◆ことばの話3595「保護者様、校長様」

小学6年生の息子の「内科検診の結果」が、
「保護者様」
という宛先で、校長名で配られてきました。 この宛先って、「様」の代わりに「各位」をつけて、
「保護者各位」
でいいのではないでしょうか?そう言えば先日、初めて公の場に姿を見せた漢字能力検定協会の大久保昇理事長(当時)は、
「関係者各位の方々」
と言っていました。
「各位」
には、「皆様」という意味合いがあるのだから、わざわざ、
「各位の方々」
というのは重複していますよね。念のため「各位」『精選版日本国語大辞典』で引いてみると、
「大勢の人を対象にして、その命名を敬っていう語。おのおのがた。皆様方。諸氏。」
つまり「関係者各位の方々」というのは、
「皆様方の方々」
と言っているのとおんなじなのだ!これでいいのか?これでいいのだーって、いいわきゃない!そんな漢字能力の“方々”に漢字能力を「検定」させて、大丈夫なのだろうか?
まあ、理事長が直接、答案を採点してはいないでしょうから、大丈夫だとは思いますが。それはさておき、学校からのお知らせには、「要受診」の人は、治療を受けたあと、「学校長宛て」に報告書を出すように書いてあって、その宛名があらかじめ印刷してありました、「校長様」
おお「校長様」!「お代官様」じゃないんだから、「校長様」はないでしょう。せいぜい、「校長殿」
なのでは?「患者様」という表現も行きすぎが批判されて、「患者さん」に揺り戻しが起きているようですが、「校長様」は逆の意味で考えないといけない表現ではないでしょうか?校長先生クラスの「国語力のテスト」をしないとダメなんじゃないでしょうか・・・・漢検協会に頼みますかね?
2009/4/21


◆ことばの話3594「感づく」

4月21日、大阪府の橋下徹知事が、衆議院の「参考人招致」を受けました。その日、自民党大阪府議団の若手が「橋下派」を結成。これは橋下知事にとっては思わぬ「追い風」です。そのことを知ってか知らずか、衆議院で橋下知事は、「解散総選挙の話」までしたそうです。そのニュースを伝えた『情報ライブ・ミヤネ屋』での原稿で、 
「それに感づいたのか」
という一文が出てきました。私はこの「感づいた」は、ちょっとおかしいと思って、
「それに気付いたのか」
に直して読みました。なぜ「感づいた」はおかしいのか?考えてみました。
「感づいた」は、「敵の動き」に対して使うもので、味方の動きに「感づいた」は使わないのではないでしょうか?『広辞苑』「感づく」を引くと、
「直感的に気づく」
とあり、特に「敵」ということは書かれていませんが、例文を見ると、
「敵に感づかれる」
で、やはり「敵」が出てきます。「感づく」は、「気付くと具合が悪い」ような時に使うと思います。
「直感的に、都合の悪いことなどに気付くこと」
「感づく」だと思います。ほかの辞書を引くと、
『三省堂国語辞典』=はっと、気がつく。
『新明解国語辞典』=直感的に気づく。
『新潮現代国語辞典』=直感で気づく。勘で知る。
『明鏡国語辞典』=直感的に気づく。(例)怪しいと感づかれる
『精選版日本国語大辞典』=直感的に気がつく。気づく。さとる。心づく。察する。推測する。
としか書かれていません。しかし、『岩波国語辞典』はハッキリと、
「危険・陰謀・不正などに、直感的に気づく」
と記しています。パチパチパチ。私の語感も、これと同じですね。
2009/4/21


◆ことばの話3593「お度数」

先日、目の検査のために目医者(眼科)さんに行きました。待合室で検査を待っていたら、別の患者さん・・・というかお客さんに対して、コンタクトレンズのコーナーの女の人が、
「お度数が変わっていますね」
と言ったのが耳に留まりました。この、
「お度数」
初めて聞きました!コンタクトレンズ屋さんの女性の従業員(?)は「度数」に「お」を付けるのか!Google検索(4月15日)では、
「お度数」=1万4000件
でした。ネット上ではコンタクトはもちろん、眼鏡の販売サイトとで「お度数」、使われていました。これも業界用語ですかねえ。もちろん「お」が付かない「度数」は、
「度数」=324万件
圧倒的に多いのですが。これに「メガネ」「眼鏡」「コンタクトレンズ」をくっつけると、
「メガネ、度数」      =67万2000件
「眼鏡、度数」       =54万1000件
「コンタクトレンズ、度数」=12万8000件

ということでした。
2009/4/15


◆ことばの話3592「防衛医大か防衛医科大か」

4月15日の「情報ライブ・ミヤネ屋」で、痴漢容疑の大学教授が最高裁で逆転無罪となったニュースで、大学の略称に付いて疑問が出ました。大学の名前は正式には、
「防衛医科大学校」
だったのですが、その略称は、
「防衛医大」
なのか、それとも、
「防衛医科大」
なのか?スタッフ間で「どっち?」となりました。新聞(4月15日朝刊)の「本文」を見てみると、
(読売)防衛医科大
(朝日)防衛医大
(毎日)防衛医科大
(産経)防衛医科大学校(見出しは「防衛医大」)
(日経)防衛医科大(見出しは「防衛医大」)
でした。「防衛医科大」が多いですが、「防衛医大」もあります。Google検索7(4月15日)では、
「防衛医大」  =85600
「防衛医科大」=82200
で、拮抗しています。そこで、直接大学に電話して「略称はどう呼んでらっしゃいますか?」と聞いたところ、
「『防医大』または『防衛医大』ですね。『防衛医科大』とは、あまり言いません」
とのことだったので、原稿もスーパーも、
「防衛医大」
でいくことになりました。ちなみに、防衛医大は埼玉県所沢市にあるのですが、電話番号が、東京の「03」や大阪の「06」のように、「04」と2ケタだったのでびっくりしました。昔は「0429」とか4ケタだったのに・・・それだけ人口が増えたということでしょうかね。なお、「防医大」の検索件数は、
「防医大」=3720件
でした。「防医大」だと、「ボーイ大」、少年しかいないような印象が・・・そんなことはないのか。
2009/4/15


◆ことばの話3591「角栓」

4月9日、帰りの電車の中で、ドアの広告に、
「角栓ポロリ」
という文字を見つけました。「毛穴のよごれ取り」の広告です。角質で毛穴に栓をするということでしょうか?Google検索では(4月15日)
「角栓」=50万5000件
と、随分出てきました。日本語のページに限ると、
「角栓」=36万8000件
それでも随分たくさん出てきました。あまり気にしたことがなかったけど、女性の方がよく知っているかもしれませんね、お肌のケア関係で。意味は、
「鼻の周りなど、皮脂の分泌量が多い場所にできる小さな突起のこと」
だそうです。角質が毛穴に詰まってできるのだそうです。ああ、それなら知っていますが、そんな名前だとは知らなかった。
「角質」
という言葉は、足のかかとなどで聞いて知っていましたが。『三省堂国語辞典・第6版』にも「角質」は載っていましたが、「角栓」は載っていませんでした。『精選版日本国語大辞典』『広辞苑』も、「かくせん」で引くと、「角○」は、
「角銭」(江戸時代に仙台藩が幕府の許可を得て領内限りで発行した「仙台通宝」の俗称)
しか載っていませんでした。
2009/4/15