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2006年09月27日

中国の事件報道

大泉 純子大泉 純子
読売テレビ放送 報道局 報道部記者

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犯罪報道も警察や司法の宣伝番組
奈良地裁で、7歳の女の子を誘拐して殺害したという男に死刑判決が出
ました。
この事件については横須賀さんが詳しく書くと思いますので、ここで
は「中国の事件報道」についてご紹介したいと思います。


以前にも書きましたように、中国のメディアは国家にコントロールさ
れているので、凶悪事件が起こっても、すべての事件が発生後すぐに
報道されるとは限りません。
「この事件は報道してもよい」というお墨付きがないと取材すら行わ
ないこともあります。
というより、報道されない事件のほうが圧倒的に多いといっていいと
思います。
日本と中国の報道を比較したときに特筆すべきは、中国では「容疑者
へのインタビュー」が放送されることです。
日本では、拘留中の容疑者にメディアが直接接触することはまずあり
えません。警察から情報を取るか、弁護士を通じて取材することが、
ほとんどです。

また、日本では人権上の配慮から、手錠や足かせを嵌められた容疑者
を放送する場合、手錠の部分にはモザイクをかけます。
ところが、中国の事件報道で驚いたのは、手錠を掛けられた容疑者が
そのまま映っていたり、時には「容疑者本人のインタビュー」が放送
されることもあります。

最初に見た時は、「へぇぇぇぇ……」と思いましたが、よくよく聞い
てみると、事件を伝えるニュースというよりは、「警察や司法の宣伝
番組」であることが判明しました。

ある事件を起こした容疑者のインタビュー。
「私はいつ頃、○○さんを殺そうと思い……」と、犯行に至るまでの
事情を延々説明させた後、最後のほうになって記者が、「今はどんな
気持ちですか?」と聞きます。
この辺で、容疑者はぼろぼろと泣き出し、「本当に後悔しています。
被害者にも、自分の家族に申し訳ないことをしました。きちんと反省
し、しっかり罪を償い、これからは法を守って生きていきます……
(あと号泣)」となるわけです。
「どういう事件がおこったか、その背景は何なのか?」というよりは
「法律を犯すとこんな惨めな思いをしますよ」ということを宣伝する
ことにより「市民の遵法意識を高めよう」という当局側の狙いが見て
取れます。

日本ではメディアが容疑者に直接接触するなどあり得ないことですか
ら、「そういう点ではすごいなぁ」と思います。
でも、これを当局が取材して、「放送せよ」と指示しているのも、
もっとすごいなぁと思います。

メディアは「中国共産党の宣伝機関」であり、「警察も司法も共産党
下の行政執行機関で」すから、結局全てが「共産党ばんざい!」とな
るわけです。
すごいなぁ! 恐るべし、中国!。

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