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小澤昭博(ytvアナウンサー)『小澤昭博のゴルフナビ』

「遼プロ10勝目&ボミプロ2勝目」

石川遼プロが三井住友VISA太平洋マスターズで2年ぶりの10勝目を挙げました。史上最年少、21歳1カ月24日での10勝目です。


勝てなかった2年間は苦しかったと思います。私が見てもドライバーからパターまで試行錯誤、スイングを度々変えているのに気付いたぐらいですから。本人の中ではジレンマがあったはずです。


今季の開幕戦の東建の時に、堪らず石川プロに声を掛けました。ショットの際の両ヒザの使い方が明らかにタイガー・ウッズを意識した動かし方になっていたので、「インパクトでタイガーのスイングを意識した動きを取り入れている?」と私が尋ねると、石川プロは「そう見えますか!?」と驚いた表情を浮かべながら「そう見てもらえるなら、僕のスイングは良い方向に向かっています!!」と、その時は明るい表情を浮かべていましたが・・・。


この10勝目は本人にとってもこれまでとは意識がまるで違うでしょう。アメリカツアーでの戦い方を念頭に置いて、常に高みを目指し挑戦し続けてきた結果の優勝。今までの9勝とは見ている我々にも伝わるものが違いました。


最終18番ホールのティーショットをどの球筋で放ってくるのか、大変興味がありましたが、2オン狙いを楽にする飛距離が出るドローボールでのショットではなく、さほど飛距離を落とさずにフェアウェーをピンポイントで狙う球筋を選択しました。恐らくこのボールが来季アメリカで戦う際に頻繁に必要になってきます。勝負どころの局面でこの一打を放てたのは大きな手応えになったはずです。勿論2オンに成功したセカンドショットもお見事でした!


アテスト会場に向かう途中で、それまでは気丈に振舞っていた石川プロが、ジュニア時代からサポートしているヨネックスの宇野さんと抱き合って涙する石川プロを見て、私もうるうるしました。


ヨネックスがプロとしての石川遼と正式に契約してから、宇野さんは趣味のサーフィンも封印してプライベートもなく1年中帯同しています。マネージャーの板谷さんにしても同じ、全力でサポートしています。石川プロがまだプロになる前、宇野さんと一緒に飲みながら馬鹿話しをしていたのを思い出します。今では宇野さんにそんな時間はありませんが。


10勝目を祝うかのように、アメリカツアーのシード権が確定したという朗報も入ってきました。石川プロが日本ツアーを離れるのは寂しい気もしますが、世界の舞台で更なる活躍を期待したいと思います。


ベストアマは勿論、アマチュアとして大会連覇を狙った、石川プロと同級生の松山英樹選手。連覇は叶いませんでしたが、相変わらず柔軟性のある素晴らしいゴルフでした。彼もまた、必ず世界の舞台に進むであろう逸材です。


今年のソニーオープンでは二人からサインを貰いました。もう一人のサインは一足早くアメリカツアーで頑張っている二人の同級生、韓国のノ・スンヨルのサインです。



そして女子はこのブログにも度々登場しているイ・ボミプロが伊藤園レディースで2勝目を挙げました。終始安定したショットで、土壇場の18番でトップの有村智恵プロに追い付いたかと思うと、プレーオフ1ホール目で難なく逆転優勝を決めました。


アメリカツアーとの共同開催であった先週のミズノクラシックでは、最終日にパッティングが冴えず惜しくも優勝を逃してしまいましたが、この大会ではそのパッティングにも安定感があり、24歳とは思えない貫禄すら感じました。


本当に努力家で人一倍の根性の持ち主。わざわざ私に韓国から海苔をお土産で買って来てくれたり、心遣いも抜群です。ファンもとても大切にしていて、声援にも一つ一つ丁寧に笑顔で応えています。人気の理由はそんなところにもあります。


野球好きのボミプロとはオリックスの応援にも行きました。



この若い二人から真の強さを感じました。本当におめでとうございます!!

日時: 2012年11月12日(月) |

アナウンサー