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2007年04月03日

戦う政治家・安倍晋三

岩田 公雄岩田 公雄
報道局解説委員長(局長待遇)


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何故か下げ止まった支持率
去年、『サンクトペテルブルク・サミット』を取材した時、当時の小泉
純一郎首相の秘書官・飯島勲氏と親しく話し合ったことがありました。
その時、飯島氏は「ポスト小泉のカギは、“官僚の跳梁(ちょうりょう)跋扈(ばっこ)”を抑え
ることが出来るかどうかにある」と言っていました。

“跳梁跋扈”とは、「勢力を振るい、好き勝手に振る舞うこと」です。
「安倍晋三政権」が誕生して半年が経ちました。
就任直後には、「訪中・訪韓の東アジア外交」と「北朝鮮の核実験対応」
などで70%強もあった「支持率」が、「郵政造反議員の復党問題」か
ら「本間税調更迭」「道路特定財源の見直しでの譲歩」「やらせタウン
ミーティング問題」などで「支持率」は低下し続け、40%まで落ち
込みました。
それと同時に「安倍与(くみ)しやすし」と、「閣僚の各派閥の領袖」や「官僚
の発言」が目立つようになってきました。
これは「小泉時代」には見られなかったことだけに、飯島氏の「予測」
が杞憂ではなかったことを示しているかのようでした。
ところが、「就任半年」を迎える頃から「支持率」は下げ止まり、調査
によっては回復気味のも出てきました。
状況としては「松岡農水相の光熱水費問題」「衛藤晟一氏の復党」など
好材料に乏しいながら下げ止まったのは、どんな理由があるのでしょ
うか。
これまで「美しい国」を唱えても、“顔”が見えなかった安倍首相が、
小泉前首相の「鈍感力激励」から、“顔”を見せ始めたのです。
安倍首相の信条に「戦う政治家」というのがあります。
「ここ一番という時に、国家のため・国民のため・批判を恐れず行動
する政治家」なのだそうです。
『北朝鮮』に対しては「拉致問題が解決するまでは……」と言い続け、
『国民投票法案』の成立に関しても強い姿勢を見せています。
このような“強い安倍”が、不満だらけだった「右派」の支持を勢い
づけたのかも知れません。
ある政治コラムニストは、「安倍の開き直りで支持率下げ止まり!?」
と書いたりしています。


新・人材バンクの狙いは
安倍首相は、『新・人材バンク』創りでも、強い姿勢を示しています。
これは「国家公務員の“天下り”問題の改革」の基本方針で、「内閣府
に“政府全体の再就職斡旋”を一元化する『人材バンク』を新設する」
というものです。
なにしろ『天下り白書』によると、2006年に『人事院』が承認し
た「課長級以上の幹部の民間企業への天下り」は69人で、その44
パーセントは「官の斡旋・仲介」を得ています。
それが問題になっているのは、そこに「特定の業界との癒着」が生ま
れ、「行政の公平性」がゆがめられる恐れがあるからです。
しかし、「官庁」には“優秀な人材”を多く集めるために、出世争いに
敗れたところから“天下り”させる慣習が古くからありました。
民間よりも給料の安い「官庁」に“優秀な人材”が集まるのは、この
“天下り”があり、最後には「民間と同じくらいの総収入」になった
からです。
また、「基本方針」には「能力や実績に応じて昇進・昇級する人事制度
を導入する」ことも謳っています。
「能力主義」を導入することは、「脱年功序列・脱キャリア制度」にも
なりますので、省庁や与党にも「慎重論・抵抗感」があります。
「制度一新」が望まれていた「公務員制度」ですが、余りも“拙速に
運ぶ”のは、「官僚バッシング」とも受け取られません。
しかし、安倍首相が、「統一地方選」や「参院選」のこの時に、この「新・
人材バンク創り」を全面に押し出してきた背景には、“強い安倍”を印
象づける狙いも感じられます。

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