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スープのさめない距離



◆ことばの話3685「押尾学“俳優”」

きのう(8月31日)に保釈された俳優の押尾学。振り返ると、逮捕状が請求されたのは、8月3日の午後11時ごろでした。
逮捕状請求の段階(まだ逮捕されていない)での「押尾学」の肩書きというか敬称は、

朝日「俳優・押尾学容疑者を逮捕へ」
読売「俳優・押尾学さん逮捕へ、合成麻薬使用容疑」
毎日「押尾学さん麻薬使用容疑で逮捕状請求 警視庁」
産経新聞「俳優の押尾学容疑者逮捕へ〜MDMA使用 警視庁」
時事「俳優押尾学さん逮捕へ」
共同「押尾学俳優の逮捕状請求」
日刊スポーツ「押尾学の逮捕状請求、MDMAに陽性反応」
報知「MDMA陽性反応押尾学の逮捕状請求」

でした。中でも目を引いたのは、共同通信の
「押尾学“俳優”」
でした。一応記録しておきます。
2009/8/31


◆ことばの話3684「一夜明けたきょう未明」

「情報ライブミヤネ屋」で、逮捕された押尾学のニュース原稿に、
「一夜明けた きょう未明」
という表現が出てきて、そのまま読んでしまいました。が、よく考えると、これって、
「一夜明けた けさ」
ですよね・・・。チェック漏れで読んでしまいました・・・・読んでから、
「あっ!!」
と思ったけど「あとの祭り」
「まだ明けていない=未明(みめい=いまだ明けず)」
なのに、「一夜明けたきょう未明」では、
「カギを開けて施錠して」
のような“わけの分からない文章”でした。口調は良いし、言いたいことは、
「日付が変わって翌日になった、その未明」
ということでしょうけど(実際の時刻は「午前4時半」)、おかしな表現でした。なかなか気付かないものですねえ・・・。痛恨のミスです・・・。
2009/8/31


◆ことばの話3683「閉めっぱなしのまま」

8月17日の「情報ライブミヤネ屋」酒井法子容疑者に関する原稿を下読みしていたら、
「別荘は昼間でも雨戸が閉めっぱなしのままで
という一文が出てきました。これはなんだかおかしい。「〜ぱなし」には、
「その状態が続いている」
ことを示しているので、同じような意味合いの「まま」を付けるのはおかしい。そこで、
「別荘は昼間でも、雨戸が閉めっぱなしで」
に直して読みました。(ちなみにスーパーは最初から「閉めっぱなし」と正しくなっていました。)
「〜ぱなしのまま」というのは「重複表現」ですね。Google検索(8月17日)では、
「閉めっぱなし」    =1万6100件
「閉めっぱなしのまま」=     7件
となっていました。こう見ると、
「やっぱり『閉めっぱなしのまま』はおかしい」
と思うのですが、ついでに「開けっぱなし」「開けっぱなしのまま」などを検索すると、
「開けっぱなし」    = 4万5700件
「開けっぱなしのまま」= 6万8300件
「開けっ放し」     =24万6000件
「開けっ放しのまま」 =   1650件
となっているではないですか!この検索では、
「開けっぱなしのまま」>「開けっぱなし」
となっているのです。これは、私見ですが、
『「扉」や「雨戸」は、そもそも「閉める」ためのものであり、それを「開けた状態」で長く続けておく方が「本来の状態ではない」と考えられて、その「本来の状態ではないことを咎(とが)める言葉」として「〜っぱなし」あるいはその強調形と思われる「〜っぱなしのまま」使われる可能性が高い』
と言えるのではないでしょうか。どうでしょう?
でもやっぱり、「閉めっぱなしのまま」はおかしいと思います。
2009/8/17


◆ことばの話3682「あー、こそば」

土曜の午後、車の中で「NHKラジオ第一」をよく聞きます。
NHK大阪放送局の佐藤アナウンサーが、相方の関西人女性タレントさんとトークを繰り広げます。この女性は、毎週変わる(4人いる)のですが、それぞれに個性があり、どの回も楽しみです。
その日は、女優の千堂あきほさんがパーソナリティーでした。千堂さんの子供さんが8月3日に1歳の誕生日を迎えることや、旦那さんのご実家が札幌で・・・というような話を、本当に気さくにされていました。ラジオは本当に「パーソナル・メディア」だなあと感じました。その意味では「マスメディア」ではないように感じさせる部分もありますね、ラジオは。
その番組の中で、リスナーからのリクエストで、千堂さんがアイドル時代に歌った曲がかかったのです。確かに聞いていてこちらも恥ずかしくなる感じがあったのですが、だとすれば自分の若い頃の曲を聞かされるご本人は、さぞかし・・・と思っていたら、曲が終わったあとの千堂さんのひとことが、
「あー、こそば」
これって、ものすごく関西弁ですよね。感動しました。関西以外の方にこの言葉の感触って伝わるのだろうか?とちょっと疑問に思いながら、千堂さん、良い味出してるよなあ・・・と、心の中で拍手を送ったのでした。
2009/8/31


◆ことばの話3681「『ローマの休日』はローマの休日ではない」

6月18日の産経新聞のコラム「断層」で、評論家の呉智英さんが書いていた「ローマの休日はローマの休日か」というコラムを読んで、本当に驚きました。目からウロコが落ちました。
あのオードリー・ヘップバーンの名作映画『ローマの休日』原題は、
「Roman Holiday」
ですが、実はこれは、
「原題を直訳した誤訳だ」
というのです。正しく訳せば、
「はた迷惑な王様」とか「王族のスキャンダル」
としなければならないと。なぜならば、「Roman Holiday」は「熟語」なのだそうです。というのも、ローマ帝国では、奴隷戦士をライオンと戦わせる見世物を、ローマ人の休日の娯楽としたことから、「Roman Holiday」は、
「他人の迷惑を楽しむ」
あるいは、
「おもしろいスキャンダル」
という意味になったというのです。知らなかったなあ!
たしかに、王女がローマで新聞記者とのラブ・アフェアーというのは、たしかに「おもしろいスキャンダル」ですね。それを、グレゴリー・ペック演じる新聞記者は、
「もみ消す」=「自らの特ダネを捨てて皇女をスキャンダルから守る」
わけですが、確かに本来の熟語の意味だったのかもしれません。
でも、このタイトルを付けた人は「ローマでの、王女の休日」との「ダブル・ミーニング」にしたのじゃないかなあと言う気も、しないでもありません。
いずれにせよ、知らないことって多いよなあと、このコラムを読んで感じたのでした。
2009/8/31
スープのさめない距離