大泉純子のニュースの裏側
大泉 純子
読売テレビ放送 報道局 報道部記者
サッカー観戦初体験
ワールドカップが開幕しました。
残念ながら、中国ではサッカーに関する良い思い出がありません。
もともとさほど熱心なサポーターでもなかったのですが・・・。
中国人のサッカー熱は相当なもの。
国内リーグはもちろん、中国中央テレビのスポーツチャンネルでは
世界トップクラスの試合も放送されています。
卓球、バスケットボールに並ぶ人気スポーツです。
ちなみに「ワールドカップ」は中国語で「世界杯」といいます。
そのままですね。
まずは2004年の「アジアカップ」。
『重慶』で行われた準々決勝の「日本vsヨルダン戦」で、いわゆる
反日行動がありました。
会場を埋めたのはほとんどが中国人のサポーターでした。
試合前の国家斉唱で誰が始めたのか、ブーイングの嵐。
会場にいた日本人や、日本選手団のバスにペットボトルが投げつけら
れるといった幼稚な行動がみられたのでした。
続いて準決勝は「バーレーン戦」で、山東省の『済南』というところ
でした。
『重慶』での出来事を受けて、ここからは日本人サポーターは一箇所
にまとまって観戦するという措置が取られました。
会場を埋めた客の9割は中国人で、しかも相手国を応援しているとい
う会場の雰囲気は異様ともいえるものでした。
準決勝は大きなアクシデントもなく終了。
そして『北京』で行われた決勝は、「日本vs中国」。
日本国内でもすでに「日中対決」で盛り上がりを見せており、本来の
目的である試合の行方以外に、妙な期待が高まっているようでした。
実際、『北京』の街中あちらこちらで「反日ムード」が盛り上がってい
るわけではなく、スタジアム周辺も静かとはいえないものの、まぁ通
常の範囲内・・・という印象でした。
会場内のスクリーンには「お行儀よく観戦しましょう」というスロー
ガン。中国の文明度を物語っています。
(このまま粛々と終わればいいなぁ・・・)という淡い期待をよそに、
国歌斉唱が始まるや否や会場割れんばかりのブーイング。
あまりのレベルの低さに、ニュースにするのもばかばかしいとすら思
いました。
試合終了15分ほど前に会場を抜け、夜のニュースの中継をするため
に北京の支局へ急いで戻りました。
この段階では、私が見た限りブーイング行為を除いては、特段騒動は
起きていなかったと判断・・・ということで、「アジアカップ決勝3-
1で中国を下し日本が優勝。危惧された反日行動も大したことはなく
粛々と行われた」という内容の中継をしたその直後・・『北京工人スタ
ジアム』の周辺ではまた騒動が起こっていたのです。
公式ゲストとして観戦していた日本大使館の公使の乗った車が襲撃さ
れてガラスが割れたほか、会場周辺では日本国旗が焼かれる騒ぎもあ
りました。あーあ・・・です。
「日本はかつて中国を侵略したから、その仕返しに何をしてもいい」
という理屈が通るわけはありません。
一連の反日運動の根底には一体何があるのでしょうか?とよく聞かれ
ますが、結局このときの中国人サポーターの行動が表しているように、
自分たちの思い通りに事が進まなかった腹いせに暴れているだけだと
私は考えています。常識のある人がすることではありません。
そう、中国にはまだまだ常識の通用しない人、(事柄)があるというこ
とです。
負けたのが悔しいなら攻められるべきは中国チームのはずですものね。
その後夜中になって、日本選手が宿泊しているホテルの周りで若者が
また暴れているという情報が入り、カメラマンとともに現場へ向かい
ました。
確かに、気勢をあげている人たちがいました。
「テレビ的においしい映像を撮ってやろう」ということで、わざと
群集の中へ入り、「日本人や!文句あるやつは言って来い!」と
言ってみたところ、悪がき共が襲い掛かってきました。
私たちとしては、「しめしめ」です。実際にカメラマンは殴られました。
そこでようやく傍観していた警察官が近づいてきて、「危ないから帰り
なさい」。
「それより、今殴ったやつを捕まえたらどう!!見ていたでしょう!」
「まあまあ、危ないからね・・・」 一事が万事、こんな調子です。
こんな調子で『北京オリンピック 』が開かれたら、「中国は全種目
金メダルを取らない」と『北京』のまちは暴徒で溢れかえるでしょう。
スポーツ観戦のマナー向上のため、いろいろ努力はされているようで
すが・・・。






