2008サミットは北海道・洞爺湖で
岩田 公雄
報道局解説委員長(局長待遇)
リトリート(隠れ家)形式が定着
『2008年サミット』は、『北海道・洞爺湖』で開催されることにな
りました。
日本でのサミット開催は、今度で5回目になりますが、『東京』で3回
行われ、00年の『沖縄』に続いて『北海道』に決まりました。
『北海道』はこのところ、「未曾有の危機にある道財政」「依然として
厳しい状況にある道内経済」「財政再建団体になった夕張市」など暗い
話題が続いていただけに、北海道にとっては嬉しい話題です。
北海道出身の私にとっての『洞爺湖』は、高校の遠足で行った思い出
の地です。『洞爺湖』の「トゥ」はアイヌ語の「湖」、「ヤ」は「丘」で、
ほぼ円形で真ん中に『中島』のある湖の周りは緑豊かな丘陵で、南東
に時々噴火を繰り返す『有珠山』があって、まさに「湖の丘」です。
「環境問題」が大きなテーマになる『08年サミット』の「開催地」
として絶好の場です。
『08年サミット』には、『関西』『横浜&新潟』『瀬戸内』『洞爺湖』
の4カ所が「開催地」に名乗りを上げていました。
一番早かったのは『京都・大阪・兵庫』の『関西』で、『関西財界』が
中心になり、『京都御所』の東側に『迎賓館』を建設して「サミット」
に備えていました。
しかし、年間4500万人を超える観光客を集める『京都』での開催
は、「期間中観光客を排除する」ということもできず、「警備」の問題
で先ず外れました。
『横浜&新潟』は「開港150年」を謳い積極的な誘致を仕掛けてい
たのですが、『横浜&新潟』では「距離がありすぎる」という警備上の
理由でこれも外れました。
また、『岡山・香川』の『瀬戸内』も範囲が広過ぎます。
そこで最後に手を挙げた『洞爺湖』が選ばれました。
「会場」となるのは『洞爺湖』西側の丘陵地の上にある豪華なホテル
で、“バブルの遺産”とも言われるのですが、「取り付け道路」が1本
だけで、万全の警備ができることが評価されました。
また、『洞爺湖』に決まったのは、安倍政権の「地域格差解消」という
狙いもあったようですが、何よりも「警備」が優先しました。
それほど「警備」が問題視されるのは、“テロの時代”を迎えているか
らです。01年に「9・11同時多発テロ事件」が起こり、02年の
『カナダ・カナナスキス』からは「リトリート=隠れ家形式」といっ
て、「サミットは小さい街で開かれる」のが流れになっています。
ハイリゲンダムって知っていますか
私が初めて取材したサミットは、98年の『イギリス・バーミンガム』
でした。
この時、「貧しい国の債務の帳消し」を求めて7000人の“人間の鎖”
が会場を囲みました。これにより、“人間の鎖”で「サミットに抗議す
る市民運動」が生まれたのです。
翌年の『ドイツ・ケルン・サミット』では「債務問題」を求めるさら
に大きな“人間の鎖”が作られ、『沖縄』ではサミット前日に「基地撤
去」を求める27000人の“人間の鎖”が『嘉手納飛行場』を取り
囲みました。
しかし、『イタリア・ジェノバ』では、「グローバリズム=汎地球主義」
に反対するデモ隊が警官隊と衝突して死者が出る騒ぎとなり、この会
を最後に「大都市でのサミット」は終わったのです。
以降『カナダ・カナナスキス』は「スキーリゾート」で、『フランス・
エビアン』は『レマン湖』南岸の「保養地」、『アメリカ・シーアイラ
ンド』は「海辺の小島のリゾート」、『イギリス・グレンイーグルズ』
は静かな「牧場の街」でした。去年の『サンクト・ペテルブルグ』は
「ロシア第二の都市」ですが、空港は閉鎖され、会場は厳重な警備で
隔離され、一種の「リトリート形式」で行われました。
そして「今年のサミット」は『ドイツ・ハイリゲンダム』で6月6日
から行われます。ところで、『ハイリゲンダム』って『ドイツ』のどの
あたりにあるのかご存知ですか。
『ドイツ』北部、『バルト海』に面し、『ポーランド』に近い小さな町
で、18世紀末に開かれた「バルト海沿岸の最古のリゾート」ですが、
かなり詳しい地図にしか載っていないようです。
『ハイリゲンダム・サミット』は、安倍首相にとっても、フランスの
新大統領にとっても「G8のデビュー」となります。
私も『ハイリゲンダム』に行くつもりです。これで9回目の「サミッ
ト取材」になります。これだけ途切れずに「サミット取材」を続けて
いるのは、日本はもちろんのこと、世界のジャーナリストの中でも私
だけではないでしょうか。







