◆ことばの話3380「大雪山の読み方」

9月26日、日本テレビ系列の札幌テレビのアナウンス部長から一通のメールが届きました。タイトルは、
「大雪山の発音変更について」
内容は、これまでは、
「ダイセツザン」
と「大」を濁って呼んできた「大雪山」を、9月29日から、
「大雪山国立公園のみダイセツザン」
と濁音で発音し、それ以外はすべて、
「タイセツ」
と清音で発音することにしたというのです。「大雪」+「山系」の場合も、
「タイセツサンケイ」
と清音で発音するとのこと。
そもそも、これまで「ダイセツ」「タイセツ」と2つの発音があった理由は、
「国の2つの機関が、別々の名称をつけてしまったため」
なんだそうです。その、国の機関というのは、
環境省(自然保護局国立公園課)=ダイセツザンコクリツコウエン(大雪山国立公園)=濁音
国土交通省(国土地理院)=タイセツサンケイ(大雪山系)=清音
だそうです。札幌テレビは、上記の理由を理解しつつ混乱を避けるために、ニュースで登場する頻度の高い、
「国立公園の『濁音』に統一」
して来たのですが、近年、
「地元の学校の校歌は全て清音」
であるなど、地元民のから違和感が指摘されるようになり、社内の担当部署で協議の結果、今回の変更に至ったのだそうです。
ちなみに、北海道内の全ての放送局が、今回の変更内容と同様の発音方法を採用しているそうです。
ということは、私たちもこれからは「タイセツ」と濁らないで発音することが「たいせつ(大切)」なのでしょうね。
また、札幌テレビからのメールの最後に記されていた「参考までに・・・」というところを読んで、ちょっと驚きました。そこには、こう記されていたのです。
「『大雪山』という名称はありません。旭岳・黒岳・十勝岳などの周辺の山々を総称して、あくまでも一般的に『大雪山(タイセツザン)』と呼ばれているに過ぎません。したがって、ニュースの分野では大雪(タイセツ)の峰々、大雪(タイセツ)の大自然・・・などと使用しています。いずれにしても発音方法は清音の『タイセツ』、国立公園のみが濁音の『ダイセツ』です。」
そ、そうだったのかあ!地名や山の名前は難しいですねえ・・・。

2008/10/1




◆ことばの話3379「心中するつもりで」

9月22日の産経新聞「知事日記」という小さな記事を見ると、大阪府の橋下知事は、9月21日の夜7時に、大阪府守口市の守口文化センターで行われた西口勇市長の講演会総会に出席したようです。その席で橋下知事は、こう言ったと記されています。
「教育委員会が反発する中、まず西口市長が支持してくれた。西口市長と心中するつもりで大阪教育に取り組む」
宣言したそうです。それを読んではっと思いました。橋下知事の発言は過激で、いろんなところで論議を呼んでいますが、その一つの特徴が見えたからです。それは、
「死ぬ」
という言葉を端々に(軽々しく)使うことです。この守口の会でも、
「心中するつもりで」
と言っています。西口市長は、そこまでの覚悟があって「支持」したわけではないでしょうに、勝手に「心中する(つもり)」ことにされています。これでは「無理心中」です。いくら大阪が「曽根崎心中」など、江戸時代に「心中モノ」が流行った土地柄とはいえ、それは随分、物騒です。
橋下知事は就任時にも大阪府の職員を前にしたあいさつで、
「ぼくと一緒に死んでください」
と言っています。なぜ、
「ぼくと一緒に、新たな一歩を切り開いていきましょう!」
のような「前向き」な発言を避けて、「一緒に死んでください」「心中するつもりで」などとマイナスのイメージの言葉、しかも「忌み言葉」とされるような言葉を使うのでしょうか?
もちろん前向きなプラスイメージの言葉が使われすぎて、そんな言葉を使ったところで、何のインパクトも与えないということがあるのでしょう。だからあえて、強烈なイメージを持つ「死」にまつわる言葉を使っているのだと思います。
普通は「自爆行為」なので、こういった思い切ったことは言いませんが、それを逆手に取ったところが、橋下さんの「賢さ」であり「潔さ」であり、「新鮮さ」なんでしょう。
ただ、「心中」って、結構、誘ったほうが土壇場で逃げて、誘われてその気になった方だけが死んじゃうということもあるようですから、そのあたり、冷静に話を聞かないといけないのではないでしょうか。
2008/9/24


◆ことばの話3378「200万ダウンロード」


先週金曜日の「情報ライブミヤネ屋」の放送で、「へえー」と思った表現は、歌手の青山テルマさんが、「着うた」のダウンロードが200万回となり、ギネスブックに登録されたという芸能ニュースでした。その中で、 
「200万ダウンロード」
というふうに、
「『ダウンロード』が助数詞として使われていた」
のです。こうやって「新しい外来語の助数詞」が増えて行くのですね。もちろん、
「ダウンロード200万回」
と、従来の助数詞「回」を使って表現することも出来るのですが。
2008/9/15


◆ことばの話3377「ボッチャ」

9月9日の朝刊で北京パラリンピックの記事を読んでいたら、「自転車」競技の結果の横に見慣れない競技名があるのに気付きました。それは、
「ボッチャ」
という競技です。
「個人(脳性まひBC1)」
などと書かれています。一体どんな競技なのでしょうか?「ウィキペディア」を検索してみると、
「ボッチャ(Boccia)はローン・ボウリング(bowls)に類似したスポーツ競技である。障害者、とりわけ脳性麻痺などの運動能力に障害がある競技者向けに考案された種目である。パラリンピックの公式種目となっており、全世界で40カ国以上に普及している。」
と概要が。さらに、「日本ボッチャ協会」という団体もあるようですので、そちらも覗いてみました。それによると、
「ボッチャってなに?= ボッチャは、ヨーロッパで生まれた重度脳性麻痺者もしくは同程度の四肢重度機能障害者のために考案されたスポーツで、パラリンピックの正式種目です。ジャックボール(目標球)と呼ばれる白いボールに、赤・青のそれぞれ6球ずつのカラーボールを投げたり、転がしたり、他のボールに当てたりして、いかに近づけるかを競います。障害によりボールを投げることができなくても、勾配具(ランプス)を使い、自分の意思を介助者に伝えることができれば参加できます。競技は男女の区別なくBC1〜BC4のクラスに別れて行われ、個人戦と団体戦(2対2のペア戦と3対3のチーム戦)があります。」
ということでした。全体像がつかめたわけではないですが、この文章の下に図が描かれていましたので、ちょっとイメージがわきました。車椅子に乗った競技者が行う、ペタンクのようなカーリングのようなゲートボールのような感じの競技のようです。
詳しくは「日本ボッチャ協会」のサイトをご覧下さい。
(http://www.boccia.gr.jp/whats-boccia.html)
今度もし「ボッチャ」を放送しているようであれば、見てみようと思いました。
2008/9/9


◆ことばの話3376「マリファナかマリフアナか」

大相撲の大麻汚染問題で出てきた、
「大麻=マリフアナ」
なのですが、文字の表記の面での問題は、
「マリファナか?マリフアナか?」
ということ、つまり「大きいア」か?「小さいァ」か?という問題があります。
『新聞用語集2007年版』では、「マリフアナ」と「ア」が大きく表記しています。『NHK日本語発音アクセント辞典』も「ア」が大きい。
しかし、『広辞苑』『精選版日本国語大辞典』『明鏡国語辞典』などは、「マリファナ」と「ァ」が小さいのです。発音からいうと、普通は、
「マリファナ」
と「小さいァ」で発音していますよね。ただ原語のスペイン語では「大きいア」が発音上も正解なのでしょうが、これは日本の現状から言うと、
「小さいァ」
でいくしかないんじゃないかなあと思います。
相撲協会の人の発音も「マリファナ」と「小さいァ」でした(そのフォロー・スーパーも、もちろん「小さいァ」)。露鵬も「小さいァ」で「マリファナ」でしたが、白露山だけは「マリフアナ」と「大きいア」で発音していました。
普通の日本人で「大きいア」の「マリフアナ」と発音している人はいるのでしょうか????
その後、テレビでアメリカ人が発音しているのを聞くと、
「マリワナ」
と聞こえました。そう言えば、昔は「マリワナ」という表記も見た覚えがあります。最近はあまり目にしませんが。Google検索(9月10日)では、
「マリファナ」=72万9000件
「マリフアナ」= 6万2800件
「マリワナ」=  2万0500件
でした。発音と表記上は、「大麻」と書けば問題ないんですけどね。
2008/9/10
スープのさめない距離