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野村明大(ytvアナウンサー)『野村明大の徒然なる道』

橋下知事の「原発発言」~極めて…

おととい
記者会見でセンセーショナルに飛び出した、


橋下知事の「原発関連発言」。


早速、

各所に「波紋」を広げていますが。。。。


会見の場で
2時間

知事の「真意」を確認すべく、

「頭をひねりながら、居合わせた」身として、僭越ながら「評価」させて頂くなら、、、

極めて「真っ当」な発言だと、考えています。

「要約」すると、

「一度、本当に、関西の皆さんも、他人事ではなくて、

 真剣に、この問題を、考えましょう。

 抽象的な話ばかりではなくて、

 具体的に、『本当に何ができるのか?』

 そこは、『行政』のもてる、ある意味『パワー』によって、

 しっかりと『調べた』上で、皆さんに、責任を持って、提示しますから!」

こういう「発言」だったと、

私は、理解しております。


ただ、
そういうだけでは、

記者会見の場で「言いっぱなし」で、ハイ終わり。

ニュースとして、とり上げられることも、ない。

税金を使って行政パワーを駆使する以上は、
それなりの「注目度」を集める必要が、ある。

その為の

「橋下流」の「言い回し」。

ある意味、

知事の「真骨頂」だと、思っています。

2時間聞いて、

単なる思いつきの「政治パフォーマンス」的発言なのか、

橋下流の、高度な計算に基づく「意義のあるアドバルーン」なのか、

私は、
後者と判断しました。

センセーショナルな発言の裏には、

実は、
橋下知事の、「実力」と「自信」があると、私は分析しています。


本来、
政治家たるもの、

「できれば、こうすべき」「こういう方向性を目指したい」

ということを、


1)はっきりと有権者に対し示し、

2)その実現を実際に目指し、そして実行し、


3)実行しようとした結果、できなかった場合には、 
 「なぜできないか?」をきちんと説明し、潔く、軌道修正し、理解を求める。


こういった「アクション」が、求められるべきでは、ないでしょうか??


まさに、
「民主党の政権交代」が、

上述の手順の 1)であったわけで、


今、民主党が陥っている「失望感」が、

3)の手順についての「問題意識の欠如」だと、

思っています。

1)で格好いいことをぶち上げれば、

有権者は、ついてきます。


でも、

3)の修正では、「ぶれた」と言われる「リスク」が、常に、つきまといます。


その批判怖さに、

全てを「先送り」してきたのが、落日直前の「自民党政権」であり、

3)の「修正」がしっかりできずに「炎上」してしまっているのが、

今の「民主党政権」であると、思います。


橋下知事の

「仰天発言」は、


就任以来、幾度となく繰り返されてきていますが、


私が政治家として評価しているのは、

その「最終的な落とし方」に関する「抜群の手腕」です。

正論に、バッと点火させることで、
一気に、世論を味方に引き込み、

何十年も動かなかった、国の鈍すぎる動き、重過ぎる腰を、
瞬時に変えさせてみせた「国の直轄事業問題」や「関西3空港問題」。


一方、議論を巻き起こした後、
「実現性」が伴わないことが「明確」になり、


あっさり「修正」したものの、


「ぶれた」との批判を最小限に食い止め、

政治的致命傷を負わずに切り抜けた事案も、


数多くあります。


そこに
橋下知事の「政治生命力」の強さの源泉があると、分析していますが、


その「行動パターン」を見ていると、

案外、こねくり回したものではなく、

むしろ「直球勝負」、、だと感じます。。

「理想を掲げる」

「調べて、勉強する」

「無理だと分かる」

「そのことを、修正し、徹底的に時間をかけて説明する」


こういった手順をきちっと踏めば、
有権者の支持は失わない。

その「自信」を背景に、


知事は、
最初に打ち出すときには、

「大きなアドバルーン」を、打ち出す。。。

そう見ていますし、

大きなアドバルーンを打ち出すことさえできない

世の「殆どの政治家」は、

「最終的にこうすれば、有権者の支持を、つなぎとめられる」という

確固たる「自信」が、ないのでしょう。


政権交代前の自民党がそうでしたし、

今の民主党も、そう、映ります。

そこに「頼りなさ」を、


有権者は、感じてしまう、、、のではないでしょうか。。

少なくとも、

私は、今回の「橋下発言」については、

評価しています。

センセーショナルな発言に伴う、一瞬の「世論からの喝采」が得られるのと引き換えに、、


実は、

「大きな政治的リスク」も、負う発言、、、だからです。


発言に関して

「責任を負う」
「リスクをとる」


そういう覚悟をもって、

大きなメッセージを発する。


そうなのであれば、

それこそまさに、

「政治家の役割」だと思うので、

その「内容」は置くとしても、


発言を行ったこと「自体」、
こういった政治的手法「自体」を、

まずは、評価したいと、思っています。

もちろん、

今後、


自身の発言に対する「責任」と「覚悟」の部分は、


厳しく、チェックしていきたいと思っていますが、

知事自身は、

「自信」が、あるのでしょう。


「説明責任」さえしっかりと果たせば、

結果的に「何も変わらなくても」、有権者は理解してくれると。。。


そこの「責任」が果たされるのかどうか、、、

そこを継続的にチェックしていくのが、

メディアの役割だと、

思っています。

投稿者: 野村明大 日時: 2011年04月29日(金) |

アナウンサー