◆ことばの話3420「酢は濁るか?濁らないか?」

「情報ライブミヤネ屋」で、
「南蛮酢」「調理酢」
という言葉が出てきました。この場合の「酢」ですが、「ズ」と濁るのか?それとも「ス」と濁らないのか?スタッフに聞くと、
「南蛮酢はズと濁る」
とのこと。ただ「調理酢」は分からないらしい・・。私の感覚では「ス」と濁らないと思うのですが。そこで『逆引き広辞苑』で「酢」のつく言葉39語を調べて、その読みを調べてみました。結果は以下の通り。

<「ス」と濁らないもの>=6語
果実酢、合成酢、穀物酢、バルサミコ酢、醤(ひしお)酢、柚(ゆず)酢

<「ズ」と濁るもの>=33語
青酢、赤酢、甘酢、合わせ酢、塩梅酢、梅酢、柿酢、加減酢、粕酢、芥子(からし)酢、からすみ酢、木(き)酢、生(き)酢、黄身酢、黒酢、芥子(けし)酢、胡麻酢、米酢、三杯酢、生姜酢、食酢、白酢、橙(だいだい)酢、蓼(たで)酢、種(たね)酢、調合酢、煮返し酢、二杯酢、梅肉酢、早酢、ポン酢、万年酢、米(よね)酢

「調理酢」「南蛮酢」は載っていませんでしたが、それにしても「ス」と濁らないものは、たったの6語。少ないのですね。原則、「濁る」と考えてもよさそうな感じですね。
こういう言葉を調べる時は「逆引き」辞典はとっても便利です。
なお、「木酢」というのは、
「ユズ・ダイダイなどの柑橘類の果実から絞った汁」
で、「白酢」というのは、
「紫蘇を加えない梅酢。白梅酢」
「早酢」というのは、
「粟や糯(もちごめ)で作った酢。こんず。」
ということで、“いろんんんんんんな酢”があるんもんなんで“酢”ねえ。
2008/11/10


◆ことばの話3419「パラジクロロベンゼンの読み方」

読売テレビと同じくNNN系列の福井放送アナウンサーのK君から質問メールが来ました。
「道浦さんのブログで検索しても出てこなかったんでお尋ねさせていただけたらと思いメールしました。最近の食品問題で出てくる防虫剤に使われる『パラジクロロベンゼン』ですが、この言い方が、人によって違うような気がします。何がスタンダードなんでしょうか?僕は中学の理科で習った時から『パラジクロロ・ベンゼン』と言っていたんですが、夕方の番組を担当しているYアナは『パラ・ジクロロベンゼン』が正しいと思っていたそうです。それから気になってニュースをいろいろ見てみると、共通ではなく、人によって言い方が違う感じがしました。ちなみに、Yアナは愛知、僕は茨城出身です。こんな言葉にも地域性なんかあったりするんでしょうかね?何かご存知でしたら教えていただけると幸いです。」
そこで早速、返事のメールを送りました。
「お尋ねの件ですが、私、高校時代は文系でしたが『生物』『化学』も選択していました。(5教科7科目受験だったので)また、母が薬剤師なので、化学式と名前の意味について教わったことがあります。その、錆付いた知識で言いますと、『パラジクロロベンゼン』の区切り方は、
『パラ・ジ・クロロ・ベンゼン』
です。化学式はたしかギリシア語がベースですが、『パラ』は『離れている』という意味です。『ジ』は『2つ』、『クロロ』は『塩素』、『ベンゼン』は『ベンゼン環 (=亀甲型(6角形)の2重結合)』ですね。そこに塩素が2つ、離れてくっついている、という化学式がそのまま名前になっているのです。
『ベンゼン』がベースですから、『どんなベンゼン環か?』というと、『塩素が2つ、離れてくっついている』ベンゼンということなので、全部切って読まないのであれば、
『パ/ラジクロロ・ベ\ンゼン』
ではないでしょうか?地域差ではなく、化学用語に従うかどうか、ということじゃないですかね?ではまた!」
即答したので、向こうからの返事も早かったです。
「早速のお返事ありがとうございます。その読み方が一番自然に感じます。ありがとうございました。」
ということで、読み方の問題は一件落着ですね。カップめんにパラジクロロベンゼンが付着していた問題は「移り香」ということのようですが。
2008/11/10


◆ことばの話3418「収まるか?治まるか?」

「ミヤネ屋」のスタッフから質問を受けました。
「泰葉の騒動が・・・『治まる』でしょうか?それとも『収まる』でしょうか?」
これに対してこう答えました。
「収まる」=「収拾する」だと思います。
「治まる」は、「統治する」意味で、「天下を治める」、川の氾濫を「治める」、病気の「治療」の意味で、「症状が治まる」など(「おさめる」も含めて)で使われますね。
これに対して「泰葉」の場合は、「騒動」ですから「収拾する」の意味で「収まる」だと思います。
同音異義語は難しいですね。
2008/11/5


◆ことばの話3417「バラクかバラックか」

「道浦さん、アメリカの民主党大統領候補のオバマのファーストネームは『バラク』ですか?それとも『バラック』ですか?」
と、先日スタッフに聞かれました。(大統領選、直前の話です。)
「『バラク』だと思うけど・・・』
と答えてからGoogle検索(10月31日)してみたら、
「バラクオバマ」=  6万8600件
「バラックオバマ」=10万3000件
で「バラック」優勢でした。一方、オバマ氏本人の著書『合衆国再生〜大いなる希望を抱いて』の日本語翻訳版では、
「バラク」
となっています。
そこで各社の状況を聞いてみたり、新聞を自分でチェックしてみたところ、チェックできたものは、全て
「バラク」
でした。具体的には新聞では「読売・朝日・毎日・産経」それに「共同通信」、放送では「NHK、日本テレビ、テレビ東京」が「バラク」でした。
原音に近いと「バラック」なのかもしれませんが、日本のメディアでのカタカナ表記は「バラク」の方が定着しているようですね。
2008/11/10


◆ことばの話3416「番長人生」

『週刊文春』で清原和博選手の引退の時の記事の見出しが
「23年間の番長生活に幕 清原和博 男の花道」
でしたが、「番長生活」って・・野球選手なのに・・・。
日本テレビの人は数年前に、
「番長生活に幕、明日から汐留生活」
だったと思いますが。
特徴的なニックネームが、その選手の選手生活を彩ることはもちろんあります。偉大な選手、親しまれた選手ならではなんでしょうね。
長島茂雄“選手”(選手時代は長“嶋”ではなく長“島”だった)はもちろん、
「ミスター」
でしたが、それにあたるのが清原選手の場合は「番長」なのでしょう。人それぞれ、野球人生いろいろ。清原選手、お疲れ様でした!このオフは、テレビにもいろいろ出てくるんでしょうね。
2008/11/10
スープのさめない距離