨今の手軽な取材、リサーチと同じである。実際に足を運んで当事者や関係者の話を聞くのが基本であるのは取材も同じだ。
学習塾の関係者の方のお話を聞く機会があったが、たいへん参考になった。目から鱗の話がたくさんあった。やはり餅は餅屋である。知らなかったこと、へぇーという話ばかりであった。今まで自分がいかに受験情報に疎かったかを思い知らされた。
今後は知り合いの学校関係者に連絡をとって直接話を聞きアドバイスを貰おうと思っている。受験は本人の頑張りが何よりも重要なのは当然だが、親として出来る限りのサポートをしてやりたいと思っている。久しぶりに燃えてきた。
大阪で民主党代表選挙の立会演説会が行われた。場所はJR大阪駅前のヨドバシカメラ前。午後三時の陽射しはまだまだ厳しかった。演説会が始まるギリギリの時間に現地に到着したが、演説場所は大勢の人で埋まっていた。小沢さんの支援者がビラを配っていた。
まず菅さんの演説から始まった。演説はずっと絶叫調で、現職の総理大臣という余裕は感じられない。演説の中身に目新しいものは特になかった。演説で政策を訴えれば訴えるほど、それなら現職の首相として実際に政策を実行して欲しいという思いが強まる。
菅さんの演説を受けて、聴衆の反応はまあまあである。菅陣営は特に支援者の動員はかけていないようだ。15分間の演説の予定時間をだいぶオーバーしたのではないだろうか。
続いて小沢さんの演説。小沢さんがマイクを握ると大きな声援が上がった。演説中の反応も菅さんよりも良い。一斉に起きる大きな拍手の音を聞いていると、どうやら小沢陣営の動員がかかっているように感じた。
小沢さんの演説も時折絶叫調になるなど力が入っていたが、声が大きくなると何を言っているのか所々で聞き取りにくかった。小沢さんの演説内容も特に目新しいものはなかった。
日曜日の午後でたいへん暑かったが、思っていた以上に多くの人が集まっていた。お互いをあまり攻撃することのない、面白みに欠ける立会演説会だった。菅さんは上着を脱いで白いカッターシャツ姿だったのに対して、小沢さんは炎天下にもかかわらず上着を着てネクタイをしていた。これも陣営の演出なのだろうか。
とても暑かったが、もう少し演説を聞いてみたかった。2人の演説からはこの国をどうしたいかという国家ビジョンは伝わってこなかった。
10年9月4日(土)「#1161 オープンスクール」
高校受験を前にしてオープンスクールに参加するのはこれが二校目である。全体会合で学校の説明を受けた後は、子供たちは体験授業を受けるためにそれぞれの教室に入った。その間、保護者は受験についての説明を受け戸別の相談会も開かれた。相談会であえて聞きたいこともなかったが、せっかくの機会なので入試での内申書の取り扱いや来年の受験動向などについて幾つか質問した。
体験授業の次はクラブ活動の体験入部である。長男が参加した硬式野球部の練習を見に行った。このところ長男の体も大きくなったなと思っていたが、周りにはもっと大きな体の子供たちがたくさんいる。シニアやボーイズなどで硬式を経験している子供たちも多いようだ。
練習内容はキャッチボールにノック、ロングティーだけという簡単なものだった。ピッチャー希望者はピッチングもやった。以前に参加した高校に比べると、参加していた中学生の野球レベルはそれほど高くないように感じた。
ここでも野球部の監督さんと部長先生との個別相談が行われていた。聞きたいことが特にあった訳ではなかったが、せっかくの機会なので監督さんと少しだけお話しした。
この学校でもそうだが、高校受験に際しては内申書がとても重要なのだ。塾で受験勉強をすることも大事だが、普段の中学校での勉強が何より大切なのである。
今後もできるだけ色々な学校のオープンスクールに参加して、その学校の実際の雰囲気やスクールカラーに接する機会を設けてあげたいと思っている。
生まれてからこれまで、入院というものをしたことがない。骨折もないし盲腸もない。だからもちろん、手術というものを経験したことがない。自分自身、手術の経験がないだけでなく、誰かの手術に立ち会ったこともなかった。
手術を受ける人はやはり不安そうである。命に関わる手術ではないと分かっていても、当事者にとっては深刻なのだ。全身麻酔をかけられ手術中の様子は分からないといっても、体にメスを入れることに対する不安は大きい。手術が終わって麻酔が切れた時の痛みを想像するだけで気が滅入るのだろう。
ベッドのまま手術室まで運ばれ、手術室のドアが開く。「頑張ってね」と声をかけると不安そうな顔で手を振った。ドアが閉まって「手術中」の赤いサインが点灯する。最初は病室で待っていたが、少しでも近くに居てあげたいと思い手術室の前のソファに座って本を読みながら手術が終わるのを待った。
手術は30分ほどで終わる簡単なものだと聞かされていたが、1時間経っても1時間半経っても手術室から出てこない。少し不安になってきた頃に手術室から出て来た。口に酸素マスクをして何本かの点滴の管に繋がれている。後から聞いたところによると、手術は30分ほどで終わっても麻酔が覚めるまでは手術室にいたようだ。手術は無事成功した。
回復室に入って少ししてから面会したが、やはり手術直後ということで疲れた様子だった。焦らずゆっくりと治療に専念して欲しい。とりあえずホッとした。
民主党代表選挙に立候補している小沢前幹事長と菅首相による日本記者クラブ主催の公開討論会が開かれた。会場で直接取材したかったが、きょうは残念ながら大阪で生番組に出演だ。番組が始まる直前まで楽屋のテレビで討論会を観て番組内でもコメントした。続きは自宅で録画したものを観た。
感心したのはやはり記者クラブを代表して質問した4人の方々の質問の鋭さである。小沢、菅両氏に是非聞いてみたいと思う事をずばりと聞いていく。小沢さんの政治とカネの問題、健康問題、代表になっても総理に就任しないのではないかという総代分離、首相就任後に検察審査会が起訴相当の議決を出して強制起訴される場合の対応などなど、鋭く切り込む質問が相次いだ。
候補者に質問した場合に、ただ質問するだけでなく、相手の答えを受けてさらにもう一歩踏み込んだ質問を畳み掛ける姿勢はたいへん勉強になる。小沢さんが質問されて、「えっ?」とか「はぁ?」とかリアクションする時は、聞かれたくないことを聞かれて一瞬どう答えるか頭の中で考えているのだと思う。どんな質問をされても冷静さを装っているが、テレビは一瞬の表情の変化を映し出す。
代表選挙では東京、大阪、札幌での街頭演説会も予定されているし、テレビ各局の番組内での討論も行われるだろう。可能な限り積極的に2人でガチンコの政策討論を行ってほしい。政策はもちろん、人柄やリーダーシップ、人間性なども重要な要素である。この国の将来をどちらに託すのか、たいへん興味深い選挙戦が続く。
攻めの菅に、受けて立つ小沢といったところか。きょう夕方に都内のホテルで行われた民主党代表選挙の候補者による共同記者会見を取材したが、どちらが現職の首相か分からないといった場面も見られた。菅首相と小沢前幹事長の一騎打ちとなった激しい選挙戦がいよいよ始まった。
東京へ向かっている途中に番組担当者から電話が入る。記者会見の後で現場にいるカメラクルーと合流して両候補の話を聞いた感想をコメントして欲しいとのことだった。さて、困った。最近は東京へ行く際は軽装である。マスコミ業界でもクールビズが浸透しているので、東京に出張する際はネクタイはもちろん上着も着ない涼しい格好で通している。今日もそうだが翌日には大阪に戻って番組出演の際にも、会社にスーツの上下やカッターシャツなどをおいているので、東京には着替えの衣装も持って行かないのだ。
今さらどうしようもないので半袖カッターシャツのままで記者会見を取材し、インタビューも受けた。いつもは記者としてリポートする側なので、番組のリポーターの方からインタビューを受けるということに慣れていない。「カメラ目線ではなくて、リポーターの方を見るのでいいですね」と素人のようなことを聞いてしまった。
話がそれた。肝心の記者会見の内容に戻そう。記者会見場の受付で受け取った両候補の政見に目を通すと、菅さんの「立候補の決意」という文章の中に「闘う菅直人」という表現があった。まさに、この通りの展開だった。
菅さんといえば、野党時代の舌鋒鋭い追及で名を上げたが、首相になってからは立場の違いもあるのか守りの姿勢が目立ち、攻めには強いが守りには弱いという評判もたっていた。そのことを意識してか、厳しい闘いとなる代表選挙では、本来の強みを生かして攻める姿勢を貫くのだろう。
きょうの会見でも攻めの姿勢が見えた。小沢さんの資金管理団体を巡る政治資金規正法違反容疑で元秘書ら3人が逮捕された事件を意識してか、菅さんが「クリーンでオープンな民主党」を目指すとした上で「政治にお金のことがまつわる様な古い政治からの脱却」を訴えた。
これに対し小沢さんは余裕を見せつつ受けて立っていたが、普天間問題について菅さんが、小沢さんが幹事長時代に決めた日米合意を白紙に戻すのかと攻めたところ、小沢さんが司会の指名もないのに「白紙に戻すとは言っていない。私は政府の政策決定に関与していない」と色めきたって反論するシーンもあった。
1時間しかなかったのでフリーの質問時間も短く消化不良だったが、マニフェストの実現、消費税を含む財政再建、普天間問題などで双方の考えの違いが目立った。今後も討論会や演説会が予定されているが、テレビ各局への出演も含めて具体的な政策論争を行うと共に、目指すべき国家ビジョンを明らかにして欲しい。
春川正明
はるかわ まさあき
1961年5月5日生まれ
讀賣テレビ放送
報道局解説副委員長
ロサンゼルス特派員、
チーフプロデューサー、
報道部長を経て07年より現職。
関西学院大学非常勤講師
大阪市出身