先日、宝塚歌劇の月組公演「スカーレット・ピンパーネル」を観に行ってきた。今回の宝塚はいつにも増して楽しみにしていた。「スカーレット・ピンパーネル」はブロードウェイ・ミュージカルの宝塚版で初演の際にたいへん好評ですぐに今回の再演となったのだが、初演を見逃したので是非とも観たい舞台だったのだ。
そして、もうひとつ特別な意味があった。小学生の二男の宝塚デビューだったのだ。私の両親が宝塚歌劇の大ファンで私も両親に連れられ物心つく前から大劇場に通いだした。妻も宝塚が好きで、子供たちにも宝塚のファンになって欲しいとずっと思っていたのだ。
長女は小学校にあがる前から大劇場に連れて行った。ここだけの話だが、できれば長女には音楽学校に入ってタカラジェンヌを目指して欲しいと内心思っていたが、残念ながら私のささやかな夢は実現しなかった。息子2人への野球への思いの刷り込みには成功したが、娘への宝塚刷り込みはうまく行かなかった。演目によっては観に行くという程度で宝塚ファンというほどではない。
長男も小さい時に劇場に何度か連れて行ったが、今では野球、野球で歌劇には全く興味がないようである。そこで二男である。美術や芸術には興味があるようだ。先日も家族でブロードウェイ・ミュージカルの話になった時に興味を示していた。そこで、宝塚でブロードウェイ・ミュージカルをやるから観に行かへんかと誘ったところ、「行く」との返事。これはいけるかもしれないと、心が躍った。
「スカーレット・ピンパーネル」はたいへん評判になった舞台だけによく出来ていた。舞踏会の華麗なシーンも、勧善懲悪のストーリーも、宝塚らしくうまくまとめられている。今や宝塚歌劇の名作の一つになった「エリザベート」を手がけた演出家の小池修一郎さんの演出である。宝塚歌劇団を代表する人気演出家なのだ。ただ、少し残念なこともあった。私のお気に入りの1人である明日海(あすみ)りおが悪役を演じているのだが、まだ若いこともあって背伸びしているようで物足りなかった。フィナーレのショーでの彼女の立ち姿はとても魅力的だっただけに残念だった。
舞台を観ながら隣の妻の向こう側の席で観ている二男の様子が気になる。寝ずに舞台をじっと観ている。観客が拍手する場面では一緒に拍手している。その様子を見て内心で叫んだ、「やったあ」。舞台が気に入っている様子だ。舞台を観終わった後で二男に恐る恐る聞いてみた、「どうやった?」。二男はポツリと言った、「楽しかった」。「また来る?」と聞くと「ウン」とうなずいた。よしよし、二男の宝塚デビューは大成功だった。また行こうね。
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