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2006年07月31日

動き出したポスト小泉

岩田 公雄岩田 公雄
報道局解説委員長(局長待遇)


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政策論争の総裁選になるか
9月の自民党総裁選挙に向けて、「ポスト小泉」が動き始めました。
『麻垣康三』のうち『康=福田康夫』さんの不出馬表明で「安福対決」
が回避され、『三=安倍晋三』さんが圧倒的有利と見られています。
世論調査でも、安倍支持は5割を超え、6割に達することもあります。
しかし「このまま安倍支持が定着して、総裁選が盛り上げに欠けるよ
うなことになれば、来年の参議院選挙に敗北することになる」という
危機感が自民党内でも大きくなっています。何しろ15議席を失えば、
与党は過半数割れになるからです。

そこで「ポスト小泉」を狙う人々は、何とか盛り上がりを演出しよう
と動き出しました。
先ず、安倍さんは「森派からの離脱」を表明して、小泉さんに倣って
「派閥離脱」で多くの党員の支持を集めることにしました。
そして『再チャレンジふれ合いトーク』を、小沢一郎・民主党代表の
地盤『岩手』から始めました。
「小泉改革」による「地方の切り捨て」で聞こえる地方からの悲鳴に
応えて、地方への気配りを見せることによって、小泉さんとの違いを
示しながら、地方票の積み上げを狙っているのです。
この後、安倍さんは全国行脚を続ける予定です。
一方、『麻垣康三』の『垣=谷垣禎一』さんは、正式に出馬を表明す
ると共に、「消費税10%導入」と「東アジア外交の正常化」という
公約を発表しました。
「年金など社会保障を維持して行くには、消費税の引き上げが欠かせ
ない」という持論から「2010年代の早い時期に少なくとも10%
の消費税を導入する必要がある」ということと、「首脳会議が出来な
いのは異常だから、東アジア外交の正常化のためにも靖国神社参拝を
自粛する」というものです。
安倍さんとの違いを打ち出すことで、「総裁選での政策論争を呼びか
けた」といえるのでしょう。
さらに『麻垣康三』の『麻=麻生太郎』さんも手を挙げていて、8月
20日頃には出馬を表明するそうです。
どのような政策論争を展開するのでしょうか。

額賀防衛庁長官も立つか
福田さんの不出馬によって、アンチ安倍グループから「対立候補を
立てよう」という声が強くなってきました。
その中でも動きの大きいのは『津島派』で、額賀福志郎・防衛庁長官
を擁立する動きが見られます。
かつての『田中派・竹下派・橋本派』の勢いはなくなったものの、今
でも『津島派』は70人の国会議員をもつ大派閥で、青木幹雄・参院
議員会長や片山虎之助・参院幹事長などの実力者が揃っています。
そして額賀さんはかつて「橋本派のプリンス」と呼ばれ、内閣や党の
要職の経験も豊富です。その額賀さんが70人の支持を集めて出馬す
れば、強力な対抗馬になることは間違いありません。
そして今度の総裁選は前回と少し違います。前回は地方党員の300
票が先に開かれ、圧倒的な小泉ブームの中で議員票が開かれたのです
が、今回は議員票と地方党員票が同時に開かれます。もし安倍さんが
過半数に達しなければ、決選投票に持ち込まれ、2・3位連合で逆転
も考えられます。そして2位でも、『津島派』としては久しぶりに
存在感を示すことになり、その後の閣僚人事や党三役人事に影響力を
行使できると考えています。
この他、第5の候補として、河野太郎氏・山崎拓氏・鳩山邦夫氏など
の名も出ていますが、推薦人20人の確保が大きな鍵になります。
もう1人与謝野馨氏の名もありますが、先日ご本人と話をしたとき、
「私のことは、私自身が新聞やテレビで聞くだけですから、絶対に
ありません」とのことでした。
これから「ポスト小泉」は、さらに動きが激しくなり、安倍さんが
勝つまでには一山も蓋山もあるような気がしています。

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