◆ことばの話3005「エージングかエイジングか」

10月1日から神戸大学病院に「美容外科」が設置されるという記事が、9月27日の夕刊に載っていました。ところがこの「美容科」、何をするかというと今話題の、
「抗老化」
つまり英語で言うところの、
anti-ag(e)ing
を行うそうで、その表記が産経夕刊は、
「アンチエイジング」
朝日夕刊は、
「アンチエージング」
だったのです。「エイジング」か「エージング」かどっち?『ニュース・スクランブル』のSプロデューサーから、こう聞かれました。
「一応、『エイジング』にしたんですけど、それでよかったでしょうか?神戸大の発表ではそうなっていたし」
「うーん、原則は二重母音は、長音符号の『−』を使うんだけどねえ。固有名詞とか、例外も多いし。神戸大のは、固有名詞?」
「いえ、固有名詞というわけではないですね。」
「『新聞用語集2007年版』では『エージ』となってるね。やっぱり、二重母音は長音符号を使うのが原則となっているのだし。」
と答えると、
「わかりました!『エージング』に直します!」
ということで、『スクランブル』では、
「エイジング→エージング」
にして放送しました。
ま、「アンチエージング」は、顔などの「しわを伸ばす」のだから、言葉も「エー」と伸ばしたほうがいいのではないでしょうかね?
2007/10/1


◆ことばの話3004「着服と着席」

9月27日、読売テレビの『情報ライブ・ミヤネ屋』を見ていたら、社会保険庁の担当者が会見で、こう話していました。
「今回は申し訳ありませんでした。『着服』して・・・あ、『着席』してご説明申し上げます」
ハッハッハ!ありえない間違い!むちゃくちゃおもしろい!・・・と無邪気に笑っては、いられません。この言い間違いをした人は、血の気が引いたでしょうね。でもこの人は、失言の後、顔面からは血の気が引きながらも、心の中では、
「笑っちゃいけない、笑っちゃいけない・・・プププププ・・・」
笑いをこらえることに98%ぐらいの勢力をつぎ込んでいたのではないか。そんな気がします。
「普段から『着席』なんて言葉を使わずに、『着服』ばかりしているから、つい口から出てしもたんやろ!」
と、根性の悪い人なら突っ込むでしょうね。あ、おれか。
番組では宮根さんが、
「社会保険庁では『きりーつ(起立)、きおつけー(気をつけ)、着服』って言ってるんですかね?」
と皮肉っていました。この「起立」が「規律」だったら、もっと恐ろしい。
2007/9/27



◆ことばの話3003「セラミックか?セラミックスか?」

9月10日、京都大学病院が腹腔鏡手術で使っていたセラミック製のハサミが欠けているのが見つかり、この間に手術した161人の誰かの体内に、そのかけら(1〜3ミリ)が残っている可能性があると発表しました。そのニュースの原稿には、
「セラミックのかけら」
とあったのですが、辞書を引くと、「セラミック」は形容詞的に使われ、「セラミック製のもの」は「S」をつけて、
「セラミックス」
と言うようであるのに気付きました。つまり、
「セラミック製のはさみは、セラミックス」
というわけです。そうすると、かけらもやはり
「セラミックス」
「ス」が付くのではないかと思い、デスクと相談して「セラミックス」にしました。
翌日の朝刊を見ると、このニュースは読売と朝日で取り上げていて、読売は、
「セラミック製のはさみ」
朝日は、
「セラミック部品」
とともに形容詞的な使い方をしていました。
2007/9/27


◆ことばの話3002「漁業者」

9月半ば、高知県で伊勢エビ漁が解禁になったというニュースをNHKのラジオで伝えているのを車の中で聞きました。そのニュースの中で、
「ギョギョーシャ」
と言っているのを聞いて、最初は何を言っていうるのかわかりませんでしたが、すぐにこれは、
「漁業者」
であり、つまりは
「漁師さんのこと」
を言っているのだと気付いて、愕然としました。「漁師」はなぜ使われないのでしょうか?差別用語?そんなことはないと思うのですが・・・とにかくギョギョっとしました。
Google検索(日本語のページ、9月27日)では、
「漁師」=264万件
「漁業者」=46万2000件
でした。これで見ると、「漁業者」公的な言い方としては、結構、使われているみたいですね。
2007/9/27


◆ことばの話3001「カスタマ・アテンダント」

9月11日、長澤まさみが出ているNTT西日本のコマーシャルを見ていたら、
「カスタマ・アテンダント」
という職種名が出てきました。「カスタマー」ではなく「カスタマ」と語尾が伸びていません。短いと、随分、語感が違いますね。Google検索(9月16日)では、
「カスタマ・アテンダント」=1030件
「カスタマー・アテンダント」=1020件
略して「CA」とも言うようですね。「キャビン・アテンダント」とおんなじだ。そこからヒントを得たのかな?似たような仕事なのかな?
この「カスタマ(―)アテンダント」は、旅行会社車のディーラーのほか、ららぽーと横浜にもこの名前のお仕事があるようです。これは受付のお姉さんのような仕事のようですね。「レセプション業務」とでも言うのでしょうか。ホテルで言うと、
「コンシェルジュ」
のようなものかな。今後さらに増えていくかもしれませんね。注目です。
2007/9/16