過去の放送

#2814月6日(日)10:25~放送
アメリカ/ロサンゼルス

今回の配達先はアメリカ・ロサンゼルス・ハリウッド。コスチュームデザイナーとして活躍する押元末子さん(52)と、兄の秀夫さん(65)、秀光さん(63)、姉の竹子さん(72)、松子さん(72)、かよ子さん(57)をつなぐ。「昔からとにかく頑張り屋。1度仕事をやり始めると、夜も寝ないでやり続ける」と、兄姉は末妹・末子さんの身体を心配する。

 末子さんが手掛けるのは着物を大胆にアレンジしたコスチュームで、デザインから縫製まで、ほぼすべての工程をたった一人で行っている。その作品は映画をはじめ、舞台や雑誌などでも使われ、高く評価されている。

 10人兄弟の末っ子として沖縄で生まれ育った末子さん。30歳で着物の着付け師の免許を取得し、日本で着付け教室を始めた。経営は順調だったが、末子さんは“今のままでいいのか?”“このままで終わっていいのか?”と、自分の人生に物足りなさを感じていたという。

 そして38歳の時に渡米を決意。当初は明確な目標もないまま、ラスベガスのホテルでホステスとして働いていた。2010年にロサンゼルスで着物の着付け会社を始め、その年のミスコンテストで日本代表の衣装を任されたことから、運命が大きく変わった。「その時は古典的な着物で挑戦しました。本当に素敵な着物だったのですが、審査員は見向きもしてくれなかった。世界に出ていくなら古典ではダメなんだと思いました」と末子さんはいう。

 翌年、着物にドレスの要素を大胆に取り入れたコスチュームを自らデザイン。その衣装が注目を集め、コンテストで3位に入賞した。48歳の時だった。「それまで自分の中には古典しかなかった。でも世界に出たら自分が変わった」と末子さんはいう。これを機に本格的にコスチュームデザインをはじめ、今やファッション誌VOGUEに掲載されるまでに。最近では活躍の場が広がり、映画の着付けや衣装制作の依頼も多くなったという。

 ファッション誌で行われた世界的カメラマン、シーザー・リマ氏とのコラボレーションでは、着物の反物から、ひと針ひと針衣装を制作。世界トップレベルのモデルやスタッフと共に、サムライファッションをテーマにした革新的な作品を作り上げた。それが終わると、休む間もなく、今度はハリウッドのアカデミー賞授賞式へ。アニメ映画「九十九」が短編アニメーション部門にノミネートされた日本の映像作家・森田修平監督が、紋付羽織袴でレッドカーペットを歩きたいと、末子さんに着付けを依頼したのだ。

 美しい着付けに大満足の森田監督を見送った末子さんは、「いつかはコスチュームデザイナーとして、自分の作品でレッドカーペットを歩いてみたい」と夢を語る。50歳を超えてなお夢に向かって挑戦し続ける末子さんだが、「ここでは80歳、90歳になって世界で名前が売れ、活躍している人がいる。私なんてまだまだベイビーです」という。そんな末子さんに、日本の兄姉から届けられたのは、沖縄の伝統的なお餅「カーサムーチー」。祝い事の日に健康を祈願して食べられるもので、忙しい日々を過ごす末子さんを思い、お姉さんたちが手作りしたものだ。そしてもう一つ、兄姉一人ひとりから末子さんを応援するメッセージが寄せ書きされた扇子。末子さんは懐かしい故郷の味をほおばり、「みんなの期待をいっぱいもらってるので、頑張りたい」と喜ぶのだった。