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#48911月4日(日)10:25~放送
フィリピン・パラワン島

 今回の配達先はフィリピンのパラワン島。“フィリピン最後の秘境”と呼ばれ、アメリカの旅行雑誌で「世界で最も美しい島」にも選ばれた地でダイビングショップのオーナーとして奮闘する大塚義之さん(58)へ、東京に住む父・健之介さん(93)の思いを届ける。
 島の中心地・エルニドにある義之さんのダイビングショップ「El-Dive(エルダイブ)」は、町で唯一日本語が話せるインストラクターがいる店。日本人2人、フィリピン人9人のスタッフを抱えている。ツアー客には世界一のリゾートの魅力を存分に味わってもらうため、パラワンの海を知り尽くす義之さんがダイビングスポットへ案内。周辺の小さな島々を巡りながら、800種類を超える魚が生息する海や、サンゴの群生地など自然が織りなす地形を楽しめるポイントをガイドする。さらにダイビング以外の部分でも楽しんでもらえるように、ランチは船上でスタッフが調理してもてなす。作業中もスタッフと密にコミュニケーションを取る義之さん。フィリピン人スタッフはサービス精神旺盛で明るく朗らかな反面、時間や約束にルーズな面もあり、そんな彼らを育てることもオーナーとしての大切な仕事のひとつだという。夕方、ツアーが終わるとすぐにデスクワークに取り掛かり、休む間もなく1日を終える。
 元々日本でダイビングのインストラクターをしていた義之さん。しかし、景気の後退とともに徐々に仕事が減っていったことで限界を感じ、40歳を前に海外へ出ることを決意。タクシー運転手をして資金を貯め、フィリピンに移住できたのは47歳の時だった。その6年後、53歳の時にようやく独立。終の棲家として選んだパラワン島で、小さいながらもすべてを揃えた自分の店を持つことができた。しかし、新しい一歩を踏み出しこれからという昨年11月、突然立ち退きを言い渡され、全財産をつぎ込んだ店を失ってしまう。それでもスタッフを守るため懸命に働こうとしていていた最中、母・みさをさんが他界。生き物が好きで海外志向なのは母譲りと自認する義之さんが、大きな影響を受けた母の最期に立ち会うことはできなかった。
 絶望の淵に立ち、死ぬことも考えた義之さんを助けてくれたのは、日本の家族。母が残してくれた遺産により、仕事を続けていくことができたのだった。だから、スタッフの生活を救ったのも自分ではなく母だと打ち明ける。そんな息子の様子や心境を知った父の健之介さんは「運命とでもいうか…」と目頭を押さえ、最後まで義之さんのことを心配していたみさをさんの気持ちを思い遣る。
 フィリピンに渡って10年。義之さんは、何とかもう一度店を立て直そうと様々な人の助けも借りてがむしゃらに働く。この先もパラワン島で生きていくため、再起をかけ前に進む息子へ父からの届け物が。もう一緒に暮らすことはないかもしれないと感じている父が込めた想いとは。