◆ことばの話3455「NIGO(R)」

12月16日、女優の牧瀬里穂さんが、カリスマ・ファッションプロデューサーのNIGO(R)<ニゴ>さんと結婚しました。本人のファックスに書かれた表現で言うと「入籍」したということですが、報道的には「婚姻届を提出した」「結婚した」ということになります。
さて、それを報じたスポーツ紙は、「NIGO」という名前のあとに「商標登録のマーク」である(R)(まるアール。ワープロで出し方がわからないので、カッコで表記)を付けていました(見出しも本文も)。「レジスタード」(登録された)という意味ですよね。読売テレビの「情報ライブミヤネ屋」でもそれに従って、
「NIGO(R)」
と表記しましたが、何かもやもやしたものが残りました。次の日(12月17日)の新聞・スポーツ紙各紙は、表記が分かれました
「NIGO(R)」としたのは「サンケイスポーツ・デイリースポーツ・スポーツニッポン」、(R)を付けずに「NIGO」としたのは「スポーツ報知・日刊スポーツ・朝日新聞」でした。(ほかの一般紙は、記事なし)
これについて「ミヤネ屋」の芸能デスクに「なんで?」と訊いてみたら、
「ほら、『モーニング娘。』の『。』や、『藤岡猛、』の『、』と同じで、デザインですよ。書いてあるけど読まないでしょ。」
「そう言えば、『つんく』も後ろに『♂』マークが付いてるよね。」
「そうそう、それと一緒」
「それから『本田美奈子.』も、こないだ気づいたんだけど、名前の後ろに『.』(ピリオド)が付いているんだよね。あれは亡くなってから付いたの?」
「いや、生前から付けてましたね。字画で、縁起の良い画数に揃えるためとか、そういった感じで付ける人もいるそうですよ。」
「ふーん、そうなのか」
ということなのですが、皆さんはどう思われますか?
2008/12/17


◆ことばの話3454「過激っぷり」


12月16日の「情報ライブミヤネ屋」で、大阪府の橋下徹知事が、文部科学省に対して「バカ」という言葉を7回も連発した、というニュースをお伝えしました。
その原稿の中に、
「『バカ』を7回も連発する過激っぷり」
という一文が。この
「過激っぷり」
という言葉、初めて目にしました。これは、普通は、
「過激ぶり」
と「ぶり」を使うのではないでしょうか?まあ「過激ぶり」というのも、あまり聞いたことがないのですが・・・・。「っぷり」は「ぶり」の強調形ではないかと思いますが、「っぷり」になるには、何か法則があるのではないでしょうか?
なお、Google検索(12月16日)では、
「過激っぷり」= 228000
「過激ぶり」 =1310000
と、やはり6倍以上「過激ぶり」の方が使われていました。「過激っぷり」を使っているのは、エロサイトっぽいのがたくさん出てきました。「過激ぶり」はサッカーのサポータのサイトが出てきました。
発言の内容はともかく、品の良い言葉ではないですよね。うちの3歳の娘はきっと、
「バカって言う人が、バカやで」
と言うと思います。
2008/12/16


◆ことばの話3453「とばっちりを食うか?受けるか?」

12月16日の「情報ライブミヤネ屋」で、東京・築地市場で、マナーの悪い外国人観光客が増えていて、そのために年末年始の見学は中止になったというニュースをお伝えしました。その原稿の中で、
「とばっちりを食ったのは市場の中の飲食店だ」
という一文が出てきました。この
「とばっちりを食う」
がちょっとひっかかりました。そのままでもいい感じなんだけで、ちょっとひっかかる。そこで辞書を引いて用例を見ると、
「とばっちりを受ける」
とありました。そこで、「受ける」の方を採用しました。「食う」でも間違いではないと思いますが、「受ける」の方が落ち着くかな、と思ったので。
Google検索(12月16日)では、
「とばっちりを食う」  = 20100
「とばっちりを受ける」=120000
と、ネット上では「受ける」の方が6倍ほど使われていました。同じような状況で、
「わりを食う」
とは言いますね。もしかしたら、それと混同されたのかな?そんな気もしました。
2008/12/16
(追記)

NHKの原田邦博さんからメールをいただきました。
『「とばっちり」は「受ける」ようですが、「巻き添え」は「食う」ようです。その混交表現かも。』
あ、そうか「巻き添えを食う」がありましたね!「待ちぼうけ」も「食い」ますが。
Google検索では(12月19日)
「巻き添えを食う」   =1万0800件
「巻き添えを食らう」  = 9020件
「待ちぼうけを食う」 = 772件
「待ちぼうけを食らう」=1600件
でした。
2008/12/19


◆ことばの話3452「チルドレンたち」

12月16日の「情報ライブミヤネ屋」で、小泉チルドレンが麻生総理とランチ会を官邸で開いたというニュースの原稿で、
「チルドレンたち」
という言葉が出てきました。「チルドレン」で、既に「複数形」ですから、「たち」を付けなくてもいいと思い、「たち」を省いて「チルドレン」で放送したところ、担当ディレクターから、こんな意見が。
『「(小泉)チルドレン」は、固有名詞的なところ(グループ名のように)もあり、その面々が続々と官邸に入っていく様子を表すために、あえて「たち」をつけて「チルドレンたち」としたのですが・・・』
たしかに、そういった場合には「チルドレンたち」という使い方も「あり」でしょうね。
ただ、やはり「『チルドレン』が複数形だということをわかってない」と視聴者の方に思われないためには、
「小泉チルドレンの面々」
など、ほかの方法もあるかな、とも思います。
その日の日本テレビ「ニュースリアルタイム」で同じ話題を取り上げていたので、耳をそばだてて聞いていたら、
「大方のチルドレンは」「チルドレンたちは」「チルドレンの一人は」「チルドレンは」「チルドレンのパーティーで」「65人のチルドレンが参加」「チルドレンの取り込み」
というふうに、1回だけ「チルドレンたち」が出てきましたが、大半は「チルドレン」でした。
2008/12/17


◆ことばの話3451「祝賀と祝福」

「情報ライブミヤネ屋」のスタッフのMさんから、質問を受けました。
「『祝賀ムード』と『祝福ムード』、どちらが正しいんでしょうか?」
「どういう時に使ったの?」
「きのう、宮根さんが結婚していたという話題の時に、最初“祝賀ムード”として、そのあと“祝福ムード”に直したんですけど」
「ああ、それでいいんじゃない?“祝賀ムード”だと、雅子さまと皇太子さまのように皇族の結婚のときぐらいじゃないかな?普通は“祝福ムード”でいいと思うよ。」
「あのう、『祝賀』と『祝福』は、どう違うんですか?」
「うーん・・・調べとく」
ということになりました。辞書を引いてみると、『精選版日本国語大辞典』は(用例略)、
「祝賀」=祝い喜ぶこと。祝慶(しゅっけい)。
「祝福」=(1)幸福を祝うこと。また幸福を祈ること。(2)キリスト教で、神から恵みを授けられること。
『デジタル大辞泉』は、
「祝賀」=めでたいこととして喜び祝うこと。「優勝を祝賀する」「祝賀会」
「祝福」=(1)幸福を喜び、祝うこと。また、幸福を祈ること。「結婚を祝福する」「前途を祝福する」(2)キリスト教で、神の恵みが与えられること。また、神から与えられる恵み。
『明鏡国語辞典』は、
「祝賀」=よろこび祝うこと。「祝賀会」
「祝福」=(1)幸福を祝うこと。また、幸福を祈ること。「新郎新婦を祝福する」「前途を祝福する」(2)キリスト教で、神が信者に恵みを授けること。また、その恵み。「神の祝福がありますように」
『広辞苑』
「祝賀」=祝いよろこぶこと。「勝利を祝賀する」「祝賀会」
「祝福」=(1)(他人の)幸福を祝い、また祈ること。「結婚を祝福する」(2)キリスト教で、神から賜る幸福や恵み。
といった具合です。ちょっと見えてきたぞ。
「祝賀」が硬くて「祝福」が柔らかい感じなのは、やはりそうですが、もう一つ、「祝賀」は「既に起こったおめでたい現状を喜ぶ」だけですが、「祝福」には「現在を喜ぶ」とともに、「未来の幸福への期待」も込められているような気がしますね。そこの違いかな。
だから結婚した人の場合は「祝賀」より「祝福」の方が適当であるように思いますが、いかがでしょうか?
2008/12/16
スープのさめない距離