◆ことばの話3195「風冷えの読み方」

2007年11月のある日、お昼のニュースの天気予報の下読みをしていたら、こんな言葉が出てきました。
「風冷え」
これは果たして、
「かざびえ」
か?それとも
「かぜびえ」
か?「冷え」連濁して「びえ」濁ると思うのですが。 「風」の読み方がわからなかったので、辞書を引いてみたのですが、この言葉、困ったことに『広辞苑』『精選版日本国語大辞典』(電子辞書版)『NHK日本語発音アクセント辞典』には載っていないのです。
似たような言葉に、雪やみぞれを指して言う、
「風花」
という言葉があります。こちらは辞書(『精選版日本国語大辞典』)を引くと、
「かざばな」(「かざはな」とも)
となっていて、『NHK日本語発音アクセント辞典』を引くと、
「かざはな」「かざばな」
の順で載っています。
気象予報士の菅さんに聞いたところ、
○「かざびえ」
×「かぜびえ」
とのことでした。
2008/3/24


◆ことばの話3194「インチと型」

2008年1月8日夜の読売テレビで、「150インチのテレビ」が登場したというニュースを伝えた際に、当初、原稿には、
「50インチテレビ9枚分」
と書かれていたのですが、「テレビが『枚』はないのでは?」と思って、
「テレビ『パネル』9枚分」
にしたと、Hアナウンサーが教えてくれました。
その後、新聞や他社のニュースを見ていると、「テレビ画面の大きさ」を表す表現が、読売テレビは、
150インチ」
としているのに対して、「読売新聞」と「日経新聞」は、
150型」
として「インチ」は使っていないことに気づきました。(きっちりとは確認していませんが、たしか新聞は全部「型」だったような気がする。)そこで用語懇談会加盟の各社に「インチを使うかどうか?」聞いてみたところ、2社から(だけ)返事がきました。
<共同通信>=「型」。1月7日の原稿では、
「世界最大、150型テレビ 松下が発表、09年にも発売」 
【ラスベガス7日共同】松下電器産業は七日、世界で最大のテレビとなる150型のプラズマを開発したと正式に発表」のように表現した。
<テレビ大阪>=この件は、字幕は「150型」、原稿は「インチ」で表現した。字数の関係で「型」を使ったようだが、社内で議論の対象になってはいない。
メートル法でインチを使うのは「?」かもしれないが、「テレビの画面サイズ」と「ジーンズ」などの「インチ」は、サイズを表す単位として認知されているのではないだろうか?競技用語としての「ゴルフ」や「アメフト」の「ヤード」、最近は「100マイル投手」などという言葉もよく耳にする。
とのことでした。たしかにねー。
ふーむ、「メートル法」が施行されて50年ほど経つと思いますが、結構このあたりは、業界ごとに「おまかせ」となっているということなのでしょうかねえ・・・。
決めなくてもいいのかな?
2008/3/24


◆ことばの話3193「リメイクかリメークか」

『情報ライブ・ミヤネ屋』のスタッフから質問を受けました。
「道浦さん、これの表記は『リメイク』でしょうか?それとも『リメーク』でしょうか?」
さっそく『新聞用語集2007年版』を引いてみましたが、その言葉は載っていません。しかし似た言葉は載っています。そして「二重母音」は原則「長音符号(―)」で表し、アメリカの「メイン州」など固有名詞は例外と書かれていますから、おそらく正しくは
「リメーク」
となるのでしょうね。スタッフはそれで納得してくれましたが、この二重母音の問題は、結構悩みの種です。新聞や放送以外の商業ベースのコマーシャルや音楽、美術、文学の世界、一般社会ではおそらく、
×「メーク」
○「メイク」
なのではないでしょうか?Google検索(3月24日)では、
「メーク」=  175万件
「メイク」= 2550万件
ということで、やはり「メイク」の方が15倍ぐらい、よく使われていますね。
2008/3/24


◆ことばの話3192「新しいカツゼツ練習」

えー、次のアナウンス教本の改訂用に、こんな「カツゼツ練習文」はいかが?

*「しかし、四ケ所(シカショ)猛(タケシ)氏が、シカゴの歯科の司会で、鹿シチュー・猪(シシ)シチュー、試食し続けた」
〜もうきっと、「四ケ所(シカショ)猛(タケシ)氏」が出てくることは、あまりないとは思いますが。珍しい苗字ですよね。
*「コロラド・メリルリンチ・コロラド支店」
〜「メリルリンチ」は結構出てきますが、舌、噛みそうです。20数年前の競走馬「シンボリルドルフ」も言いにくくて、当時は困りました。競馬の実況アナウンサーは、本当に「えらいな」と思います。
*「赤巻紙、ちまき巻き」
〜祇園祭の頃に出てきますよね、「ちまき巻き」(?)。
*「クロツラヘラサギ」
〜なんだか珍しいトリだそうです。
*「スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ」
1923年ポーランド生まれの指揮者。読売日響で2007年秋に客演。その際84歳。
*「クロマダラソテツシジミ」
〜2007年12月11日の読売新聞で、
「ソテツ天敵大発生か 池田、兵庫東部で生息確認」
「南アジア原産 強い繁殖量 食害拡大懸念」
という記事が。これまで本州では見つかっていなかったチョウの名前だそうです。ふーん。
*「ハイレ・ゲブレシラシエ(34、エチオピア)」
〜男子マラソンの世界記録保持者。2008年3月10日、北京オリンピックのマラソンへの欠場を正式に表明しました。理由としては、「喘息」の持病を持っているために、「中国の大気汚染は、自分の健康にとっては脅威。現在の状況では42キロを走るのは難しい」と答えたということです。なお1万メートルには出場するそうですが。世界記録保持者だけに何度も名前が出てきそうですね、ゲブレシラシエ・・・。

ま、意味をよく掴んだ上で、どこで切って読むかがポイントでしょう。あとは、口がよく動くように「顔の柔軟体操」をすると良いでしょう。
2008/3/24



◆ことばの話3191「丹後の晩秋」

昨年秋のことです。お昼のニュースの原稿に、
「丹後の晩秋の風物詩、アユ漁が解禁され」
というものが出てきました。これを 聞いて一瞬「え!?」と思ったのは、
「丹後の播州の風物詩?一体、『丹後』なの?『播州』なの?」
と思ったのですね。もっとも、「晩秋」と「播州」は、
「晩秋(バ/ンシュー)」
「播州(バ\ンシュー)」
とアクセントが違いますから、そんな間違いはしないはずですが。しかし、
「丹後と端午」
同じ「頭高アクセント」なので、
「端午の晩秋の風物詩」
というふうに意味を取られて、
「え!?5月?それとも11月?」
と、季節感が狂うことがあるかも?しれませんね。
2008/3/24
スープのさめない距離