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尾山憲一(ytvアナウンサー)『スポ根劇場尾山の大将』

それぞれの144試合 ( プロ野球 ) > ( 阪神 ) 

タイガースの今季最終戦…ヤクルト相手に3−0で勝利した。

新人王候補のルーキー上園が7回0点で8勝目
タフネスセットアッパー日本記録保持者:久保田が90試合登板でフィニッシュ
守護神:藤川が中日岩瀬のもつ46セーブに並び日本タイ記録
腰椎骨折を抱えながらの代打の1打席で見事なバントヒット、ジャスト3割にした赤星
右わき腹痛の鳥谷も9回の守りに登場し、連続試合出場はキープ

そして、連続フルイニング出場を「1186」としたアニキ金本

記録がかかっているなら達成させてあげたいという岡田監督の配慮もあり、
各人が各人なりの144試合を終えた…


試合終了後の神宮球場で、私は、守護神:藤川とともにチームバスまでついていった。

最初に…「おめでとう」と言った私に対し、

『全然、満足してないよ…』

今年も、チームの勝利に大貢献した藤川だが、終盤の横浜での2連続の失敗などもあり、
『自分の仕事がちゃんと出来ていれば喜べるけど…』と話した。
もちろん、ここまでの大記録達成を支えてくれたチームメイトには感謝の言葉を連呼した。


今から9年前の新人選手入団会見の席
司会を務めた私の質問に、学ランを着た初々しい藤川はこんな答えをした。


『10年間で3回くらい優勝しているはず。そして優勝のマウンドには僕がいます!』


当時、暗黒時代と言われたほど、最下位が常連だった阪神だけに、
会場内からは失笑ともとれる笑いが起き、就任直後の野村監督からは
「君は野球選手よりも、お笑いの方が向いてるかもね」
とまで言われた…


あれかれ9年の時を経て、チームは生まれ変わり、2度優勝を果たした。
さらに、岡田監督の下、12球団NO.1の守護神として君臨するまでになった藤川は
今年優勝すれば間違いなくそのマウンドにいたはずだった。

もちろん、藤川の言った10年まであと1年あるし、
クライマックスシリーズを勝ち抜き、日本シリーズを制すれば、
その瞬間のマウンドにいるに違いない。


藤川球児…
野球をするために生まれてきた男…
‘有言実行’はまだ残されている…


2007年シーズン終了
144試合 74勝66敗4分 3位 

投稿者: 尾山憲一 日時: 2007年10月04日(木) |

アナウンサー