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2006年07月12日

北朝鮮取材の舞台はなぜか中国

大泉 純子大泉 純子
読売テレビ放送 報道局 報道部記者

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~6カ国協議の裏側~

北朝鮮がミサイルを発射。「ほんまに撃ちよった・・」と思いました。
北朝鮮に関しては日本国内ではとかく拉致問題に関心が向きがちです
が、核開発・ミサイル問題は大きな脅威です。それをあらためて実感
しました。

私が中国にいた4年の間、印象深い取材は多々あれど、「一番しんど
かった取材はなんですか?」と聞かれたら、答えは「6か国協議」で
す。北朝鮮の核開発問題を解決するための国際会議で、日本、アメリ
カ、北朝鮮、韓国、ロシア、中国の6カ国が参加しています。議長国
が中国で、北朝鮮の大使館があることなどから、2003年6月に1
回目の会合のあと断続的に開催され、去年11月の5回目の後に北朝
鮮が無期限ボイコットを宣言し中断したままとなっています。
この会議取材、実はこれまで私は皆勤賞だったんです。(何の自慢に
もなりませんが)


北朝鮮との関係が比較的よい中国が議長国であり、北朝鮮の大使館が
あるという理由などから、会議は北京で開かれていました。「6カ国
協議」が開かれるたびに北京へ赴いていました。
あらためて思い起こせば、本当によく北京に行きました。
しかも、全人代を除けばほぼ毎回北朝鮮関連の取材でした。
「6か国協議議」は非公開で、何時に始まり、何時に終わるか全くわ
からないので、ひたすら代表団の動きをマークすることになります。
到着便を割り出して空港到着時に始まり、それぞれの国の担当者が宿
舎を出るとき、戻るときを狙って短いコメントを取る「ぶらさがり」
という取材をします。


ある日の取材体制。会場の釣魚台迎賓館前に1班、日本代表ぶら下が
り1班、アメリカ代表ぶら下がり1班、韓国代表ぶらさがり1班、北
朝鮮代表大使館出発マークに1班と、カメラクルー5班体制。
それぞれ朝6時半から7時には現場でスタンバイ。
それに、昼ニュースの中継用にカメラがもう1班。北京と上海の支局
だけでなく、ソウル、東京からも記者とカメラマンが北京へやってき
て、毎回大取材団が組まれます。朝それぞれの代表が会場へ入ったあ
と、釣魚台迎賓館前のカメラクルーは、会議が終わるまで、暑くても、
寒くても、雨が降ってもひたすら待ち続けます。
代表の乗った車が出てきたところで、会議の状況を判断するためです。
また、会場の外で個別会談が行われる可能性もあります。
特に日本と北朝鮮、アメリカと北朝鮮の個別会談は、状況によっては
「会った」というだけでニュースになる場合もあり、会場を出た後車
が何処へ向かうかをマークするために、代表の車をカーチェイスさな
がらに追いかけたこともあります。
一日が終わって、代表が宿舎に戻るのが夜中近くになることもしばし
ばで、それからまた翌朝のニュース用に原稿を書いて、日本に映像を
衛星伝送して・・・と数日間ながらくたくたの毎日でした。


取材だけならともかく、どうしてそんなに疲れるかというと、中国と
韓国のメディアの行儀が悪いからです。場所取りしていた脚立を勝手
にのけるわ、ここで並んで撮影しましょうね、という線を思いっきり
飛び出すわ、カメラの前に立つわ・・・で回りの状況を全く考えない
人たちにルールというものを教えるのに余計なエネルギーを使うから
です。
ニュースの画面で長い棒のついたマイクを見たことがありますか?
(ほんとは写ってはいけないのですが) この先には集音マイクがつ
いていて、少々離れたところからでも相手のしゃべっている声がちゃ
んと録れるのですが、このマイクを取材対象者の口元にこれまた思い
っきり近づけるのも中国のテレビ局。
「マイクが顔にかぶって他の局のカメラがうまく撮れないからからも
う少し下げなさい」と言っても、全然聞いてくれません。
よくよく聞いてみると、コメントを録ることより、マイクの先につい
ている自社のマークを外国のテレビ局に写させようという目的がある
ことがわかりました。あーあほくさ。


他にも国営通信社の記者だという若者が、日本の代表団のぶら下がり
取材の直後に「今のは誰ですか?」と聞いてきたことがありました。
6か国協議の」取材をするなら、代表の顔と名前くらい当然知ってお
くべきことです。
もっとも、中国で報道されていた「6か国協議」は、内容がどれだけ
進展したかということより、中国が議長国としていかに努力し、成果
を上げているかという内容がほとんどでしたが・・・。
国連は別として、国際会議で北朝鮮の高官が公けの場に出てくるのは
この「6カ国協議」だけという事情もあり、毎回会議が始まった直後
は日本国内の関心も高かったように思います。
しかし、内容的に進展しないまま何日も続く状態になると、だんだん
関心が薄れてきて、さらに国内で大事件、事故が発生するとだんだん
「6か国協議」のニュースを出すチャンスが少なくなってきます。
それでも現場は毎日朝から晩まで出来る限りの体制で取材を続けてい
ます。


そんなある日のニュース・・現場の記者、カメラマン、スタッフ総勢
26人体制で取材に臨んだものの、その日のニュースは25秒のフラ
ッシュニュース1本のみ!・・1人1秒以下かよ・・という日もあり
ました。やるせないけれど、仕方ない・・・。
おしまいに、もし北京に行かれる機会があったら、ぜひ北朝鮮料理屋
さんに行ってみてください。
私が知らないだけで日本にもあるかもしれないですが、チマチョゴリ
姿のそれは美しい女性たちは皆、首領様のバッジを付けて一生懸命働
いていて一見の価値あり。歌のショーもご堪能あれ。

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