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2006年08月08日

東アジアでの日本人観

岩田 公雄岩田 公雄
報道局解説委員長(局長待遇)


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小泉総理の靖国参拝はあるか
来週の火曜日は、8月15日。
小泉総理が「靖国神社参拝を行うか」について国民の注目が集まって
います。
小泉さんは、「靖国参拝は心の問題」といい、「靖国参拝で首脳会談が
開けないのはおかしい」と、「参拝批判」に反論します。
しかし、植民地支配された中国や韓国には、「日本の総理の靖国参拝」
には異論があるのも当然だと思います。
それでも私は、小泉さんの「言い出したら聞かない頑固な性格」と、
「首相就任時の公約を守る最後の機会」として「参拝する」と思うの
ですが、どうでしょうか。

「靖国参拝」と言えば、次々と話題が出てきます。
先ず昭和天皇が「A級戦犯の合祀に不快感を抱き、靖国参拝をやめた」
という側近のメモが出てきました。
そして先週は、「安倍官房長官が4月に参拝していたこと」が明らか
になりました。 
「安倍参拝」には、早くも中・韓両国から反発がありました。
安倍さんは、「靖国参拝」の意志を国の内外に示した上で、「総裁選」
の争点を「内政」に移したい気持だったようですが、どうなるのでし
ょうか。
また、こんな話もあります。遺族会などにも「A級戦犯の合祀に反対
する声」が強くなってきましたが、「分祀できない」のは『靖国神社』
をはじめ神道では「一度合祀した祭神を分祀することはできないと
いう教義になっているからだ」と関係者は語っていました。

殴られた人は、その痛みを忘れない
私は、NNNのマニラ支局長を3年間務めたことによって、東アジア
の人々が「日本をどう見ているか」を教えられました。
一言で言うと、「殴ったことは忘れてしまうが、殴られた人はその
痛みを忘れない」ということです。
例えば、『フィリピン』で採用した秘書は、「父方と母方とによって
全く違う日本人観をもっている」と、私に語ってくれました。
父方は「祖父が日本の憲兵によって殺された」という理由から「日本
嫌い」なのに対し、母方は「隊長がいい人で、村人に迷惑をかけない
ように務めた」と「日本人びいき」……同じ家族の中でも「語り継が
れる印象が違うこと」を知らされました。
また、「あの戦争中にフィリピンでおよそ50万人の日本人の軍人・
軍属が戦死した」と原稿を書いていたら、現地スタッフが「フィリピ
ン人もあの戦闘に巻き込まれて100万人もの死傷者があったこと
を忘れないで下さい」と言われました。
そして、日本の憲兵に悪感情を持っている人が多く、「憲兵」という
言葉を日本語で覚えていて、何かの口論ですると激昂すると、「旧軍
の憲兵みたい!」というのには驚きました。
一方意外だったのは、『タイ』と『ミャンマー(ビルマ)』では、日本
人に親近感を持っている人が多かったことです。
『タイ』も『ミャンマー』も「仏教国」という共通点があり、『タイ』
は江戸時代から「日本人町」があって、伝統的に友好が保たれてきた
という背景があったのでしょう。
終戦直後に、陸軍参謀・辻政信大佐(後の参議院議員でラオスで失踪)
を匿ったのもタイの寺院であったことも知られています。
『ミャンマー』には、「イギリスの植民地」だったのを、戦争中に
「日本軍の機関が独立運動を支援した」ことを評価する人もいます。
戦争が終わって61年目の夏です。
「日本とアメリカが戦争した」ことを知らない若者が増えているよう
ですが、『フィリピン』や『中国』は戦場となり、『中国』と『韓国』
は植民地支配されました。
「殴った方は殴ったことは忘れてしまいますが、殴られた方は殴られ
た痛はいつまで経っても覚えている」ことに譬えてみると、『中国』
や『韓国』が「A級戦犯を合祀する靖国参拝に反発する」のも一理
あるような気がします。

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