◆ことばの話3190「瞳ヂカラ」

2008年1月下旬、スーパーの化粧品売り場で、こんなコピーに出会いました。
「迫力の瞳ヂカラ」
化粧品のコピーです。初めて目にしました「瞳ヂカラ」。
「眼ヂカラ
よりも変わった感じでインパクトがあるような気はしますが、どうなんでしょうか?漢字で「力」とせずに「ヂカラ」とカタカナで、しかも濁っているあたりに、何となく力強さを感じる気がします。Google検索では(3月21日)、
「瞳ヂカラ」 =1万0400件
「瞳力」=1万4400件
「眼力」=560万件
「目力」=130万件
「眼ヂカラ」=4610件
「目ヂカラ」=20万1000件
でした。ただし、「眼力」は「ガンリキ」と読むのが普通ですよね。
2008/3/21
(追記)

3月26日の産経新聞朝刊に、
「目のトラブル急増 まつ毛のエクステ」
という囲み記事がありました。「まつ毛のエクステ」とは、
「まつ毛1本1本に人工のまつ毛を接着させる『まつ毛エクステンション』のこと」
で、それによって角膜炎などの目のトラブルが急増しているそうです。女性の皆さんは大変ですね。その中に、こういった「まつ毛のエクステ」が流行る理由として、
「手軽に『目力』をつけられるとして若い女性の間で急速に広まったまつ毛のエクステ」という文がありました。ホホオ、
「まつ毛のエクステ」→「『目力』をつけられる」
なのか。そうするとトータルで考えると、
「『まつ毛のエクステ』をつける」=「『目力』をつけられる」
となって、
「まつ毛のエクステ」=「目力」
ということになりませんかね?え?ならない、あ、そう。
しかし「目力」とは、「目」がくっきりとして文字通り「目」立って、
「目は口ほどにモノを言い」
状態になることを言うようですね。この場合の「目」は「瞳」とイコールではなくて、「瞳を含む周辺部分」まで、「地域を拡大している」と考えてよさそうですね。簡単に言っちゃえば、
「目が大きくパッチリとしているように見える化粧一般」
これが、「目力」なんじゃないでしょうか?
2008/3/27


◆ことばの話3189「でっち上げのでっち」

「でっちあげ」という言葉の「でっち」って何?
とテレビを見ていて、突然思いました。
『三省堂国語辞典』「でっちあげる」を引くと、
「捏ち上げる」
という動詞が見出しにありました。「捏造(ねつぞう)」の「捏」ですね。これで、
「捏(でっ)ち」
と読むのですかね。終止形は何なんでしょうか?
「捏(で)つ」
とでも読むのかな?そうだ!こういう時こそ、『新潮日本語漢字字典』を引いてみよう!置いておくだけではもったいない!で、引いてみたら、もちろんありました!「捏」は、
「呉音」=「ネツ・ネチ」、「漢音」=「デツ」
のようですね。訓読みでは、
「こねる・でっちる・つくねる」
とあります。ありゃ。私の好物の「トリのつくね」の「つくね」は、この字だったのか!
終止形ではないけど「漢音での音読み」が元になって、
「でっちる」
となって(今も、そうとも言うそうです)、しかも、それを作り上げるところから、
「でっちあげる」
となったのではないでしょうか。なお、「でっち上げる」は、
「捏上げる(ねあげる)」
とも言うそうです。Google検索(3月21日)では、
「捏ち上げ」=8390件
でした。
2008/3/21


◆ことばの話3188「小グループ」

実は去年の4月から、息子の小学校のPTAの会長を担当しているのですが、自分の小学校PTAの会議やイベント以外にもいろいろと会議やら何やらがあって、結構忙しいんです。そんな中2月の初めに、市内の小学校PTA役員と先生方の130人規模の懇談会が開かれました。その懇談会での話し合いの感想をまとめたアンケート中に、
「小グループでの意見交換なので、発表しやすかった」
という文章がありました、この中の、
「小グループ」
という言葉に目が留まりました。意味はおそらく、
「少人数のグループ」
という意味なんでしょうけど、普通はそのまま、「少人数のグループ」と言うような気がします「小グループ」というのは、教育界の専門用語なのでしょうか?反対語は「大グループ」?これが「リーグ」だったらにしたら「小リーグ」と「大リーグ」?
冗談はさておき、何となくその「小グループ」が気になっていたら、数日後の読売新聞(2月13日朝刊)の教育問題の記事の中に、「小グループ」と出てきました。やっぱり「教育業界用語」なのかな。Google検索(3月21日)では、
「小グループ」 237000
「少人数グループ」 48300
「少人数のグループ」 74600
「大グループ」 7900
「大人数グループ」 3830
でした。「小グループ」は、旅行会社の案内などにも「小グループプラン」と出てきましたし、英会話学校では「小グループレッスン」「小グループ学習」、学校関係では「小グループ討論」なんて言葉もありました。そのほか「小委員会」の意味で使っているものもありました。ただし「大グループ」には、「京大グループ」「名大グループ」といったものも含まれていましたから、ちょっと数字はあてになりません。
そのほかPTAで覚えた言葉には、
*「市P」(発音は「市」を伸ばしてシーピー)
*「分散会」(まさに小グループに分かれての討論)
などがありました。Google検索(3月21日)
「市P」= 116000
「分散会」=149000
でした。 
2008/3/21


◆ことばの話3187「14日のアクセント」

随分前(9か月以上前)の話でス2007年6月14日『ズームイン!!SUPER』で、日本テレビの西尾アナウンサーが、日付を言う時きに、「6月14日」の「14日」を、
「ジュ/ーヨッカ(LHHHH)」
平板アクセントでしゃべってました。いいのかなあ。なんだか違和感があるなあ。でも最近の若い人は、こういうアクセントでしゃべるのをよく聞くよなあ。
ちょうど新聞用語懇談会放送分科会で、数詞と助数詞のアクセントの検討をしていた時だったので、気になりました。
それから9か月近く経った2008年3月5日の『ズームイン!!SUPER』でも、西尾アナウンサーは、
「ホワイトデーの、ジュー/ーヨッカま\で」
と言っていました。SMAPと「サマンサ・タバサ」のコラボレーションで、水色のハートマークを紹介した中での発言でした。彼女の「14日」のアクセントパターンは、「平板アクセント」なのですね。
放送分科会で話し合って決めた標準アクセントによると、「14日」は、
「ジュ\ーヨニン」または「ジュ\ーヨ/ニ\ン」
2通りのアクセントで、西尾さんが使った、「ジュ/ーヨニ\ン」は、
「最近増えているが、標準にはふさわしくない」
と、注記されることになっています。ついつい言ってしまいますので、気をつけましょう。
2008/3/21


◆ことばの話3186「飛び降りさせるか飛び降ろさせるか」

『ニューススクランブル』のSキャスターから質問を受けました。
「道浦さん、この場合は、『飛び降りさせる』でしょうか?それとも『飛び降ろさせる』でしょうか?」
どれどれと原稿を見てみると、「Aという人をビルから飛び降りるよう仕向けた男」の罪状というような内容でした。
「これだと『飛び降りさせる』でしょうねえ。そもそも『飛び降ろす』という言葉はないでしょう。『降ろした』んじゃなくて『降りた』、そういう行為をさせたということなんだから。」
「飛び降ろす」だと「自動詞+他動詞」になってしまいます。「飛び降りる」は「自動詞+自動詞」で自然ですからね。
「なるほど」
と、割と簡単に決着しました。
2008/3/21
スープのさめない距離