09年12月31日(木)「#914 年の終わりに」

  きのう政府の成長戦略がようやく発表された。環境や医療、アジアとの交易などに力を入れて2020年度までのGDP(国内総生産)の成長率を、物価変動を考慮した名目で平均3%、実質で2%を上回るものとし、20年度の名目GDPを現在の約470兆円から約650兆円まで伸ばす。今までのような公共事業に頼るのでもなく、小泉政権のように市場原理を重視するものでもなく、内需を刺激して成長する"第三の道"を目指すということである。
  環境や医療、アジアにより力を入れるという方向性はその通りだとは思うが、新聞を読む限り具体性に乏しいような気がする。目標を達成するための具体的な方策や日程などを盛り込んだ工程表は今後半年以内に作るということだが、遅すぎるのではないか。そもそも政権を取ってから3ヶ月が過ぎているのに成長戦略の発表がなぜ今なのか。本来なら、来年度の予算を決める前に成長戦略を発表すべきだろう。成長戦略なしに、どうやって予算をたてたのだろうか。
  行政の無駄な点を削っていく行政刷新会議と、国の戦略や予算など将来のビジョンを考える国家戦略室とは車の両輪で進んでいくものだろう。削ることが先行するのは仕方がないが、国家戦略の策定がノンビリし過ぎているような気がしてならない。不景気、不況だと暗い話ばかりなだけに、この先はこんな将来を目指して行きますよという中・長期の目標、展望を国民にしっかりと示して欲しい。その意味では、暮れも押し迫った12月30日に記者会見を開いて成長戦略を発表する鳩山政権の広報センスを疑う。テレビ各局のレギュラーニュース番組は既に終了し、新聞も紙面の量が減っているこの時期に発表しても大きなニュースにならず国民に伝わりにくい。年内に出しましたよというアリバイ作りだというのは意地悪な見方過ぎるだろうか。
  今年最後のブログにここまで政治の話を詳しく書くつもりはなかったが、成長戦略についてはずっと気になっていたのでついつい力が入ってしまった。
  今年もあっという間に終わった。今年一年を振り返って最も心に残ったことは子どもたちの成長振りである。親の言うことも聞かずまだまだ子供の面も多くあるが、人に対する気遣いや思いやりが少しずつだが出来るようになってきた。親バカであるが、自分の子どもながら成長したなあと思うことが増えてきた。
  それに比べて私自身は体力も年々落ち、気力は衰えていないものの、諦めは早くなってきたような気がする。この業界で今まで培ってきた経験で何とかごまかす術を徐々に身に付けつつある自分に納得がいかない。恥ずかしながらまだまだ知らないことばかりで、勉強、勉強の毎日である。この一年でどれだけ成長できたのだろうか。たくさんの人にお逢いして色々な話を聴いてもっともっと成長したい。

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春川正明

はるかわ まさあき
1961年5月5日生まれ
讀賣テレビ放送
報道局解説副委員長
ロサンゼルス特派員、
チーフプロデューサー、
報道部長を経て07年より現職。
関西学院大学非常勤講師
大阪市出身