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2006年09月04日

安倍晋三氏、正式に出馬表明

岩田 公雄岩田 公雄
報道局解説委員長(局長待遇)


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『美しい国、日本』という “曖昧な公約”
先週の金曜日(9月1日)に安倍晋三官房長官が『自民党総裁選』へ
の出馬を正式に表明しました。

『美しい国、日本』と題した「政権公約」のパンフレットは僅か4頁。
雪崩現象で“安倍支持”が広がる中で発表されただけに、「安倍氏の
余裕」を示すかのように、対抗馬の麻生太郎外相や谷垣禎一財務相に
対する真っ正面からの論争を避けた“曖昧な公約”となりました。
伊吹派や二階グループが「派としての政策」を安倍氏に提示し、安倍
氏の賛同を受けて支持を決定した形をとったので、政策を曖昧にして
おく必要があったらしいのですが、麻生氏の『日本の底力』が28頁、 
谷垣氏の『活力と信頼の国家を創る』が24頁ありましたから、4頁
は余りにも具体性を欠いたものに感じられます。
例えば、懸案の「東アジア外交」については、「中国・韓国など近隣諸
国との信頼関係の強化」にとどめ、麻生氏がいう「日中関係は地域の
安定に欠かせない」に比べても物足りないものですし、「靖国神社参拝」
については触れていません。
谷垣氏が掲げた「消費税10%」に対しては、「中長期的視点から税制
改革を推進」と書いただけです。そして「社会保障制度」についても、
「被用者年金の一元化」とこれまでの政府の方針をなぞっただけです
安倍氏はこの日の会見で「総裁に就任すれば、その段階で出す政策も
ある」と発言していますが、余りにも曖昧な公約では総裁選を白けた
ものにしてしまうのではないでしょうか。
安倍氏の公約は、次期政権の国民への約束になるものです。

憲法改正と教育改革を訴える
たった4頁の「政権公約」ですが、“安倍色”がなかったわけではあり
ません。
会見で述べた「特定の既得権を持つ人、特定の考えを持つ人のための
政治ではなく、毎日まじめに働き、家族を愛し、地域を良くする普通
の人たちの政治をしたい」は、いかにも安倍氏らしい言葉です。
そして、「政権構想」のポイントとして「憲法改正」と「教育改革」を
挙げました。
安倍氏の持論は、「戦後レジーム(体制)からの脱却」にあり、「憲法
改正」をその最初に挙げました。
安倍氏の誕生は、1954年(昭和29年)。
安倍氏にとって「現行憲法(昭和21年11月公布、22年5月施行)」
は、「日本が占領されていた時代に作られ、占領軍が深く関与したもの」
ですから、これを「21世紀の日本の国家像に相応しい新しい憲法と
して自分の手で書きたい」と思い続けてきたようです。
これには憲法改正手続きを定める「国民投票法」を成立させなければ
なりませんし、「集団的自衛権の行使の容認」も定め流必要があります。
それにしても『総裁選』を前にして、これだけはっきりと「憲法改正」
を打ち上げることに驚いた人も多いようです。
そして「教育改革」も、安倍氏の「新たな国づくり」の大きな柱です。
公約では、「学校・教師の評価制度導入」という持論に触れただけです
が、発言では「教育基本法の改正は勿論のこと、教育制度全般の見直
し」についても述べています。
『自民党総裁選』の告示は、今週の金曜日。
『総裁選』の論戦の中でも、「内政・外交」についての具体的な政策を
聞きたいものです。
それがなしで『総裁選』が終われば、先の『衆院選』で掴んだ「若者
の政治への関心」を再び失うことにもなりかねません。

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