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尾山憲一(ytvアナウンサー)『スポ根劇場尾山の大将』

青と赤の絶景(2) ( スポーツ ) > ( アメフト ) 

アメリカンフットボール全日本大学選手権【甲子園ボウル】
関西学院大学 23-9 日本大学
関学が3連覇を達成。
年明け3日に3年連続で社会人王者オービックと対戦することになったが、
関学は過去2年オービックの分厚い壁に阻まれてきた。


「最後、悔し涙で終わった先輩達の分まで…」と立ち上がったのが、
今季のキャプテンDL#91池永。
チームのことはもちろん、
今年はオフェンスがこれまでよりも苦しいと言われていただけに、
副将LB#1池田・DB#37鳥内らとファイターズを鼓舞してきた。


リーグ最終戦、
立命館相手に0-0スコアレスドローで単独優勝を飾ったのを筆頭に、
今季の関学ファイターズの象徴は守備陣の活躍である。
その中でも守備11人のど真ん中を守る池田の存在と実力は計り知れない。


しかし、決戦2日前、事件が起きた。
その池田が練習中に足首を負傷し、日大との決戦に出られなくなったのだ。


私はもちろんその事実は知るわけがない。
当日、スタメン表に池田の名前がないことに気づき慌ててフィールドに出た。


もちろんアップする選手の中に背番号1の姿はない…
複数の関係者に尋ねても言葉を濁らされた…


嫌な予感が的中した…



晴れの大舞台での入場セレモニー
フィールド中央で部歌「Fight On KWANSEI」を歌い上げる。


その輪がとける。


甲子園1塁側のサイドラインに整列したその後ろに…
松葉づえをつく1人の選手がいた。


背番号1・・・
ユニフォームの上だけを着用した池田だった


試合開始前のコイントス
本来なら、主将池永とともに参加する池田の姿はそこにはない…


ただ…ただ…仲間を信じるしかない…


池田の視線が池永に向けられていた。


池永もそれを背中で感じていた…


『池田を必ずライスボウルに連れていく!』



その誓いは、試合開始直後のプレーに凝縮された…


(3)へ続く…

投稿者: 尾山憲一 日時: 2013年12月17日(火) |

アナウンサー