◆ことばの話3540「プレイか?プレーか?」

「情報ライブミヤネ屋」の芸能担当のスタッフから質問を受けました。
「チュートリアルの徳井さんのことを表現するとき、『プレボーイ』でしょうか?それとも『プレボーイ』でしょうか?
『新聞用語集2007年版』を見てみると「play」に当たる言葉としては、
「プレガイド」(映画や演劇等のチケットを買う窓口)
「プレヤー」(選手)
の2つがありました。ここから推測すると、いわゆる「遊び」の範疇(はんちゅう)と捉えられるものは「プレイ」、スポーツなど真剣に集中するもの、プロのものは「プレー」という使い分けがあるように思われます。固有名詞ですが、若い男性向けの雑誌名は、
『週刊プレイボーイ』
です。
(プレー)ダブルプレー、スタンドプレー、ファインプレー、プレーオフ。
(プレイ)プレイガイド、プレイボーイ、プレイステーション。
ということで徳井さんの場合は
○「プレイボーイ」  ×「プレーボーイ」
としました。
2009/3/17


◆ことばの話3539「発覚!」

「『交際が発覚』の『発覚』というのは、使っちゃいけないのでしょうか?今日の芸能コーナーのゲストの報知新聞の高須さんに指摘されたんですけど・・・」
と「ミヤネ屋」のスタッフが聞いてきました。
「発覚」は、本来、
「麻薬所持が発覚」
など「犯罪・悪事」に関して使われるものですね。「平成ことば事情185」でも、既に8年前に取り上げています。そういう意味で言うと、「不倫」は「発覚」でもいいのかな?倫理的には「悪事」だし。でも独身同士が交際していることがわかっても「発覚」は、ねえ・・・。
付き合っちゃいけない関係でなければ、「発覚」はキツイ感じがあります。
最近「ミヤネ屋」では、
「交際が明らかに(なった)」
という言葉を使うことが多くなっているようです。
2009/3/17


◆ことばの話3538「やっておしまい」

3月7日に公開された映画「ヤッターマン」のポスター、ドロンジョ役の深田恭子さんが、例の衣装を見にまとって、こう言い放っています。
「やっておしまい!」
この「おしまい!」という言い切りが、何となく気になっていました。よく、ちょっと気位の高そうな、上から目線の女性が、家来や部下に命令する時の「役割語」的な言葉として使われていますが、「おしまい」という言い切りは、一体、何なんだろうか?と思っていましたが、毎日のように社内でこのポスターを見ていて、ハッと気付きました
「『やっておしまい』は、『やっておしまいなさい』の『なさい』を省略した形だ!」
そうか、そうだったんだ。
この「省略」が、「高飛車」「上から目線」の感じを演出していたのですね。わかりました。
ヤッターマン、ドロンジョ様、ありがとう!
2009/3/17


◆ことばの話3537「WBCのWの読み方」

いよいよアメリカでの2次リーグに入ったWBC。
3月12日の日経新聞スポーツ欄の豊田さんのコラム、前回(イチロー選手の気になる衰えについて)と今回(WBCの問題点)は、いつも以上にキレがあるなあと思って読みました。
さて、その「WBC=ワールド・ベースボール・クラシック」アルファベットで読むときに「W」をどう読むか?について、若手アナから質問が出ました。
「『W』は『ダブリュー』と語尾を伸ばすと思うんですけど、『WBC』と続けて言う時には『ダブリュ』と、最後の語尾は伸ばしていない気がするんです。」
たしかにそうですね。でも同じ「WBC」でも「ボクシングの世界戦」などの場合は、
「ダブリュー・ビー・シー」
と語尾をちゃんと伸ばしている気がするのですが。この違いは何ざんしょ?
基本的には、
「『W』単独だと『ダブリュー』と語尾が伸びるが、『WBC』とつながると、『ダブリュ』と短くなる」
のでしょうが、ボクシングではちゃんと語尾が伸びるのは
「『WBC』を1語として捉えるのではなく、「W・B・C」と、3つのアルファベットを、独立したものとして捉えて発音しているから」
ではないでしょうかね?でも、それも段々、1語として捉えられるようになると、「ダブリュビーシー」と語尾が短くなるのではないか?と思います。既に短く発音している人もたくさんいることでしょう。特に、この言葉をよく使う人たちは、ね。
2009/3/13


◆ことばの話3536「そぼろ餡のアクセント」

「ミヤネ屋」のNナレーターからのアクセントに関する質問。
「『そぼろあん』のアクセントは、『ソ/ボロアン』(平板アクセント)?それとも『ソ/ボロ\アン』(中高アクセント)ですか?」
考えました。この「あん」は「〇〇餡(あん)」というものの代表的なもの、「こしあん」「つぶあん」が、それぞれ、
「コ/シアン」「ツ/ブアン」
「平板アクセント」なのに倣えば、
「ソ/ボロアン」
「平板アクセント」でしょう、とお答えしました。(ただ、「こしあん」も「つぶあん」も「あん」の前が「こし」「つぶ」と「2文字」なのに対して、「そぼろあん」は「3文字」なので、アクセントが異なる可能性はあるのですが。)
「こしあん」「つぶあん」はいわゆる「あんこ」で小豆をつぶした甘いもので、この「そぼろあん(かけ)」の「あん」は「片栗粉はたは葛粉をといて出来ている」という違いはありますが、漢字で書くとともに『餡』です。
でも「ソ/ボロ\アン」(中高アクセント)も「あり」のような気が、またしてきました・・・。でも、「中高アクセント」にすると、
「そぼろ庵(ソ/ボロ\アン)」
のような感じもするのですけど・・・。
2009/3/13

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スープのさめない距離