◆ことばの話3180「最近の語尾伸ばし」

2007年10月10日の深夜(10月11日午前0時過ぎ)、NHKの衛星放送で、歌手の矢井田瞳さんがゲストで出ていました。その時の語りの中に、
「自分も、そこに入りー」
と語尾を伸ばしていたのが気になりました。ほぼ同世代と思われる(30歳を少し出たか出ないかぐらい)お天気お姉さんの米畑詩子さんも、そういったしゃべり方を普段していますしー、『ニュース・スクランブル』の横須賀ゆきのキャスターも、普段のしゃべりでは、そういう話し方をします。『情報ライブ・ミヤネ屋』の森若佐紀子アナウンサーも、時々、似たしゃべり方をします。気になります。
一昔前、二昔前なら、
「自分も、そこに入ってー」
と「て」を伸ばす形だったと思うのですが・・・。
この「入って」だと「話し言葉の動詞の連用形」ですが、「入り」だと「書き言葉の動詞の連用形」という気がします。なんで「書き言葉」をしゃべっているのかな?
これはもしかしたら、関西の30歳前後の女性に特有のしゃべり方なのでしょうか?
気になります。
2008/3/21


◆ことばの話3179「雨時々止む」

私が監修をして去年11月に出版された、いのうえさきこさんの4コママンガ集、
『かなりあやしい!?〜オカンとつっこむ微妙な日本語』(芳文社)
の中に、「あやしい天気」と題されたマンガがありました。そこのオチには、こう描かれていたのです。
「東海地方は全般的に『雨時々止む』」
「何それ?」
「気象庁の表示に『雨時々晴れ』は遭っても『雨時々くもり』はないらしい・・・」
ええ!そうなの?知らなかった!
と、監修をしてチェックした時に思いました。念のために、お天気おじさんの小谷さんにも確認しましたが、
「その通り」
とのこと。これに対する違和感は、「雨」が「名詞」なのに、「止む」が「動詞」なので「時々」をはさんで「名詞+動詞の終止形」ということに対するものでしょうね。普通は、
「晴れ時々くもり」
「晴れのち雨」
のように「時々」「のち」の前後に来るのは、天気を現す「名詞」ですからね。
ただ、放送では「止む」と終止形で止めるよりも、
「雨時々止むでしょう」
の形でしょうから、これだと聞き流してしまいそうですね。
これがどんなふうにマンガで描かれているかは、マンガを買って読んでみてくださいね。(宣伝かよ!)
2008/3/21


◆ことばの話3178「きえちゃう!!キャンディ」

小学4年生の息子とスーパーに行った時のこと。なにやらお菓子の袋を手にした息子が、
「お父さん、これ買って!」
「だめ!」
「えー、これ、ほら消えるんやで、このキャンディー。不思議やろ」
と差し出された袋には、
「きえちゃう!!キャンディ」
と書かれていました。何か、手品みたいなものかな。ちょっとおもしろそう。そこで、
「どれどれ・・・ホホオ、それならよし、買ってやる。」
と、名前に惹かれて買って帰りました。家で息子が妻に、
「へへー、これ買ってもらった!」
と自慢げに報告したところ、
「あ!キャンディー!ダメじゃない、こんなお菓子、買ったら」
と言われたので、
「でもこれ、消えるねんで。ちょっとおもしろいやろ。」
と私が助け舟を出して答えると、妻は冷静に、
「キャンディなんて、どれでも全部、口の中で消えるでしょう!」
あ・・・そうか。じゃあ、何が一体不思議なんだろう?何が消えるんだろう?
と思いつつ、まだ食べていません。
2008/3/21


◆ことばの話3177「和風モダンなお部屋で」

3年目のIアナウンサーが、『ズームイン!!SUPER』の中継で紹介した旅館の紹介原稿が、
「和風モダンなお部屋で、クラシックな調度品を揃えて」
となっていて、
「和風なのか?モダンなのか?クラシックなのか?混乱した」
と話していました。ああ、たしかにこれはわかりづらい。
おそらく、「和風」というのは「畳のお部屋」ということで、「モダン」というのは、これまでの畳ではなくて、縁がなくて普通の畳の半分の大きさで正方形の、
「琉球畳」
と呼ばれるようなものを敷いてあるのだろうと。そんなしゃれたお部屋だということでしょう。さらに「クラシックな調度品」は、まあ文字通り、アンティークな和風調度品の壺やら掛け軸なんかが床の間に飾ってあったりするんじゃないかな、と想像は付きますが、たしかにも字面だけ見ていると、
「モダン」と「クラシック」
は相反する気がしますし、
「和風」と「モダン」
も相容れないような気がするのも、わかる気がします。
そんな話を聞いて数日、3月19日の読売新聞朝刊にこんな見出しが。
「和室をモダンに」
おお、これじゃ、これじゃ。さらに読んでみると、サブ見出しで、
「窓に(ロール)スクリーン」「縁なし畳」「天井は壁紙」「素通し格子戸」
といった「和風モダン」のアイテムが並んでいました。そのほかにも、
「縦長や丸い窓」「床の間に床柱がなく、丈夫の壁は半月形」「床の間に間接照明を使う」
最近、フローリングのモダンな居間(リビング)とバランスが取れた和室のデザインを求める人が増えているんですって。また、「モダンなデザインに合わせて、テーブルなどの家具や小物もシンプルなものにするよう勧めています」と専門家は話しています。I君、こういうお部屋を「和風でモダンなお部屋」と言うのだよ。新聞、読んだかい?


2008/3/19


◆ことばの話3176「おねこさん」

下の娘が保育所で借りてきた絵本。かなり古いものでボロボロになっていますが、人気があるのでしょうね、ここまで読まれ続けると言うのは。「せなけいこ」さんという方が描いた、
『ふうせんねこ』(福音館書店、1972年)
という本です。もしかしたらご存知の方もいらっしゃるかもしれませんね。私は初めて知りました。娘に読んでやっているとその中に、
「おねこさんが ぷー」
「ふくれた おねこさん おそらへ ぷー」
という文章が!おお、
「ねこ」に「お」が付いてるゾ!
「お犬さま」みたいですね・・・って、綱吉かっ!
幼児語なのでしょうが、他の動物でも「お〜さん(ちゃん)」という形は成り立つのかな?
「ワンちゃん」「ネコちゃん」
はあると思いますが、「お」が付くかなあ・・・。
「おブタちゃん」
もありそうですね。「コブタちゃん」みたいだし。
検索してみると(3月19日)
「おねこさん」=5580件
ただし、「おおねこさん」とか「あおねこさん」とか「りお/ねこさん」なんてのもあって、純粋な「おねこさん」がどのくらいあるかは不明です。

                        
2008/3/19
(追記)

「平成ことば事情2546お日様さん」「追記」で書いた、
「お時計さん」
も、「おねこさん」の仲間だと思いました。
2008/3/24