4回目の離党である。鳩山邦夫・元総務相はこれまで自民党、新進党、民主党を離党してきたが、今回また自民党を離党することになった。政権交代によって新しく出来た民主党政権は社会主義的な色彩の強い政権だとし、自民党では食い止めることが出来ないというのが自民党を離れる理由である。
自らはトップになるつもりはなく、共に自民党の谷垣総裁を批判し離党も視野に入れている与謝野元財務相と舛添元厚生労働相の2人を平成の坂本龍馬としてひっつける接着剤の役割を果たそうという考えである。今のところ2人は話は聞くという態度を示しているが、行動を共にするかどうかは分からない。金持ちの道楽だとかパフォーマンスだと批判する声もあるが、鳩山邦夫氏は記者を前に「道楽で政治はできない」と声を荒げた。
現時点では共に自民党を離党する議員はおらず、政党助成金を得ることができる政党要件を満たす5人を集めることができるかどうかは不明である。参議院選挙を考えれば4月末の連休前までに新党を作ると見られている。
消費税増税を主張する財政再建派の与謝野元財務相と、改革を続行して成長路線を目指す舛添元厚生労働相では、経済政策に対する考え方があまりに違いすぎる。また、郵政民営化に対する考え方では鳩山邦夫氏と舛添氏では違いが大きい。
政治は妥協の世界であるから、目指す政策が全く同じでなくても共に力を合わせて新党でやっていくことは可能ではあるが、新党を立ち上げる限りは、ここだけは譲れないという理念が必須である。どういう政策の旗を掲げて新党を作るのかをはっきりさせなければ、議員も集まらないだろうし国民の支持を得るのも難しいだろう。政治は数だとはいうものの、政治には大義がなくてはならない。今回の離党には残念ながら、それが感じられないのは私だけだろうか。
これまで離党を繰り返しても、何度も大臣を経験している鳩山邦夫氏は、機を見るに敏な独特の政治的嗅覚を備えたやり手の政治家だと思う。今回も、このタイミングでの離党が本人にとってはもとより、政界再編を目指すという政局的にも絶好のタイミングだと思ったのだろうか。それにしては周りの空気が少し冷めていないだろうか。
離党を受けて、民主党政権の閣僚は冷ややかな厳しい見方を示しているが、内心では自民党にまたゴタゴタが起きて喜んでいるのかもしれない。
舛添氏は離党することなく次の自民党総裁を目指すのではないかと思う。鳩山氏の離党が政界の大きなうねりになるかどうかは与謝野氏の動向にかかっているように思うが、離党の理念がはっきりしない限り与謝野氏も行動を共にするのは難しいのではないか。
政治は志である。どういう国のあり方を目指すのか、近いうちに出来るであろう新党はもちろん、民主も自民も他の野党も、もう一度原点に立ち返ってその志を国民に示してほしい。
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