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小澤昭博(ytvアナウンサー)『小澤昭博のゴルフナビ』

「韓国のスマイルキング」



今年のミズノクラシックよみうりオープンで最後まで石川遼と優勝争いを演じた「キム・ヒョンソン」。
この大会でその存在を知った方も多いのではないでしょうか。

1980年5月12日生まれの29歳。
2005年にプロに転向し、韓国ツアーで3勝を挙げています。
ルーキーイヤーの2006年から毎年賞金ランキングトップ10に
名を連ね、昨年は2位に付けました。

韓国では“スマイルキング”と言われているそうです。

日本ツアーには昨年12月のファイナルクォリファイトーナメントで7位に入り、満を持して今年から本格的に参戦しています。

今季は18試合に出場して予選落ちはわずか3試合。
優勝こそなかったものの、度々上位に食い込み、トップ10は5回。
賞金ランキングは31位という好成績を残し、文句なしに来季のシード権を掴みました。

その最大の武器は何といっても抜群の安定感。
「日本のツアーはOBが少なく打ちやすい。」という彼の言葉通り、
今季日本ツアー部門別ランキングでは見事フェアウェイキープ率1位を獲得。

そう言うと普通は「ドライバーでのティーショットが一番曲がりにくい選手」というイメージになるのでしょうが、ヒョンソンのショットは曲がります。

正確に表現すれば意図的に曲げています。彼の持ち球はフェード系(左から右に曲がるボール)で、何度打っても判で押したように同じように右に曲がるのです。

上手く曲げてフェアウェイをきっちりとらえてくる。これが彼のスタイル。ヒョンソンに聞けば、「韓国のコースは狭くてOBが多いから自然とOBが出にくいスイングになった。」とのこと。

さて、プレーの堅実さとは裏腹に、普段のヒョンソンはとてもユニークな面もあり、私が「韓国ではピ(世界でも活躍する男性歌手)が好きだ。」と言うと、すかさずピの物真似をしてくれるような気さくな人物です。

韓国好きの私が覚えたての韓国語で話しかけても、いつも笑顔でゴルフ以外の韓国の情報などを日に日に上達していく日本語で教えてくれます。毎日30分、日本語の勉強をしているとか。

その端正な顔立ちや長身のスタイルなどルックスも良く、近頃は日本人ファンも増えており、ヒョンソンと親しく話す私の様子を見たヒョンソンファンから、ヒョンソンに関する質問をされることも多々あります。

今年は優勝に手が届くところに何度も繋げながら最終日に伸ばしきれなかったヒョンソン。また、シーズン後半には「首と腰が痛い・・・。」と疲れからくる故障とも闘っていました。

長いシーズンを最良のコンディションで乗り切ることがヒョンソンの来シーズンの課題でしょう。

芸能界での韓流人気は既にブームから安定したものに変わって来ている感じもありますが、日本ゴルフ界では一足遅れて韓流ブームが巻き起こりそうな予感。ヒョンソンの日本での初優勝が待ち遠しいです。

日時: 2009年12月22日(火) |

アナウンサー