米・中間選挙で12年ぶりに民主党が勝つ
岩田 公雄
報道局解説委員長(局長待遇)
北朝鮮は民主党の勝利を読み切っていた
『アメリカ』の「中間選挙」で、『民主党』は「上・下院」とも多数派
を占めました。『民主党』が予算や法案など“両院での審議の主導権”
を握るのは、94年以来12年ぶりのことになります。
争点は「イラク戦争」……3000人に及ばんとしている「戦死者」
に、有権者は“厭戦気分”を高め、「反ブッシュ票」を投じました。
『民主党』が「イラク問題について具体的な対案」を示したわけでは
なく、「現状維持」を主張する大統領を信任しなかったのです。
ブッシュ大統領も緊急会見で、「共和党を代表する者として大きな責任
がある」と敗北を認め、「国民の多くがイラク情勢が進展しないことに
不満を表明した」と述べました。
そして、直ちにラムズフェルト国務長官の辞任を発表しました。
好転しないイラク情勢の責任をとらせたかたちですが、「“強硬派”で
はもはやイラク問題を解決できない」という事実上の更迭でした。
後任にはロバート・ゲーツ元中央情報局(CIA)長官が任命されま
した。ゲーツ氏は「旧ソ連研究の第一人者」で、長年のCIA暮らし
で「民主党にも強い人脈を持つ」と言われますが、どのような手腕を
見せるのでしょうか。
さらに、ブッシュ大統領はホワイトハウスで民主党院内総務ペロン氏
(女性として初の院議長になる予定)と会談し、「超党派でイラク問題
に当たる」姿勢を示しました。
これまでの流れが大きく変わるのは間違いないところのようです。
『北朝鮮』は、「民主党の勝利」を予測していたものと思われます。
「核実験」をしたのが中間選挙のほぼ1ヶ月前で、「6者協議への復帰」
を示したのが1週間前です。
しかし、『アメリカ』の世論は『イラク』だけで、『北朝鮮』に関心を
持ったのは少数派にとどまりました。
『北朝鮮』は、「アメリカは、イラク問題で精一杯で、北朝鮮に戦力を
持ち込むことはない」と読み切っていたと見られるのです。
そして、『北朝鮮』が歓迎するのは「民主党の対話路線」です。かって
クリントン政権の時に、「核開発放棄を条件に、経済援助を得たこと」
をもう一度と願っていることは明らかです。
これまで『ブッシュ政権』と同調してきた『日本』が「北朝鮮政策」
をどうするのか、難しい問題を抱えることになりました。
日本の民主党はどうなる
さて、昨日行われた『福島県知事選挙』は、『民主党』公認の佐藤雄平
候補が当選しました。開票10分で「当確」が出る圧勝でした。
佐藤雄平新知事は、渡部恒三・民主党最高顧問の甥で、渡部氏の秘書
を務めた後、参議院議員を2期目を務めていた政治家で、汚職で辞職
した前知事の後任を決める今度の選挙では、最初から有利と見られて
いました。これで先の「衆院補選」で2敗した『民主党』が一矢を報
いたことになります。
来週には『沖縄県知事選挙』が行われます。
もしここで「野党候補統一」の糸数慶子候補が勝てば、“選挙に強い
小沢神話”が復活しそうな流れになりそうです。
小沢一郎・民主党代表の理想が「2大政党論」であることはよく知ら
れています。
『アメリカ』の『共和党』と『民主党』のように、2つの政党が交代
で「政権」に就くことを望んでいます。
そのためにも、『日本』の『民主党』が「政権」に就くには、来年夏の
『参議院選挙』で「与野党逆転」を実現しなければなりません。
『アメリカ』の『民主党』の勝利は12年ぶりでしたが、『細川政権』
『羽田政権』を支えてきた小沢代表が「与党」を離れて今年で12年
に当たります。
小沢代表が「与野党逆転」を果たすとしたら、年齢的にも健康的にも、
来年夏の『参議院選挙』をおいて他にないのです。
それはさておき、先週の「党首討論」の小沢代表は、前回に比べると
新しい手を見せました。
元々は“持論を展開する”のが「小沢流」ですが、今回は質問を連打
して、“首相に長く語らせる手”を取り入れました。
そして「核保有論議問題」で、5度質問をぶっつけて、首相を防戦に
追い込み、“本音”をポロリと引き出しました。
『アメリカ』の『民主党』に続いて、『日本』の『民主党』が勝利する
には、今こそ『民主党』が「野党として“一枚岩”であることを示さ
なければならない時だ」と思います。






