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#6821月15日(日) 10:25~放送
カンボジア・シエムリアップ

 今回の配達先は、カンボジア・シェムリアップ。胡椒専門店のオーナーとして奮闘する木下レイナさん(25)へ、三重県で暮らす母・ゆりさん(49)の想いを届ける。
 シェムリアップは、カンボジアを代表する世界遺産・アンコールワットを有する観光都市。レイナさんは4年半前、街の中心のほど近くに胡椒専門店「RAYS SHOP」をオープンした。店で扱っているのは、カンボジアの南端・カンポット州で栽培される「カンポットペッパー」という強い香りが特徴で、最上級とも称される胡椒。さらに併設のカフェでは、黒胡椒を使ったチョコレートフラッペや、赤胡椒とベリーソースをかけたフレンチトースト、胡椒のエキスを入れたクラフトビールなど、意外な組み合わせながら胡椒の持ち味が引き立つ様々なメニューを提供している。料理やレシピは全てレイナさんが考案。SNSでも公開し、カンポットペッパーの使い方や魅力を世界に発信する。また最近はオンラインショップをスタートさせ、レストランや企業とも提携している。
 レイナさんが中学生の時に両親が離婚。以来、母と2人暮らしだったが、母は当時エステサロンを開業したばかりで仕事に明け暮れていた。すれ違いも多かったため、毎日ケンカばかりで仲は良くなかったという。その頃は看護師を目指していたレイナさん。ところが高校3年生の時、ベトナム人の友人の影響で初めて海外での一人旅を経験したことで、海外移住することが夢に。看護大学の受験直前という時期だったが、買ってきた画用紙に理由や思いを書き出して母にプレゼンし、決意を伝えたという。こうして母にも認めてもらい、資金を貯め19歳でカンボジアに移住。20歳で胡椒専門店を開業した。胡椒に興味を持ったのは5年前、カンポット州の農園で初めて生の胡椒を食べたことから。その農園はオーナーの方針で現地スタッフを厚遇で雇っており、安定した生活環境で作業できることがより良い胡椒作りに繋がっていた。レイナさんはそんな胡椒のおいしさとオーナーの熱意に感動し、「胡椒をもっと発信したい」と、世界中の観光客が集まるシェムリアップで起業したのだった。今後はシンガポールなど近隣諸国でも販売を始め、最終的にはドバイに輸出することが目標。今は流通のための道筋を作っている最中だ。
 コロナ禍もあって、最後にカンボジアに行ったのは3年半前だという母のゆりさん。今の娘の姿を見て「以前よりもクオリティが上がっていると思います」と驚いた様子ながら、「やっぱり見ていてもウキウキワクワクします」と不安や心配よりも応援の気持ちが上回っていると話す。また、レイナさんが思春期の頃は大変だったと振り返りつつも、「その頃から比べたらいろいろ学んでいると思うので、いろんな意味で行って良かったと思います」と娘の成長を喜ぶ。
 20歳で起業して4年半。シェムリアップから世界へカンポットペッパーの魅力を発信し、これからも挑戦を続けるレイナさんへ、母からの届け物は娘の好物の詰め合わせ。梅干しや駄菓子のほか、学生の頃、多忙な母がお弁当としてよく作ってくれた“爆弾おにぎり”も入っていて、レイナさんからは大きな笑みがこぼれる。さらに母の手紙には、「私はいつも味方でいるし、れいなさんの応援隊だからね」と娘へのエールが。そんな母の想いと思い出の大きなおにぎりに、「普段、1人暮らしでも寂しいと思わないタイプなんですが、自分1人で生きていると思っていても実はそうじゃない。お母さんの存在があるから今の自分があるんだなと改めて思います」とレイナさん。そして「今振り返ると、お母さんの優しさを感じる」という懐かしいおにぎりをほおばり、「おいしい!」と目を細めるのだった。