◆ことばの話3055「鼻を伸ばしている先」

11月19日、日本テレビ「スッキリ!」を見ていたら、女性アナウンサーが「世界のオモシロCM」を紹介していました。そのCMは、おじさんたちが何人も、ちょっとスケベそうな顔で何かをジーッと見ているシーンから始まっていました。それに対して、その女性アナウンサーは、
「おじさんたちが鼻を伸ばしている先には・・・」
という原稿を読んでいたのですが・・・・
「鼻が伸びるか?ピノキオじゃあるまいし。」
禅智内供か!あれは鼻が最初から長い。もう、ゾウしようもないな。ゾウは鼻が長い。それも言うなら(標準語なら「それを言うなら」)、
「鼻の下を伸ばしている」
でしょ。「鼻の下」が正解です。微妙に違うでしょうが。何だろう、この間違い方は。中途半端やなあ・・・・。ま、原稿を書いた人やチェックした(はずの)デスクに責任がありますが、アナウンサーも最終的にチェックできないと、ねえ・・・。
2007/11/19


◆ことばの話3054「しあわせ考」

「しあわせ」について考えます。急に。
日曜日の休日の昼間、急にCDを聞き始めてしまいました。それも中島(なかじま)みゆき。時々聞くといいですよ、中島みゆき。演歌とポップスの融合といいますか・・・。やはり歌詞がいいですね。
同じ「中島」でも濁らずに読む「中島(なかしま)美嘉」も、ちょっと声量がないところはあるけど、いい曲を歌っていますね。その中島みゆきと中島美嘉の曲の歌詞カードを見ながらCDを聞いていて、気付いたのは、
「しあわせ」
という言葉の表記についてです。
中島みゆきの『糸』(作詞・中島みゆき)という曲では、
「仕合わせ」(「逢うべき糸に出逢えることを人は仕合わせと呼びます」)
と書かれているのですが、同じ中島みゆき作詞の、その名もズバリの、
『幸せ』
という曲では、歌詞の中も「幸せ」と表記しています。
そして、中島美嘉が歌う名曲『雪の華』(作詞はSatomi)では、カタカナ表記で、
「シアワセ」(「眺めているこの時間(とき)にシアワセ があふれだす」
となっているのです。歌詞って「詩」なので、表現の手段として文字表記もあるので、このように何種類もの「しあわせ」が出てくるのですね。
そしてこの「仕合わせ」という表記を見て「おや?」と感じたのは、
「これって『結果を出す』の『結果』と似ているのではないか?」
ということ。「結果を出す」の「結果」も、もともとは「ニュートラル」であったが、現在では「プラスの意味」を持つようになっていますよね。これと同じように、もともと「仕合わせ」は「ニュートラル」であったのが、次第に「プラスの意味」がクローズアップされてきたのではないか?そして、
「仕合わせ」=「幸せ」=単独でプラス評価
になったのでは?しかし、もともと「ニュートラル」だった時の名残りが、
「仕合わせが悪い」
という言葉に残っているのではないか?ということを感じたのですが、いかがなもんでしょうか?なお、
「天気になるといいね」
と言う時の「天気」も、意味の上では「プラス評価」の「良い天気」の意味の略と考えられ、同じ種類ではないでしょうか?             
2007/11/19


◆ことばの話3053「しようとしたとして」

今朝(11月1日)の朝のニュースの原稿を下読みしていたら、こんな原稿が。
「約9キロの大麻草を、南アフリカから密輸入しようとしたとして、ベルギー人の男が逮捕・起訴されました。」
これを読んでいたらなんだかおかしい。どこがおかしいのか?と、よーく見てみると・・・わかりました。違和感の原因は、
「しようとしたとして」
です。「する」という動詞が3回も「し〜し〜し〜」と続くのが、なんチャラまんチャラおかしな感じがしたのです。本当ならスッキリと、
「しようとしたベルギー人の男が」
にしたいところなのですが、おそらくこの被告に直接取材できておらず、検察側の起訴状などの言い分を元に原稿を構成しているので、「しようとした」という検察側の言い分をそのまま書くわけには行かず、
「『しようとした』として」
になってしまっているのです。それはわかるので、バサッとも切れず、結局、
「『しようとした』とされるベルギー人の男が」
に変えて読んだのですが、やはりまだ違和感がありました。
こういうときはどういう文章にするといいのでしょうか?お知恵をお貸しください!
2007/11/12


◆ことばの話3052「Eye Ware Shop」

近くのショッピングモールに新しい店が出来ました。そこには、
「Eye Ware Shop」
と書かれていました。
「アイ・ウエアー・ショップ」
なんだか聞き慣れないな。要するに。
「メガネ屋さん」
ですよね。わたしたちは普通、メガネを、
「かける」
と言いますが、英語だと、
「Ware(着る)」
なのかあ。なるほどね。
それより何より、この英語を声に出して読むと、
「アイウエオ・ショップ」
と聞こえておもしろいですね。Hアナウンサーに聞くと、
「アイ・ウエアーと言う場合には、単なる眼鏡だけでなく、サングラスとかそういったものも含む、ということですかねえ。」
そう言えば、眼鏡ではない「コンタクトレンズ」は、眼鏡屋さんではあまり扱っていないような。専門の「コンタクトレンズ屋さん」で扱うような気がしますね。コンタクトしないのでわかりませんが。
和英辞典で「メガネ」を引くと、
「(a pair of)spectacles glases]」
「メガネ屋」は、
「an optician」
「メガネ店」じゃ、
「optician’s」
とありました(『デイリーコンサイス和英辞典』)。
スペイン語では、「gafas(ガファス)」だったような。
2007/11/8


◆ことばの話3051「マット・デイモンは悪魔か?」

『ボーン・アルティメイタム』という映画のコマーシャルをテレビでやっていました。主演は、マット・デイモン。ハリウッドの売れっ子ですね。その名前で、前から気になっていたのは、このコラムのタイトルの、
「マット・デイモンの『デイモン』の意味は、『悪魔』なのか?」
ということです。たとえば・・・悪魔のようなメイクでおなじみの、
「デーモン小暮」
閣下の「デーモン」は「悪魔」の意味ですよね。「デーモン」と「デイモン」、長音符号の「−」と「エイ」という二重母音、日本語のカタカナの場合、新聞やテレビでは長音符号「―」を使うのが原則 ですが、原則がそうであるからこそ、あえて個性を出すために二重母音を使うこともあります ね。(そう言えば「鈴木えーもん」という人も新潟の方にいましたが・・・。)
で、英和辞典を引いてみると、
demon (ディーマン)悪魔
damon (デイマン)男の子の名前
となっていました。なんだ、やっぱり違うんだ。綴りが違うということは、意味も違う、別の単語だということですね。発音記号を見ると、(日本人としては)“微妙な”違いがあることがわかります。英語がマザー・タング(母語)の人にとっては、明らかな違いがあることでしょう。
ということで、「マット・デイモン」の「デイモン」は、「悪魔」とは無関係ということがわかりました。よかった、よかった!?
2007/11/12