Top

尾山憲一(ytvアナウンサー)『スポ根劇場尾山の大将』

関西ボクシング界の明と暗… ( スポーツ ) > ( ボクシング ) 

先週末、
土曜日はWBA世界スーパーフライ級タイトルマッチで王者:名城信男選手が初防衛!
同じリングで、女子世界ミニマム級タイトルマッチで多田悦子選手が世界初奪取!!
翌日曜日、
アマチュア6冠の肩書きを引っさげて元世界王者:井岡弘樹さんの甥:井岡一翔選手が、
3RTKOという素晴らしいプロデビュー!!!

日本のエース長谷川穂積選手を筆頭に、再び関西ボクシング界が熱くなってきました。




ここにきて一気に盛り上がりを見せた関西ボクシング界でしたが、
突然の訃報が…




元OBPF東洋太平洋フライ級王者で、かつて世界にも挑戦し、
来月には亀田家次男の大毅選手との対戦が決まっていた小松則幸選手が、
合宿先で事故死したとの訃報が昨夜遅く届きました。


小松選手は2005年1月、
当時のWBCフライ級王者ポンサクレック(タイ)に挑み、5RTKOで敗れました。
(現在は、そのポンサクレックを倒した内藤選手が王者)


実はその世界戦中継はytvが行い、実況は私でした…


その時使っていた取材ノートです…

当時の私は、世界戦は3試合目の実況でしたが、
過去2度は、日本人選手が海外王者に現地で挑む形であり、
映像を見ながら日本国内で実況をしていました。
ですから、目の前で戦う世界戦を生で実況するのは初めてであって、
非常に緊張して取り組んだことを思い出します。


追悼の想いを込めて、その時の入場コメントを記します…


『中学2年生の時、辰吉丈一郎のドキュメントをテレビで見てボクシングに憧れた小松。
その辰吉と同じ道を志してから10年、ついに世界への扉を開ける時がやってきました。

1979年4月21日生まれ寝屋川市出身の25歳。
デビュー19戦目、無敗のまま手にした東洋太平洋のベルトは5回防衛するも、
去年9月、トラッシュ中沼との因縁のリマッチでプロ初黒星…タイトルを失いました。
前哨戦に敗れてという珍しい世界戦の実現となりました。

この日のために新調したガウンには、
不死鳥フェニックスと、小松が好きな「凱」の文字が刻まれています。
この文字には‘凱旋’‘凱歌’といった戦いに勝った時の勝ち鬨の意味があります。

立ちはだかるチャンピオン:ポンサクレックについては
「強い相手だからこそ、おいしい」と小松は言いました。

この1ヶ月半、徹底した走り込みと、ただひたすら追求したサウスポー対策。
クリスマスや正月、同世代の若者が浮かれる中、「俺の方が幸せ者」と言い切りました。

デビュー以来、母から試合前に必ずもらう電車のプリペードカード。
今日ももらって、いつもの通り電車での会場入り。
縁起も担ぎました、必勝祈願も行いました。
あとは2つの拳でチャンピオンを倒すだけとなりました。

勝ちたいと言うか、負けへんで!
人生を変えて見せると闘志を燃やしたチャレンジャー小松則幸

勝たないと意味が無い世界の舞台、地元大阪ではばたきます!』




謹んでご冥福をお祈り致します…

投稿者: 尾山憲一 日時: 2009年04月14日(火) |

アナウンサー