10年4月19日(月)「#1023 大阪維新」

  "大阪維新"とはなかなかいいネーミングだと思う。事実上の橋下新党である地域政党「大阪維新の会」がきょう旗揚げした。最近相次いで立ち上がった新党の名前だが「たちあがれ日本」も「日本創新党」もどちらもいまひとつだなという感じがする。
  大阪府議会の会派では既に同じ名前の「大阪維新の会」が結成されており、それが母体となって大阪市議、堺市議も加わって橋下大阪府知事が代表となって地域政党となったのだ。国会議員がいないので政党要件を満たしておらず法律上は政治団体である。
  メディアが"事実上の"と言っているのは、法律上は政党でないことと、橋下知事を支持する府議や市議が集まって結成したということについて配慮しているのだろう。中身的には完全な橋下新党である。
  大阪維新の会が目指すところは、一言で言うと大阪の復権、活性化である。大阪府と大阪市の二重行政を排除するために府と市を統合して"ワン大阪"となる大阪都を作る。関西空港を羽田空港と並ぶ日本の二大ハブ空港にするため伊丹空港を将来的に廃港にする。これらの政策を実現するために来年春の統一地方選挙で大阪府議会、大阪市議会に候補者をたて議会での過半数を目指すということだ。
  橋下知事が統一地方選挙で有権者にノーを突きつけられれば辞任する覚悟であるのに比べて、府議会議員がいまだに自民党に籍を残しているのはどうも納得できない。自分たちの選挙での当選を考えた選挙互助会という批判もここらあたりから来ているのではないだろうか。
  当初、水道事業の統合や水都大阪の復活などで平松大阪市長と協調路線を歩んでいた橋下知事は、平松市長は行政の長で政治家ではないと批判し政治的には関係を絶つとまで言い切った。これに対し平松市長は、自分の考えに反対する人を敵として排除するやり方を批判し大阪都は時代錯誤だと批判を強めている。
  橋下知事も平松市長も、地盤沈下が深刻な大阪を復権させるという最終目標は同じなのだが、それを実現する道筋で決定的に分裂してしまったということだろう。いや待てよ、橋下知事の最終ゴールは大阪の復権ではないのではないか。おそらく日本の再生であろう。まだ年齢的にも若いし、その政治的野心の強烈さからすれば、いずれ国政に出てこの国を何とかしようという思いがあると思う。
  橋下新党が掲げる府市統合も、東京と大阪間、大阪梅田と関西空港間がリニアで結ばれた際の伊丹空港の廃港という政策にも私はいずれも理解を示してきた。しかし、大阪都については具体的な姿が見えないこともあって少々疑問が残る。最終的には道州制を導入して関西州を目指すべきだと思うので、その過程でわざわざ大阪都を作る必要があるのだろうか。
  いずれにしても橋下知事はたいした政治家である。知事選挙で有権者は大阪府知事という行政の長として橋下さんを選んだと思われるが、ご本人はその地位では満足できずに政治家・橋下という存在がますます大きくなっている。
  橋下知事は「ten」に出演した際に、「(メディアでチェックされるまで)暴走して行きますんで」とコメントした。確信犯である。メディアとしては、今後も是々非々の立場で権力を監視していきたい。

コメント

橋本知事の行動やそれを報道するマスコミを見ていると
どうにも違和感を感じざるを得ない。

政策そのものに対する違和感ではなく、高支持率をバック
に、刺激的な発言をし続け、マスコミもそれを煽り、結果
として「力」で賛同者を増やしていく手法に対しての違和
感だ。

最初に強烈な一撃を放ち、その後やや軌道修正し、相手から
ある程度の譲歩を勝ち取るというのは、政治的な手法として
は有効なのだろうが、果たしてそのやり方でずっと突っ走っ
ていいのか。

橋本知事のこれまでの発言で納得できるものも多い。
しかし、今回の「大阪都」については、知事自身や取り巻き
の言葉だけが一人歩きしていて、具体的にどうしたいのかが
全く見えず、また「力」で押し切るのかという不信感を持っ
てしまう。

投稿者:大阪市在住40歳  2010年4月21日 at 11:33
コメントを投稿

コメントは管理の都合上、200字以内でお願いいたします。長文のコメントの公開はサイト管理者にて登録を控えさせていただきます。コメントはリアルタイムに反映されません。
お書きいただいたコメントは、サイト管理者が登録すると掲載されます。他人の名誉を傷つけたり、権利を侵害する内容や、プライバシーに抵触するもの、公序良俗に反する内容、その他不適当と判断するコメントについては掲載いたしません。URLなどのリンクを含んだコメントも採用されない場合があります。また、掲載しているコメントであっても、個別のコメントへの返答はいたしかねます。なお、一度掲載したコメントについても、予告なく削除することがありますので、ご了承ください。

(必須)

春川正明

はるかわ まさあき
1961年5月5日生まれ
讀賣テレビ放送
報道局解説副委員長
ロサンゼルス特派員、
チーフプロデューサー、
報道部長を経て07年より現職。
関西学院大学非常勤講師
大阪市出身