北朝鮮核実験の日本の政局への影響
岩田 公雄
報道局解説委員長(局長待遇)
初めての安倍晋三vs小沢一郎
今、来年夏の「参議院選挙」の“前哨戦”といわれる『神奈川16区』
と『大阪9区』の「衆院補欠選挙」の真っ最中です。
安倍晋三総理と小沢一郎民主党代表の初めての「国政選挙対決」です。
それだけに『民主党』にとっては、“与野党逆転のためにも負けられな
い一戦”とあって、早くから選挙態勢を整えてきました。
『神奈川16区』は菅直人代表代行、『大阪9区』は鳩山由紀夫幹事長
を責任者に決め、両選挙区に党職員・秘書・他府県の地方議員を動員
して、選挙に備えてきたのです。
4月の『千葉7区』の補選で“選挙に強い小沢効果”で勝った勢いで、
「与党に風穴を開けたい」という意気込みが感じられていました。
一方『自民党』は、いずれも現職の死去に伴う“弔い選挙”だけに、
有利と見られていましたが、ここにきて高支持率で滑り出した“安倍
首相を前面に打ち出す戦略”を展開し始めていました。
特に『大阪9区』は、茨木市を中心にするニュータウンの無党派層の
多いところですから、何が起こっても不思議ではありません。ここを
落とすと、安倍政権の出鼻がくじかれることになります。
首相就任の挨拶回りで『公明党』を訪れた安倍首相は、太田昭宏代表
にまず「補選をよろしくお願いします」と口を切りました。
『大阪』は『公明党』の地盤が強く、北側一雄幹事長の地元でもあり
ますから、ここで負けると「与党としての国会運営や来年の参院選挙」
にも大きな影響が出ることになります。
『公明党』しても気合いが入っていました。
その「補選の告示」の前日に『北朝鮮』が「核実験」をしたのです。
小沢代表も“大阪入り”して、応援演説を始めました。
ところが「格差だ、勝ち組・負け組だ」と訴えてもパンチが弱く、選挙
民の反応は全くありません。
「国を挙げて北朝鮮への対応を考える時に、何を細かいことを言って
るのか」、「朝鮮半島の危機管理は政権党がやらなければならない」と
いうわけです。
告示前に与党の幹部は「痛み分け=1勝1敗でもしかたない」といい、
民主党幹部は「一つは貰う」と言っていたのですが、「核実験」がこの
選挙を変えました。その民主党幹部は嘆きます、「選挙のやりようがな
くなった。安倍さんはついている」と。
この2つの「補選」が済むと、11月には『福島県知事・沖縄県知事』
『福岡市長』の選挙があり、来年になると『愛媛・山梨・愛知県知事』
『広島・北急市長選』が控え、4月には『都知事選』をはじめ「統一
地方選挙」が続きます。
「何としてもこの補選で勝利して、地方選・参院選という風につなぎ
たい」という小沢代表の気持ちは分かるのですが。
そして、明日はいよいよ「党首討論」が行われます。
小沢代表は、どのような視点から総理に迫るのでしょうか。楽しみです
し、「補選」にも影響が出るのでしょう。
船舶検査、日本はどう対応する
『国連安全保障理事会』の「制裁決議」には、「北朝鮮に出入りする
船舶の検査=臨検」を盛り込んだものになりました。
先日の「参議院予算委員会」で、桝添要一議員が「日米共同の臨検で、
米艦が攻撃された時、日本船は何もしないで見てるだけなのか」とい
う質問をしました。
「専守防衛・集団自衛権否定」の「現行憲法」では、「見てるだけ」なの
でしょう。「憲法改正論議」が盛んになりそうです。
また、安倍総理は国会で「日本の核武装はない」と答弁していますが、
政治家の中には「核武装論のタカ派」が多いといわれています。
そして「拉致問題」も、これからは「話題にもならない」でしょう。
「北朝鮮の核実験」は、日本の政局にも大きな影響を与えています。






