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#17712月25日(日)10:25~放送
アメリカ/ニューヨーク

 今回の配達先はアメリカ・ニューヨーク州ハイドパーク。料理界のハーバード大学といわれ、世界3大料理学校の一つにも数えられるカイナリー・インスティテュート・オブ・アメリカ、通称CIAで学びながら、ケーキデザイナーを目指す鈴木ありささん(24)と、東京に住む父・邦彦さん(55)、母・京子さん(54)をつなぐ。ケーキのデコレーション技術を学ぶため2年前にアメリカへ渡ったありささん。両親は「運動会でビリでもニコニコしているようなのんびりした子だった。厳しい学校なので、ちゃんとついていけているのか…」と心配する。

 18万4千坪という広大なキャンパスを有するCIAは、学内に39ものキッチンがあり、生徒数は2000人以上。フレンチ、イタリアンはもちろん、アジア料理や和食まで、あらゆる料理を学ぶことができる。生徒は世界の一流レストランで働ける力が養われ、就職率はほぼ100%だが、授業は厳しく脱落者も多いため、卒業できるのは入学時の半数程度とか。校内には一般の人が利用できるレストランが5軒。生徒たちが授業の一環として厨房で料理を作っているが、そのレベルは高く、有名なガイドブックにも掲載されるほどの人気という。

 そんなCIAで学び、6週間後に卒業控えたありささんは、「授業のほか、中間テスト、期末テスト、リポートもあり、忙しくて死にそうですが、楽しいです」と、充実した毎日を送っている。入学当初は英語をほとんど話せず、マレーシア出身の寮のルームメイトは「最初はニコニコ頷くばかりでシャイな子だった」という。ありささんは「こっちでは(英語で)喋らないとやっていけない。自分でも変わったと思う」と、厳しい環境に鍛えられたことを認める。そんな娘の姿に、父は「以前のありさとは全然違う。成長したと思う」と目を見張る。

 小さい頃、母が誕生日に作ってくれるケーキを楽しみに育ち、見よう見まねで始めたケーキを作りだったが、友達に喜んでもらえるのがうれしくて、その魅力にはまっていった。ケーキデザイナーという夢を叶えるため、本格的に学ぼうと渡米を考えたありささんだったが、英語も喋れず、最初はCIAのレベルの高さに自信が持てなかったという。だが母に「留学するなら本格的に学べるところへ行きなさい」といわれ、思い切ってチャレンジ。今では「そのチャレンジに間違いはなかった。感謝している」と手応えを感じている。「花嫁がウェディングドレスを選ぶように、思い入れをもってウェディングケーキを選べる文化が日本にあれば素敵。それを叶える仕事ができれば」と、ありささんは夢を語る。

 そんなありささんは、ケーキ作りの成績を高く評価され、学校代表として一流のプロも参加するアメリカ最大規模の権威あるコンテストに作品を出品することに。展示用としてすべて食べられる素材で作った作品は、花びら一つまでリアルさをとことん追求。ハードな授業の合間を縫って2ヶ月を費やした力作だ。ありささんの作品は大きな注目を集め、審査の結果、見事最優秀賞に選ばれた。
 
 ケーキデザイナーへの道を一歩踏み出そうとするありささんに両親から届けられたのは、母が見立てた大きなケーキナイフセット。添えられた手紙には「どんな時にも笑顔と感謝の気持を忘れず、自分を磨いていってください」と綴られていた。その言葉に涙をこぼすありささんは「(将来に)不安がないといえば嘘になりますが、“やってやるぞ!”という気持ちです」と、力強く語るのだった。