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2006年05月24日

中国取材に求められる資質とは?

大泉 純子大泉 純子
読売テレビ放送 報道局 報道部記者

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お酒が飲めなければ取材もできない
海外での取材は、基本的には国内での取材と同じだと思っています。
でも、言葉の違い、習慣の違い、さまざまな悪条件が我々の行く手を
阻むのです。
中国で、中国人相手(特に地方のお役人)に取材をする場合、カギを
握るのは何だと思いますか?
語学力? ニュースの取材力? 答えはずばり、お酒が飲めるかどう
かです。
本当によく飲まされました。
「まあまあ、ちょっと一杯どうぞ」などという生易しいものではあり
ません。

中国の人は、広い世界の中で知り合うことができた人と人との縁を
とても大事にします。
一緒にテーブルを囲む機会はもう2度とないかもしれない。
そこで交わす杯に、誠心誠意のもてなしの思いが込められています。
といえば、とても美しいんですが……  
実際には激しい戦いが繰り広げられました。
乾杯はビール、そのあとは「白酒」(しろざけ、ではなくパイチウと
いいます)が出てくることが多いです。
高粱(こうりゃん)など、穀物が原料の蒸留酒なのですが、この白酒、
40度から50度以上のものもあるというアルコール度数の高さに
加えて、一度嗅いだら忘れられない独特の強烈な香り。
瓶を開けなくても、そこにあるだけで漂ってくるほどです。
本来は四川料理などの辛い料理やお鍋にも合うおいしいお酒。
ゆっくり、ちびちび飲むのはいいんですが、中国の宴席ではこれを
間違いなく一気飲みさせられます。(中国へ出張した経験がおありの方
はきっと経験されているでしょう。)
香りを口に含んで楽しんだりしてはいけません。
咳止めシロップのように一気に喉の奥へ流し込んでしまいましょう。
それでも喉が焼け付くような刺激が襲ってきます。
さらに、こちらが1人で先方が10人なら少なくとも10回は「 一気
飲み」をやり遂げなければなりません。
さらにさらに、時には宴会開始と同時にこの白酒攻撃が始まります。
お猪口くらいの小さなグラスとはいえ、お腹ぺこぺこ状態で立て続け
の一気飲み……かなり危険です。

お酒を飲めない人はどうしたらいいのか
中国西北部の『新疆ウィグル自治区』は、古来から「シルクロード」
として交通の要衝だったところですが、地域での交流は自動車に頼っ
ています。
その『新疆ウィグル自治区』へ「1週間の取材ツアー」で行ったとき
のこと。地元政府の接待で、連日昼も夜も大宴会。
何日目かの朝、お酒が完全に抜けず、参加した記者たちはフラフラの
状態。
「次の目的地へもうすぐ出発」というところへ見送りにやって来た
政府幹部の手には酒瓶が!
「一杯飲むまでバスに乗せてやらん」ってそんなアホな……。
香りがしただけで「ウエッ!!」とこみ上げてきそう。
仕方ないので口に入れるだけ入れて、バスの陰で吐き出しました。
最後に、バスの運転手にも、「さぁ、一杯やっていけ」
笑顔で飲み干した運転手。「これは、交通安全のおまじないだよ」 
絶対そんなことはないと思いました。
幸い私の場合、比較的お酒を受け付ける体質であったため、ごく数回
を除いて辛い思いはせずに済みました。
(ごく数回の話はまたあらためて・・・)
もし、お酒が全く飲めない人はどうすればいいのでしょうか?
絶対に断ってはいけません。
ちょっとでもいいから飲んで、そして潰れてしまいましょう。
「この人はお酒に弱いのに私のために潰れるまで飲んでくれた」……
これで招待した相手側は大満足。
「取材はまずは人と人との関係から」ということなんですね。
        

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