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#3601月10日(日)10:25~放送
フランス・コート・ダジュール

 今回の配達先はフランスのコート・ダジュール地方カーニュ=シュル=メール。ルノワールら名だたる画家たちに愛され、絵画コレクターや美術館が多いこの地に工房を構え、西洋絵画保存修復師として奮闘する岩花由佳さん(40)と、三重県に住む父・正夫さん(72)、母・美子さん(65)をつなぐ。大学卒業後、フランス語を学ぶため、両親には1年だけという約束で海を渡ったが、その約束は守られず、もう18年。両親は「孫に会いたい…今も日本に帰って来てほしい」と寂しさを募らせている。
 由佳さんが手掛ける絵画修復は、古い絵画の表面に溜まった汚れを洗浄したり、キャンバスに空いた穴を埋めて直すなどして、オリジナルに近い状態に戻す繊細な仕事。「人間にとって医者がいるように、芸術品には修復師がいる。そこが魅力。やりがいのある仕事です」と由佳さんはいう。修復師によっては、まったく違う印象の絵に変えられてしまうこともあるそうで、そうした粗悪な修復がなされた絵を、由佳さんが2カ月かけて当時の色彩に蘇らせたこともある。そんな彼女の技術と誠実な仕事ぶりが評判を呼び、隣町ニースの美術館からも、絵画の修復依頼が舞い込む。「いつもやるたびに“自分で本当にできるのか”と自問し、でもどこかでは”自分にはできる“と思いながら修復している。毎回がチャレンジです」と話す。
 大学卒業後、1年の約束でフランスへ渡った由佳さん。「旅行でイタリアへ行った際、修復師という仕事を知った。朽ち果てていく芸術品に、再び命を与えられるいい仕事だなと。私もそういう仕事に就きたいと思った」。由佳さんはフランスの美術専門学校に入り直し、さらに美術大学に進学。30歳を過ぎて、ようやくプロの修復師としてのキャリアをスタートさせたのだ。
 カーニュ=シュル=メールは由佳さんの夫・セバスチャンさん(40)の生まれ故郷でもあり、由佳さんは築100年になる家に、娘のケイラちゃん(7)と親子3人で暮らしている。夫婦ともにフリーランスで、収入も不安定なため、日本にはもう5年も帰れていない。「娘がまだ子供らしいうちに両親に会わせてあげたいのですが…」と由佳さん。しかし工房を構えてまだ1年。修復師としての知名度はまだまだで、翻訳や通訳の仕事をしながら生活費を稼いでいるのが現状だ。「修復の注文さえあれば、喜んでいただける仕事はできると思う。でも、その注文をもらうまでのビジネスが難しい。この仕事だけで自立できるようになれれば」と願うが…。
 そして、由佳さんの気がかりは両親の事。「2人とも歳を取り、体も弱くなってきているので心配。金銭的なこともあって、すぐに日本に行ってあげられないのが申し訳ない」。そんな由佳さんに、両親から届けられたのは、地元三重県のお茶と急須のセット。たまには故郷の事を思い出して帰って来てほしいという、両親の思いが込められていた。由佳さんは「“ここからお前は来てるんだぞ”“忘れるな”と言われているような気がします」としみじみ。添えられていた父の手紙には、留学したいと言われて渋々許した時のこと、その1年後、さらに学びたいと言われた時の思いと共に、「幼いころの思い出や、今まで歩んできたことが走馬灯のように浮かんできます。健やかな日々と幸せを祈っています」と綴られていた。両親の思いを噛みしめる由佳さんは、「今は後悔もないし、娘もできて幸せに暮らしている。安心してほしい」と、両親に語りかけるのだった。

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