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2006年08月14日

ポスト小泉は安倍の圧勝か

岩田 公雄岩田 公雄
報道局解説委員長(局長待遇)


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額賀氏も山崎拓氏も降りて安倍氏独走に

「ポスト小泉」を巡って、第2派閥の『津島派』からの擁立を検討し
ていた額賀福志郎防衛庁長官が立候補を断念しました。準備不足と
派内に慎重論も根強かったからです。
また第4派閥『山崎派』の山崎拓会長も不出馬を決意しました。派内
に「山崎離れ」が進んでいたためです。
これを受けるかのように第3派閥『丹羽・古賀派』と第5派閥『伊吹
派』は、早くも「安倍支持」を決めました。
これにより、数では「安倍優勢」は動かず、「安倍独走」になる可能性
が強くなりました。

谷垣禎一財務相が「アジア外交」「地方再生」「財政再建」の3本柱を
掲げ、「消費税増税の必要性」を主張し、麻生太郎外相が新しい政権
構想(21日に発表予定)を示しても、盛り上がらない総裁選になる
ことは間違いありません。
どうしてこうなったかというと、福田康夫さんが降りて「反小泉・
非安倍」の力を集める候補者がいなくなったからです。
各派閥とも今更「非安倍」を唱えて、党内の「反主流」になるよりも、
「安倍さんの支持に回り、官僚や党三役の一画などのいいポストを
得たい」という考えが大方を占め始めています。
それにしても「小泉さんぶっ潰された派閥」の領袖の立場は複雑です。
領袖の言いなりになる子分がほとんどいなくなったからです。
今、『自民党』には、86人の『森派』から11人の『河野グループ』
まで大小9つの派閥があります。75人の『津島派』が『橋本派』だ
ったことは分かっても、32人の『伊吹派』や、15人の『谷垣派』・
『二階派』が「元何派だったか」と考えてしまう人も多いのではない
でしょうか。
「派閥は今や、あるようでない存在になってしまった」と言えます。

小沢のカゲにおびえる自民党の中堅・若手議員たち

派閥を超えて「党内一致・安倍支持」を唱えるのは、中堅・若手の
議員たちです。去年の『総選挙』は「小泉ブーム」で楽勝でしたが、
来年の『参議院選挙』がどうなるかが頭にあるからです。
『民主党』の小沢一郎代表が選挙に強いのに対し、安倍さんは幹事長
時代の『04参院選』では苦労し、最近では『千葉7区補選』でも、
地元の『岩国市長選』でも負けました。
「安倍は選挙に強くない」と言う思いが強いのです。
何しろ来年の『参院選』で、「自・公の与党」が過半数割れになれば
政局にも大きな影響が出るからです。
その鍵になるのが、「1人区」……『04参院選』では14勝13敗で
かろうじて『自民党』が勝ちましたが、今度は29になりました。
『民主党』が「1人区」で大勢を占めれば、「与党の過半数割れ」も
実現可能です。
このため小沢代表は早くも手を打ち、「郵政民営化の造反議員」だった
鳥取の川上義博元議員を『民主党』に入党させました。
川上さんは『鳥取選挙区』から立候補するのでしょう。
また、地方には、「民主党」というよりも、「豪腕・小沢にやらせたい」
という声が強くあるのも事実です。
これもまた、『自民党』の中堅・若手の議員たちには恐怖です。
「党内一致でなければ、『小沢・民主』とは戦えない」というわけです。
さらに、長老の中にも、青木幹雄自民党参院議員会長のように、
「過半数割れになれば、新総裁の寿命は10ヶ月で終わる」
と心配する人もいます。
そして過半数割れを防ぐためには、「来年の『参院選』は、『衆・参
同時選挙』で……」という声も出てきました。
『参院選』だけでは盛り上がりに欠け、負けるかも知れないからです。
「総裁選」は「安倍優位」で動き出していますが、安倍さんにとって
は安心できる状況ではなさそうです。

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