大泉純子のニュースの裏側
大泉 純子
読売テレビ放送 報道局 報道部記者
皆様こんにちは。
この度連載をさせていただくことになりました、大泉純子です。
ニュース特派員を終えて……今、中国は
2002年5月からついこの間まで、中国・上海にニュース特派員と
して駐在していました。
上海を拠点に、中国大陸だけでなく香港、台湾、時には東南アジアま
で飛び、いろいろな取材を通じて貴重な体験をさせていただきました。
そうした取材の『ウラ側』を、これから皆さんにお伝えしていこうと
思います。
外国に住んでいたというと、「いいな、羨ましいな」と思われる方も
いらっしゃるかもしれません。
中国は今、目覚しい経済発展の真最中。テレビや雑誌などでご覧にな
ったり、実際に旅行に行かれたことのある方も多いと思います。
私が駐在している間も、本当にたくさんの友人、知人が遊びに来てく
れました。おいしくて安い中華料理に、歴史を感じさせる観光地。
おしゃれで可愛い雑貨のショッピングも楽しいし、エステやマッサー
ジも超格安。
数日間滞在して、みんな「ああ、楽しかった。また来るね」と大満足
で帰っていきました。
それはそれでいいのですが、それはやはり中国のほんの表の部分。
中国での生活は、それはもう一言ではとても言い表すことができない
困難と驚きの連続。大阪の人間としては、「なんやそれ?」と突っ込
みどころ満載の日々でした。
ヒット・アンド・アウェーの日々
ニュースの仕事をする身にとって日本と中国での一番大きな違いは、
取材の自由があるかないかということでした。
日本では、取材相手の人権やプライバシーを傷つけないなど、当然の
ルールを守って、基本的に自分の意思で自由に取材ができます。報道
機関は独立していて、時には国や行政機関に対し、おかしいと思われ
ることは我々の努力で自由に取材し、世の中に問うことができます。
でも、中国は違います。中国国内の新聞、テレビのニュースは中国共
産党の宣伝活動の一環で、その内容はほとんど全てといっていいほど、
当局にコントロールされています。
中国国内のメディアでもそんな状態ですから、我々外国のメディアの
活動は更に厳しく管理されています。基本的には、何を取材するにも
当局の許可がなければ、合法的に取材をすることが出来ない仕組みに
なっているのです。
しかし、事件や事故等、ニュースはいつ起こるかわかりません。許可
が出るのを待っていては時間がどんどん過ぎ、ニュースがニュースで
なくなってしまいかねません。では、どうするか。
さきほど基本的には「許可がいる」と申し上げましたが、そういう時
はとにかく現場へ行くのです。そして、とにかく取材。
必要な取材ができたらとにかく現場を離れる。このやり方を仲間内で
は「ヒット・アンド・アウェー」と呼んでいました。
万が一、当局の人に取材がばれたら身柄を拘束されたり、最悪の場合
テープを没収される危険が常に付きまといます。おかげで何度イヤな
汗をかいたことか・・・。
ということで次回以降、様々なニュースのウラ話をお伝えしようと思
います。






