中国のプロ野球事情
大泉 純子
読売テレビ放送 報道局 報道部記者
人気はまだまだだが
今年のプロ野球シーズンが終わりました。新庄選手の涙には、『日本
ハム』のファンでなくともグッとくるものがありました。
数あるスポーツの中でも、野球を見るのが一番好きな私です。
中国で一番人気のあるスポーツといえば、サッカーです。
中国中央テレビのスポーツチャンネルでは、国内リーグはもちろん、
世界中の試合が放送されていて、詳しい人が多いのには驚かされます。
インターネットでスポーツ専門サイトを見てみますと、大部分を占め
るのがサッカー。
続いて、上海出身の姚明(ヤオミン)選手がアメリカのNBAで活躍し
ているバスケットボール。
そして、バレーボール、卓球、バドミントン、水泳、F1、テニス、
ゴルフ……と続いていました。
野球の人気は、まだまだというのが正直なところ。
中国でスポーツ関係の仕事をしている知人のブログによると、「中国で
の野球は日本でのセパタクローかもしれない」と紹介されていました。
よくわかります。
日本では、『阪神タイガース』の19年ぶりのリーグ優勝に沸いていた
2003年秋。
『上海』でもBSやCS放送が見られるスポーツバーや日本料理店で、
連日連夜のお祭り騒ぎが繰り広げられていました。
何せ、中国一在住日本人が多い『上海』。
中でも「関西人」なぜか多い。(これは統計はありませんが)
盛り上がらないわけがありません。
『読売テレビの上海支局』は、私のほかは中国人スタッフばかり。
一人で盛り上がっている私にみんな怪訝そうな顔をするので、
これを機会に野球観戦の楽しさをわかってもらおうと思い、なかば無理やり
一緒にテレビ観戦させてみました。
ある試合―ランナーが一塁にいて、次のバッターがフォアボールとな
りました。それを見たあるスタッフは、「では、今一塁に2人ランナー
がいるのですね」……ルールを理解する道は険しそうでした。
中国にもプロ野球がある
そんな『中国』にも、「プロ野球リーグ」があるのをご存知ですか?
『中国』の「野球」の歴史は今から100年ほど遡るといわれますが、
現在のリーグが誕生したのは2002年のこと。2008年の『北京
オリンピック』を見越して、選手のレベル底上げが急務となり、国の
肝いりで「プロリーグ」が発足したのです。
ところが、『北京』の次の『ロンドン』からは「野球」が種目から外さ
れることになりました。
中国当局にしてみれば、本音では「2008年から外してほしかった
ではないかなぁ」と思います。
中国のプロ野球、2002年の発足当初は、『北京タイガース』『上海
ゴールデンイーグルス』『広東レパーズ』『天津ライオンズ』の4チー
ムで、去年から『四川ドラゴンズ』『江蘇ホープスターズ』の2チーム
が加わり、3チームずつ2つの地区に分けて最後に優勝決定戦が行わ
れます。
ここで、お気づきですか? チーム名に馴染みがありますよね。
実は、中国のプロ野球リーグは日本のマネジメント会社がバックアッ
プしているほか、各チームにはスポンサーとして日本の企業がついて
いるのです。
さらに『北京タイガース』には『読売ジャイアンツ』、『天津ライオン
ズ』には『横浜ベイスターズ』など、日本のプロ野球チームとの提携
関係が結ばれていて、オフシーズンにはコーチが派遣されるなどの交
流があります。
4月に開幕、5月に「オールスターゲーム」があり、6月にシーズン
終了とあっさりしたものです。
7月には「日本シリーズ」にあたる「中国チャンピオン決定戦」が
行われます。
ちなみに、今年のリーグ優勝は『天津ライオンズ』でした。
2004年の「オールスターゲームを」取材する機会がありました。
日本のプロ野球ファンなら見逃せないゲームのはずです。
さらに、入場料は無料!なのですが、スタンドはかなり寒い状況。
でも、スタジアムにやってきている人たちはそれぞれに贔屓のチーム
や選手がいて、太鼓を叩いて応援する姿は微笑ましいものでした。
ルールがよくわからない観客のために、「王選手、セカンドゴロでスリ
ーアウト、チェンジです」といった解説が場内放送で流れるのも微笑
ましいものです。
現在発展途上の「中国プロ野球」ですが、野球全体の裾野を広げるた
めにも、国を挙げて、そして日本もさきほど紹介しましたように
様々な形でバックアップを続けています。
来週から、「プロ野球のアジア1」を決める『アジアシリーズ2006』
が始まります。
日本、韓国、台湾からはそれぞれ一位になったチームが出場しますが
中国からは『天津ライオンズ』ではなく、「国家の選抜チーム」で出場
するそうです。






