◆ことばの話3545「セキニンもって」

半年ほど前のこと(2008年10月)、当時3歳9か月の娘の話です。
いつも部屋中におもちゃを広げて、なかなか片付けない娘。
「ジグソーパズル」も、興味を持って何種類も広げては、完成させないまま放り出していたりしているのですが、その日はとても熱心に、
「パズルやりたい!」
というのです。せっかくきれいに部屋を片付けたところだったので、
「ダメ」
と言っても引き下がりません。
「でも、いっつもやりかけで、ほったらかしやろ。
そんなんじゃあ、ダメやな」

というと3歳9か月の娘の口から出た言葉は、
「セキニンもってするから・・・」
思わず、笑ってしまいました。
「『セキニンもってする』って、どういうことなの?」
と聞くと、真面目な顔で
「パズルする」
と答えた娘でした。
あれから半年・・・4歳になった娘は、最近「オセロゲーム」を覚えておもしろくて仕方がない様子。毎日のように、
「ねえ、シロとクロのゲーム、やろ!」
と誘ってきます。昨夜は、なんと・・・負けてしまいました・・・・。4歳に47歳が!くうーっ、不覚!でも、あんまり悔しくないや。
2009/3/18


◆ことばの話3544「図々しいという表記」

「ミヤネ屋」のスタッフから、
「『ずうずうしい』を辞書で引くと『図々しい』と書かれているんですが、『図』と『々』の横に『▽』のマークがついているんですが、漢字を使ってもいいでしょうか?」
という質問を受けました。
この場合は「ずうずうしい」と「平仮名表記」です。
「図」はもちろん「常用漢字」ですが、「▽」は「表外訓」、つまり「図」に「ずう」という読み方は常用漢字表にないということです。(「ず」はありますが。)
おそらくこの「ずうずう」に「図々」という漢字を使うのは「当て字」だと思います。また、「ずうずう」は「擬態語」からきているのではないでしょうか?(日本語は「濁音」が付くと、ふてぶてしい、ちょっとマイナスイメージの言葉になりますよね。)そうすると、漢字で「図々しい」と書かなくてもいいと思いますが。かえってカタカナで、
「ズーズーしい」
としたほうが、軽いけど雰囲気は出るかな、とも思いました。
2009/3/18


◆ことばの話3543「目薬を落とす」

スペースシャトル「ディスカバリー」で宇宙へ旅立った若田さんが、3か月の長期滞在中に行う実験の一つに、
「目薬を“落とす”実験」
というのがありました。これについて「ミヤネ屋」スタッフのAさんから、
「これは“落とす”ではなく、“さす”ではないのか?」
と質問を受けました。
たしかに「目薬を」と来ると「さす」が、本来の言葉遣いですね。ただその場合の目的は、
「目薬を目に点滴することでの治療」
を目的としているから、
「目にさす」
と表現されるのですが、今回の実験は、
「目薬という水滴が、無重力空間でどのような動きを見せるのかを調べる」
ことを目的としているので、
「落とす」
でもいいのではないか?というふう答えました。Aさんはそれで納得してくれましたが、普通に「目薬をさす」と言っても、もちろん間違いではないと思います。
Google検索では(3月18日)、
「目薬をさす」=2万5200件
「目薬を落とす」= 2110件
でした。
2009/3/18


◆平成ことば事情3542『「創業家」の読み方』

ミヤネ屋のスタッフが、質問してきました。
「道浦さん『創業家』の『家』は、『け』でしょうか?『か』でしょうか?」
「ええ?そりゃ『け』じゃないの?」
改めて聞かれると、うろたえます。
「ボクもそう思ったんですけど、ナレーターさんも、編集さんも『か』じゃないの?って言うもんで・・・」
「け」に違いないと思うものの、念のために調べてみることに。と言っても、これ、調べにくいんですよね。「創業家」で、普通の国語辞典に見出しで載っているかというと、載ってないんじゃないかなあと。そこで『新潮日本語漢和字典』で「家」を引きました。
「か」は漢音で「け」は呉音。「け」の読みの方が古いんですね。
いくつか意味のある中で、関係がありそうだったのは、
「(エ)血縁意識による集合体。また代々の血縁や姓のつながり」
ふむふむ。こういうときは、用例が肝心です。
「家系・旧家・檀家(だんか)・家紋・家臣・家老・国家・王家(おうけ)・公家(くげ)・武家(ぶけ)・家来(けらい)・本家(ほんけ)・分家(ぶんけ)・宗家(そうけ)・徳川家(とくがわけ)・家元(いえもと)・家柄(いえがら)」
「うーん、これでいうと『創業家』は『本家』『分家』『徳川家』の系統だから、やっぱり『け』でしょう。」
「そうですよね。『か』だと『実業家』のように『人』を指している感じがしますもんね」
「!正に正に、その通り!そう思いますよ!」
と思って、もう一度、漢和字典を見ると、その後に、
「あることを専門にする人。また、商売にしている人や店。」
として、用例としては、
「専門家・画家・作家・初夏・政治家・法律家・商家・農家・噺家(はなしか)・酒家・娼家(しょうか)・禅家(ぜんけ)」
とありました。ほとんどが「か」ですね。「禅家」だけが「け」「酒家」も『精選版日本国語大辞典』では、
「しゅか」
でした。「海鮮酒家●●」のCMでは「しゅけ」と言っていた気もしますが。

2009/3/16


◆ことばの話3541「アドバンスとバンスキング」

小室哲哉被告の裁判を原稿の、小室被告のセリフの中に、
「とりあえず目先のことが大事でしょ。アドバンスで5億円出してもらおう」
というのがありました。これに関して、ディレクターから、
「『アドバンス』って何でしょうか?」
と聞かれました。辞書を引くと、
「前払い金」
とありました。字幕スーパーでも( )をつけて、
「アドバンス(前払い金)」
としました。
そういえば昔『上海バンスキング』という映画がありましたが、あの、
「バンス」
というのは、
「『アドバンス』の『アド』を省略した形」
だったのですね!今頃、分かりました。
「バンスのキング」=「前借りの王様」
ということでした。
『上海バンスキング』の「バンス」は、たしか、
「(給料の)前借り」
の意味でしたね。なるほどねー。小室被告=TKと「上海バンスキング」がつながりました。小室被告は、「バンスキング」だったのですね。第2回公判では、エイベックスの社長から6億5000万円も借りていることがわかったし。すごいものですねえ・・・。
2009/3/17
スープのさめない距離