◆ことばの話3395「30張り」

スポーツの秋ですねえ。
いつも通っているテニス・スクール。練習終了後に配られたのは、
「ラケットのガットの張替えキャンペーン」
のチラシでした。そこにはこんな文字が。
30張り限定、半額。ウイルソンナチュラルガット」
おお、そうか。「ガットの数え方」の助数詞は、
「張り」
なのか。「テント」と同じだな!
そんなところにまず目が行っていたのは、おそらくスクールの中でも私だけ、でしょうねえ・・・。


2008/10/13

◆ことばの話3394「『腹が据わっている』の表記」

先日「情報ライブミヤネ屋」の放送をモニターでチェックしていたら、芸能コーナーの字幕スーパーで、こんな文字が出てきました。
「腹が座っている」
これは間違いですよね。正しくは、
「腹が据わっている」
です。きのう(10月8日)の巨人−阪神線では、一塁側ベンチに、
「原が座って」
いましたが・・・。あ、無視してください。
「腹を据える」の意味は、『精選版日本国語大辞典』によりますと、
(1)怒りや恨み、うっぷんを晴らす
(2)心を落ち着ける。気持ちをしずめる。がまんしてこらえる。怒りを抑える。
(3)気を落ち着け、対処のしかたを決める。覚悟をきめる。腹をくくる。
とありますので、「腹の据わった男」というのは、
「きっちり覚悟が出来ていて、ちょっとやそっとのことでは動じない男」
ということになりますね。同じ「腹」を使った表現で、同じような意味のものには、
「腹が太い」
というのがあります。これは「メタボ」とは直接関係ありません。
「肝っ玉が太い」
ということです。
逆に「我慢できない」「こらえきれない」ことを、
「腹を据えかねる」
とも言います。漢字表記とともに意味も覚えておきましょう!
2008/10/9


◆ことばの話3393「大麻は麻薬か?」

「情報ライブ ミヤネ屋」の大相撲の大麻使用疑惑のニュースの原稿の中に、
「麻薬」
と出てきたので「これは間違いではないか?」と原稿が信用できなくなったと、Hアナウンサーが話していました。「大麻」と「麻薬」、違いますよね。チェックよろしく!・・・ということで、調べてみました。
*「麻薬」=アヘン、モルヒネ、コカインなどの麻酔作用および習慣作用を示す薬物。(「常用すると廃人化する」と『精選版日本国語大辞典』には書かれています)

*「大麻」=(インド大麻)インド産のアサ。またその果穂。他の地方に産するものに比べて麻酔性物質を多く含むので、鎮静・催眠薬に用いる。植物体から抽出された麻酔剤を「マリファナ」、果穂からのものを「ハシシ」と呼び、喫煙すると幻覚を生じる。

ややこしいのは、辞書の中には「大麻」の説明に「麻薬」と書いてあるのもあるのですが、法律上は違います。

*「麻薬」→「麻薬および向精神薬取締法」=この法律の定める「麻薬」とは「あへん、けし及びその生成物」。
<罰則>(ジアセチルモルヒネ等)
「輸出入」     =1年以上の有期懲役
「営利目的の輸出入」=無期もしくは3年以上の懲役及び1000万円以下の罰金
「製造」      =10年以下の懲役
「製剤、小分け、譲渡、交付、所持」=10年以下の懲役
「使用」      =10年以下の懲役

*「大麻」→「大麻取締法」=この法律で「大麻」とは「大麻草(カンナビス・サティバ・エル)およびその製品」をいう。
<罰則>
「輸出入」        =7年以下の懲役
「営利目的の輸出入」  =10年以下の懲役および300万円以下の罰金
「譲渡、所持」      =5年以下の懲役
「営利目的の譲渡、所持」 =7年以下の懲役および200万円以下の罰金
「使用」         =5年以下の懲役

とのことです。概して「麻薬」の方が、罪が重いですね。ふだん、こういったものと関わりがないからこそ、その区別がよくわからないのでしょう。でも、一応知識は持っておかないといけませんね。
2008/10/9


◆ことばの話3392「振ると震えは関係あるか?」

最近・・・というのは今年の春ぐらいからですが、缶ジュースで、
「振るとゼリーになる」
ものがいくつか出ていますね。これってちょっとしたブームでは?と思うのですが。何年か前に、
「フルタコ」
という食べ物もありましたね。これらはお客さん側が「振る」という動作を行うことが、一つの楽しい「味付け」になっている気がします。
そういった「振る」商品の一つに、
「ファンタ・フルフルシェイカー」
というのがあります。これを見て突然思ったのは、
「『振る』と『震え』は語源で関係あるのか?」
ということでした。「振る」と「プルプル」するという擬態語も、関係ありそうですが。

とここまで書いて半年近く経ってしまいました。とりあえずサイトにUPして、続きは「追記」で調べていきます!
2008/10/8


◆ことばの話3391「ひっかくとひっかかる」

朝、下の3歳の娘を保育所に送る時にエレベーターに乗ろうとすると、娘が、
「あー、ちょっと待って!カバンが『ひっかいた』!」
と言うので見てみると、保育園カバンが、消火器の箱に「ひっかかって」いました。そこで、
「ああ、それは『ひっかいた』じゃなくて『ひっかかった』って言うんだよ」
と違いを教えました。
しかし子供にとっては似た発音で、使う状況も似ていたからこそ間違ったんでしょうね。
また、「ひっかかった」だと、同じ「か」の音が2回つながるので、発音しにくいという事情もあったのでしょう。
「ひっかいた」も「ひっかかった」も接頭辞(?)の「ひっ」は「ひく」からきているでしょうから、それを除いた“幹”となる動詞は「かいた」と「かかった」、つまり「かく」「かかる」です。漢字では「掻く」と「掛かる」かな?共通項があるようなないような。
子供は、こうして間違いながら一つ一つ、体で言葉を覚えていくんでしょうね。
2008/10/8
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スープのさめない距離