◆ことばの話2965「空中に『待った』?」

大阪で開かれている世界陸上4日目。女子棒高跳びのロシアのエレーナ・イシンバエワ選手がロシアの威信にかけて、21回目の世界記録更新に挑戦・・・。その跳躍の際に、実況のTBS の男性アナウンサーが、
「空中に待った」
と言ったように聞こえました。ちょっと待った!この場合、
「まった(HLL)」
と言ってしまうと、
「待った」
になってしまうのです。正しくは、
「まった(LHH)」
です。これならば、
「舞った」
となって、空中で舞うことができます。「まった(HLL)」だと、相撲のようですね。
なお、イワンバエワ選手、残念ながら世界新記録は、なりませんでした。
2007/8/28


◆ことばの話2964「電車が早着気味です」

夏休みなので、小学4年生の息子の遊び相手になって、映画を見につれってやったり、スポーツ施設に行ったりしています。ちょうど、近くのシネコン(映画館)の横に、ボウリング場とゲームセンターがミックスしたような施設があって、そこで卓球をしたり、ボウリングをしたり、ゲームをしたりして、3時間で大人が1400円(ボウリング・5ゲームもすると2400円)、子どもは1000円で遊び放題ですから、結構お得な感じがします。ボウリングでは、何と 数年ぶりのハイスコア(214)を出しました!これまでのハイスコアは、数年前に出した「204」でしたから一気に10点、上回りました!エッヘン!
そのゲームセンターにある「電車でGO!」のゲームをしたところ、あれって、結構難しいですね・・・なかなか定刻に駅に到着しません。プラットホームを行き過ぎそうになり、ブレーキをかけると急ブレーキになって減点、すぐに「GAME OVER」です。かといってスピードを上げすぎると、早く着きすぎる。その時に画面に出た文字が、
「電車が早着気味です」
という文字が。
「早着」
というのは、読み方は書いてなかったけどおそらく、
「そうちゃく」
と読むのでしょうが、業界用語なんでしょうね。意味はすぐにわかりますが、普段私たちは使わない言葉です。そんな新しい言葉の勉強もできました。
2007/8/28


◆ことばの話2963「IAAF」

大阪で8月25日から始まっている「世界陸上」。地下鉄の乗っていても、街を歩いていても、いつもより多く外国人の姿が目立ちます。堺筋本町を歩いていたら、前を黒人の二人組みが歩いていました。バミューダーパンツの下から伸びているふくらはぎの、太くて硬そうなこと!世界陸上の選手に違いありません。そこで、「ハロー!」と声をかけ、どこから来たの?と聞くと、
「USA」
という答えが返ってきました。やはり世界陸上の選手です。そんなに身長は高くないけど。
「グッドラック!」
と言って別れました。
さて、この世界陸上を主催しているのは国際陸上競技連盟(国際陸連)ですよね。
その略称が、
IAAF
ですが、これは何の略称かな?「I」は「インターナショナル」(International)「A」は「アスリート」(Athlete)「F」は「フエデレーション」(Federation)でしょうね。そうすると「A」が1つ余る ぞ。「アソシエーション」かな?でも、「フェデレーション」と「アソシエーション」じゃあ、意味が重なる感じがするのですが・・・。調べてみました。すぐにわかりました。
International  Association of  Athletics  Federations
前半が「国際組織」、後半が「陸上競技連盟」というような感じなのかな。やはり「A」は「アソシエーション」でしたが、順番が違ったな。
ということで。選手の健闘を祈ります!
それにしても、優勝者が出てきたときに字幕で出てくる、
「67億の1位」
というのは意味がわからないな。「全世界67億人の中の1位」ということなのでしょうか?そうだとしても、なぜ出すのか、意味がわからないな。
2007/8/28


◆ことばの話2962「夫と子ども4人で」

読売テレビの夕方のニュース番組『ニューススクランブル』の特集のナレーション原稿の下読みをしていた時のこと。原稿にこういう一文が出てきて、ハタと困りました。
「夫と子ども4人で暮らしていました」

え?何が問題かって?
では伺いますが、この家族は、全部で何人ですか?
・・・でしょう!困るでしょう!この文章だと、
『「夫」と「子ども4人」に「私」の「計6人」』
なのか、それとも、
『「(私と)「夫」と「子ども」、の「計4人」」
なのかが、よくわからないのです。だから、
「夫と、子ども4人で暮らしていました」
なのか、それとも、
「夫と子ども、4人で暮らしていました」
なのかがわからないということです。ディレクターに確認したところ、
「家族は、全部で4人です」
とのことだったので、原稿に手を加えました。「の」を入れて、
「夫と子ども『の』4人で暮らしていました」
としました。これで意味が確定しましたね。
日本語は、助詞が一つあるのとないので、意味が変わってくる。こういう「助詞」で文章をくっつける性質の言語を、
「膠着語」
と言うそうですが、たしかに日本語はその意味では難しく、奥が深いといえるでしょうね。
2007/8/28


◆ことばの話2961「サラダ油」

このネタは1年前から「寝た」ままになっていました・・・。こういう疑問。
「サラダ油の『油』は、『あぶら』か『ゆ』か?」
両方、言うような気がするんですが・・・・。早速、辞書を引いてみました。そうだ、ついでに、「オリーブ油」「植物油」も引いてみよう。
まず、『広辞苑』では「サラダゆ」が見出しで、その意味の中に「サラダ・オイル」とありました。その手があったか!そして「オリーブゆ」「植物ゆ」が見出し。
『NHK日本語発音アクセント辞典』では見出しがすでに「サラダ・オイル」になっています。そのほか「オリーブゆ」「植物ゆ」が見出し。
『新明解国語辞典』は、見出しが「サラダオイル」ですが、意味の説明の中で「サラダ油(ユ)」と読み仮名付きでありました!また「オリーブゆ」の見出しで、意味の中に「オリーブオイル」。「植物ゆ」が見出し。
『新潮現代国語辞典』「サラダオイル」が見出し「オリーブゆ」「植物ゆ」が見出し。
『明鏡国語辞典』見出しが「サラダオイル」。そのほか「オリーブオイル」「植物ゆ」が見出し
『岩波国語辞典』の見出しは「サラダオイル」「オリーブゆ」「植物ゆ」でした。
『日本語新辞典』「サラダオイル」「オリーブゆ」「植物ゆ」。
『三省堂国語辞典』見出しが「サラダオイル」で、意味の説明の中に「サラダ油(ユ)」。「オリーブゆ」、「植物ゆ」が見出し。
『大辞林』は、「サラダゆ」が空見出し「サラダオイル」が本見出し。見出しが「オリーブゆ」、意味の説明の中で「オリーブオイル」。「植物ゆ」が見出し。
『日本国語大辞典』は、「サラダオイル」が見出し。意味の説明の中に「サラダ油」。それとは別に「サラダゆ」も見出しとしてはあって、「サラダオイルに同じ」と書いてあるので、「空見出し」的なのですが、「サラダ油」の用例も載せていました。
そして、「オリーブゆ」が見出しで、意味の中に「オリーブオイル」。見出しは「植物ゆ」。

整理してみましょう。(☆は意味の中に書かれているもの。★は空見出し、それ以外は見出し)
(サラダオイル)日本国語大辞典、大辞林、三省堂国語辞典、日本語新辞典、岩波国語辞典、明鏡国語辞典、新明解国語辞典、NHK日本語発音アクセント辞典、広辞苑☆
(サラダゆ)日本国語大辞典、大辞林★、三省堂国語辞典☆、新明解国語辞典☆、広辞苑
(サラダあぶら)***************

(植物ゆ)日本国語大辞典、大辞林、三省堂国語辞典、日本語新辞典、岩波国語辞典、明鏡国語辞典、新明解国語辞典、NHK日本語発音アクセント辞典、広辞苑
(植物あぶら)****************

(オリーブオイル)日本国語大辞典☆、大辞林☆、明鏡国語辞典、新明解国語辞典☆、
(オリーブゆ)日本国語大辞典、大辞林、三省堂国語辞典、日本語新辞典、岩波国語辞典、新明解国語辞典、NHK日本語発音アクセント辞典、広辞苑
(オリーブあぶら)**************

ということで「あぶら」は調べた限りでは、辞書には載っていませんね。「ゆ」か「オイル」かの戦いになっているようです。でも、「ゆ」だと「湯」のイメージがありますよね。「サラダ湯」とか
1年寝かしていたネタなので、ちょうど1年ほど前にいろいろチェックしていました。
2006年7月7の新聞では、
「日経(夕)」=サラダオイル
「読売(夕)」=サラダ油(読み方はなし)
でした。同じく2006年7月10読売テレビ『ニュース・スクランブル』では記者が、
「サラダあぶら」
と言っていました。あ・・・そうすると、「ごま油」は「ゴマあぶら」でしょ?「ゴマゆ」ではなく。「菜種油」も「なたねあぶら」ですよね。そ のへんがポイントかな!?あおれと関西の方が「○○あぶら」というのではないかな?あ、そう言えば、
「キャノーラ油=なたね油」
だったんですね。知らなかったな。キャノーラ種のなたねなんですね。Google検索では(8月17日)、
「サラダ油」  =146万件
「サラダオイル」= 15万件
「キャノーラ油」=  6万0200件
でした。


2007/8/17