いま政界では外国人を巡る二つの問題が注目を集めている。ひとつは外国人参政権である。日本に住む外国人に対して地方参政権を与える法案を民主党が今国会に提出しようという動きがあるが、連立与党を組む国民新党が反対し、民主党内からも反対の声が出ている。一方、野党の公明党はこれまで何度も在日外国人に地方参政権を与える法案を国会に提出している。
地方参政権というのは、都道府県知事や市町村長といった地方自治体の首長や、都道府県議会議員や市町村議員に関する選挙で投票できる選挙権のことである。
外国人に地方参政権を与えることを支持する理由は、国籍はなくても実際にコミュニティーの一員として日本に住んで税金も納めているので、自分たちの住む地方自治体の政治に参加する権利を与えるべきであるという考え方である。国防や安全保障といった国の根幹に関わることには参加させるべきでないということで、衆議院や参議院といった国政への参政権は対象になっていない。また、日本には戦前、戦中に朝鮮半島から日本へ強制連行され戦後もそのまま日本に残った在日朝鮮人、在日韓国人やその子孫らが数多く住んでいるので、その人たちに地方参政権を与えるべきであるという考えも背景にある。
一方で、外国人に地方参政権を与えることに反対する理由は、地方といえども最近では有事法制など安全保障に関わる問題もある上、参政権を得たいならば日本に帰化すべきであるという考え方などである。このところ日本に住んでいる中国人の数が増加する一方であることも外国人に地方参政権を与えることに反対する理由の一つとなっているとみられている。
この問題を巡っては、民主党が在日韓国人の団体である民団の選挙協力を得るために法案提出を目指しているという見方もある上、韓国の李明博大統領も地方参政権の実現を強く求めていることなど政治的な事情も絡んでいて問題を複雑にしている。
外国人の地方参政権については、私は以前は賛成であったが、最近では安全保障という観点から考えると慎重であるべきだと考え方が変わってきた。いずれにしても国の在り方に関わる大事な問題であるので、まだ国民的な議論が充分でないこの段階で急いで法案を国会に提出するのは避けるべきだと思う。
もうひとつ話題になっている外国人問題は、高校無償化の対象に朝鮮学校をいれるかどうかというものである。衆議院に法案が提出された高校無償化は全ての公立高校の授業料を無料にすると共に、私立高校については親の所得に応じて援助するというものである。その際、生徒の国籍は問わずに日本に住んでいる高校生を対象にすると見られていることから、法律で各種学校と位置付けられる外国人学校の扱いが焦点となっている。
この問題の引き金をひいたのは中井・拉致問題担当相である。中井大臣は拉致問題を解決しない北朝鮮を念頭において「(北朝鮮に)制裁をかけていることを十分に考慮してほしい」と述べ朝鮮学校の適用除外を求め、鳩山首相も当初、この考えに理解を示すような発言をしたことから問題がクローズアップされた。
担当大臣である川端文部科学相は、日本との国交や民族教育の有無で区別せず支給基準となる高校の課程に類するかどうかを客観的に判断するとの考えを示している。
日本人を拉致している北朝鮮の学校の生徒の授業料を日本人の税金で補助すべきでないという感情は理解できるが、だからといって朝鮮学校だけ対象から外すというのは無理があるのではないか。ここは感情的になるのではなく、川端大臣が言うように教育的な内容で判断すべきではないだろうか。
先日、大阪府の橋下知事はこの問題について記者会見で「原敕晁さんという政府が認定した拉致被害者が大阪府民にいる。拉致をやっている国と関係がある学校に、なぜ例外扱いして府の金を使わないといけないのか。もっと冷静に府民は議論して、変な有識者らに振り回されたら駄目ですよ」と述べた上で、「北朝鮮は不法行為をしているという意味で暴力団と同じだ」との認識を示し、「府としてはお付き合い出来ない」との考えを示した。公人としては言い過ぎだと思うし、府内に朝鮮学校がある府知事としての見識を疑わざるを得ない発言だ。
いずれにしても、これらの外国人を巡る問題は、感情的になることなく冷静にじっくりと議論し結論を出すべき重要な問題であると思う。
在日教員が修学旅行で訪れた韓国で、日本の生徒達を土下座させている動画を観たことがあります。ネット上の情報ですから真偽の確認は必要でしょうけれど、やはり何とも言えない気持ちになります。
外国人参政権、どうなってしまうのでしょうか・・・。
私は高校無償化については反対です。「なぜ高校を無償化するのか」という議論がないまま推し進められているからです。子供手当てを貰えない高校生を持つ家庭を支援するという理由では到底納得できません。高校は義務教育ではありません。大学と同じで進学するかしないかは当人の問題です。家庭の事情で進学を諦める人への支援と無償化は別問題です。
予算は成立してしまったので、百歩譲って高校無償化に同意するとしても、それは国公立高校に限定すべきだと思っています。文科相の「日本との国交や民族教育の有無で区別せず支給基準となる高校の課程に類するかどうかを客観的に判断する」との意見は、具体性が無く、結局なし崩しで認めることになるだろうと危惧しています。「誰が、どうやって、どのような基準で」判断するのかがはっきりしないまま、莫大な予算をバラ撒くのは、将来を見据えることなく目先の得票だけを考えていると思わざるを得ません。